「認可保育園」では、園庭の設置が義務づけられています。しかし近年、都心部で園庭のある保育所を作ることが困難なため、土地が確保できなくても保育園を新設できるように、近隣の公園などを代替地としてもよいことになっています。23区の園庭保有率のトップ3は、1位 大田区、2位 世田谷区、3位 足立区となっており、ワースト3は、1位 文京区、2位 港区、3位 中央区となっています。トップ3は23区の面積ランキングと比例しています。
国の基準において、満2歳以上の幼児を入所させる保育所は、原則的に園庭(屋外遊戯場)を設置することが求められています。その広さは、幼児(満2歳以上)1人につき3.3m²以上。都市部などで用地が不足する場合に限って、一定の要件を満たす場合は、屋上を利用することも可能とされています。
子ども、特に歩けるようになった幼児にとって、外遊びはとても重要なもの。室内だけでは経験することが難しい、全身を使って駆け回るような遊びや自然との触れ合いなどを実現することができます。多様な遊びの環境を用意するにあたって、園庭は大切な要素の一つだといえるでしょう。
保育園というと園庭で駆け回る園児を連想しがちですが、特に地価が高騰している都市部ではビル内に開設する園も少なからずあり、園庭の確保が難しくなっています。そうした場合は近隣にある公園や広場で代替することができ、移動の安全が確保されていれば保育所と隣接している必要はないと定められていることから、園庭を持たない保育園が増えているのです。
散歩に出かけることも楽しいものですが、やはり園庭があることのメリットは無視できません。天候に大きく左右されず柔軟に外遊びを提供できることや、誰もが出入りできる場所と違って安全管理がしやすいことなどは、働く保育士にとっても少なからず魅力となるでしょう。一方で、園庭の環境整備や手入れを保育士が行うケースもあり、そのような作業が苦手な人は少し大変かもしれません。