京都・大阪へアクセスしやすく、豊かな自然に恵まれた滋賀県には、子育て世代にとって住みやすい環境が整っています。滋賀県の合計特殊出生率は全国平均を上回っており、保育施設や各種育児サポートに対するニーズも高いといえるでしょう。今回は、滋賀県における保育士の平均給与や、保育士・潜在保育士向けの支援制度について解説します。支援の取り組みや平均給与も解説するため、滋賀県で保育士を目指す人は参考にしてください。
滋賀県における保育士の平均給与と、全国における保育士の平均給与は、下記の通りです。
平均年収(賞与・諸手当を含む) | |
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全国 | 約363万円 |
滋賀県 | 約411万円 |
(出典:厚生労働省「令和元年賃金構造基本統計調査」/ https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2019/index.html
県内の平均年収は、全国平均よりもやや高い状態です。しかし、この平均給与は求人サイトによる推定値であるため、実施は雇用形態や勤続年数等によって大きな差があります。
滋賀県は、2019年に県内の保育園等を対象とする調査を行いました。この調査は、滋賀県内にある245の保育園を対象にアンケートをとり、その結果をまとめたものです。 アンケートには、下記3つの項目があります。
結果として、職員の給与の引き上げや、給与を改善する支援の充実を求めるなど、3つのアンケートすべてにおいて「給与に関する内容」が上位7項目に入っています。
(出典元:滋賀県「滋賀県保育士実態調査報告書概要版」/ https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/5162459.pdf)
施設側も、職員である保育士の給与水準の引き上げには、おおむね前向きであることが見て取れます。
昨今の深刻な保育士不足を解消するため、国や各自治体によってさまざまな保育士支援事業が進められています。支援制度を活用して修学・再就職にかかる費用を抑えたり、キャリアアップをスムーズに進めたりすることが可能です。
ここでは、滋賀県が実施する保育士支援の取り組みについて解説します。
保育士修学資金貸付事業は、保育士養成施設に通う学生に対して、修学資金の一部を無利子で貸し付ける事業です。この制度を利用する場合、在学している養成施設を通して申し込むこととなります。
対象者 | 以下の条件をすべて満たす者 ・指定保育士養成施設に在学しており、卒業後県内の保育所等において保育士として保育業務に従事する予定の者 ・優秀な学生であり、家庭の状況等から真に貸付が必要と認められる者 ・他の団体等から同様の就学資金の貸付を受けていない者 |
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補助金 | ・修学資金...月額5万円以内(最大2年分) ・入学・就職準備金...各20万円以内 ・生活費加算...各自治体が定める生活加算額(一定の基準を満たす場合) |
返還免除条件 | 卒業後、滋賀県内の保育所等で5年以上続けて保育業務に従事すること |
(出典:滋賀県「保育士を応援する貸付制度について」/ https://www.pref.shiga.lg.jp/ippan/kosodatekyouiku/kosodate/15571.html#syuugakusikin)
保育士等キャリアアップ研修は、保育士の専門性を向上させることで質の高い人材を確保し、リーダー的な保育士を育てるための研修です。経験が浅い人や、ブランクが長い人向けの研修もあります。
対象者 | ●専門分野別研修 保育所等において下記の専門分野でリーダー的な役割を担う者、または今後担う見込みの者 1:乳児保育 2:食育・アレルギー対応 3:幼児教育 4:障害児保育 5:保健衛生・安全対策 6:保護者支援・子育て支援 ●マネジメント研修 保育所等においてミドルリーダーの役割を担う者、または今後担う見込みの者 ●保育実践研修 保育士としての勤務経験が少ない、または長期間保育現場を離れている保育士資格者 |
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研修時間 | 各15時間以上(5科目×3時間以上) |
(出典:滋賀県「滋賀県保育士等キャリアアップ研修の実施」/ https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/61053.pdf)
滋賀県における保育士有効求人倍率と保育士求人数は、以下の通りです。
保育士有効求人倍率(※1) | 2.25倍(2019年10月時点) |
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保育士求人数(※2) | 181件(2020年5月時点) |
(※1出典:全国保育士養成協議会:資料「2019年度 保育士養成研究所 第1回研修会 資料:保育の動向と保育士養成課程について/ https://www.hoyokyo.or.jp/nursing_hyk/reference/(※2出典:マイナビ保育士/ https://hoiku.mynavi.jp/
県内の有効求人倍率は、全国平均である3.05倍よりも少し低い状態です。 しかし、一定数の待機児童がいることや、オープン後間もない園もあることから、保育士に対するニーズも高いと考えられます。
2019年10月1日現在、県内全体の待機児童数は1,278人となっています。市町村別では、草津市が224人でもっとも多く、その次に多い自治体が189人の守山市です。
(出典:滋賀県「保育所等入所待機児童数」/ https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/5153543.pdf)
待機児童の数は減少傾向にありつつも、依然として多い状態です。
滋賀県には日本最大の湖・琵琶湖があり、豊かな自然に恵まれています。県内各地のお出かけスポットは、保育園児にもおすすめです。 ここでは、遠足・お出かけスポットを2つ紹介します。
ブルーメの丘は、メルヘンチックな雰囲気が漂うドイツ風の農業公園です。季節の花を眺めながら園内を回れるミニトレインや、動物と遊べる「小動物ふれあい広場」等があり、外遊びが大好きな子どもに適しています。
大型児童館である滋賀県立びわ湖こどもの国は、たくさんの大型遊具やアスレチック遊具が整備されている施設です。夏季は水深30㎝の水遊び用噴水が開放され、小さな子ども達も安心して水遊びができます。
「虹の家」には年齢に合わせたキッズコーナーやエアートランポリンがあり、雨の日や暑さ・寒さが厳しい日も快適に遊べるでしょう。
子ども達と楽しい時間を過ごしたい場合は、上記のスポットへ足を運んでみてください。
ここまで、滋賀県における保育士の平均給与や、保育士・潜在保育士向けの支援制度を解説しました。
近畿地方のベッドタウンである滋賀県は、子どもが多い県の1つです。保育士に対するニーズも高い状態であるため、今後も保育士の働きやすさを重視した環境づくりが進むでしょう。
滋賀県には、さまざまな雇用形態の保育士求人があります。求人サイトでこまめに情報を確認し、気になる求人を見付けた場合は、積極的に応募してください。
※当記事は2020年5月現在の情報を基に作成しています