【東京都】企業内保育所で働く保育士の求人情報|実情・平均年収も
東京都は、行政や経済の中枢である23区と自然豊かな多摩地域などを擁する日本の首都です。平成27年10月1日時点の常住人口が1,352万人であることに対して、昼間人口は1,592万人と、就業などによる隣接県からの流入人口が多いという特徴があります。
出典:東京都「「東京都の昼間人口」(従業地・通学地による人口)の概要」
また、東京都は「東京都子供・子育て支援総合計画」を策定し、保育サービスの充実に力を入れており、保育士の需要も高い自治体です。
出典:東京都福祉保健局「東京都子供・子育て支援総合計画」
当記事では、東京都における企業内保育所の平均給与や求人状況などを解説します。就業を検討する際の参考にしてください。
1.企業内保育所とは?
企業内保育所とは、従業員が就業中に利用できるように各企業で設けられる保育所のことです。復職を希望する出産後の女性が育児と仕事を両立し速やかに仕事を再開できるよう、設置が進められています。施設形態は、認可と認可外の2種類です。 仕事内容は、企業内保育所と一般の保育所で大きな違いはありません。 ただし、企業内保育所のほうはイベント関連が少なく、土日祝休みのところが多いなどの特徴があります。また、利用する子どもや保護者、勤務する保育士も少人数になる傾向です。
1-1.東京都における保育業界・企業内保育所の実情
令和3年4月1日現在における東京都の待機児童数は、前年から1,347人減の969人です。待機児童数は減少傾向にあるとはいえ、依然として高い水準にあります。今後とも保育所及び保育士の需要増が見込まれるでしょう。
出典:東京都「都内の保育サービスの状況について」
待機児童数が多い状況を受け、東京都では保育人材確保を目指して、保育士資格取得を支援する取り組みを行ったり、就業応援制度を整備したりしています。
保育士資格取得特例制度、保育士修学資金貸付事業、保育士養成施設に対する就職促進支援事業などが、保育士資格を取得しやすくする取り組みの一例です。保育士資格を有する人の保育所就職を支援する取り組みとしては、保育士就職支援研修・就職相談会、離職保育士届出制度などがあります。
出典:東京都福祉保健局「保育人材確保の取組について」
保育士の需要が高く支援制度も充実している東京都は、保育士として就業しやすい地域といえるでしょう。
東京都における企業内保育所は大手企業が運営しているケースが多く、福利厚生面が充実していることが特徴です。また、大半の企業内保育所が23区内に集中しています。
福利厚生などの待遇面を重視したい、多くの求人情報を見て就業先を決めたいという場合は、大手企業や勤務地が23区内の募集を中心に確認するとよいでしょう。
2.【東京都】企業内保育所で働く保育士の平均給与
就業先を検討するうえで、収入面は確認しておきたいポイントです。東京都の企業内保育所の平均給与はどのようになっているのでしょうか。
保育士と、企業内保育所で働く保育士の平均年収は以下のとおりです。なお、企業内保育所で働く保育士の平均年収は、マイナビ保育士に掲載されている求人情報を参考に算出しました。
| 保育士の平均年収 | 企業内保育所で働く保育士の平均年収 |
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東京都 | 約398万円 | 約362万~483万円 |
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全国 | 約374万円 | - |
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出典:厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」
東京都の保育士の平均年収は約398万円です。全国の保育士の平均年収は約374万円であるため、東京都は全国平均より約24万円高く、全国的に見て平均給与は高い水準であるといえます。高い収入が得られる求人を探したい場合、東京都はおすすめです。
企業内保育所で働く保育士の平均年収も、高い水準にあります。実際の求人情報においては、平均年収より高い案件も確認できるなど、収入面では条件のよい求人が多い傾向です。なお、正社員に限らずパートの時給もよく、概ね1,100円以上となっており、高いものでは1,600円の求人もあります。
3.【東京都】企業内保育所で働く保育士の求人状況
ここでは、東京都の保育士の有効求人倍率や、求人数などを紹介します。なお、保育士及び企業内保育所の求人数は、マイナビ保育士の実際の求人状況を参考にした件数です。
保育士の有効求人倍率(※1) | 2.70倍(2021年4月時点) |
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保育士の求人数(※2) | 5,381件(2021年8月時点) |
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企業内保育所の求人数(※2) | 161件(2021年8月時点) |
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※1出典:厚生労働省「令和2年及び令和3年における保育士の各都道府県別有効求人倍率等の比較」
※2出典:マイナビ保育士
東京都の保育士の有効求人倍率は2.7倍です。全国平均の2.04倍を大きく上回っており、隣接する千葉県の1.75倍や神奈川県の2.11倍よりも高い倍率となっています。東京都は保育士の求人件数が多く、選択肢が豊富にある地区といえるでしょう。
企業内保育所の求人は、雇用形態にかかわらず概ね23区に集中しています。実際に検索してみたところ、特に多い区は港区17件、中央区16件、江戸川区8件です。一方で、台東区は0件となっており、23区内でもバラつきがあります。
3-1.企業内保育所で働くことが向いている人の特徴は?
企業内保育所は一般の保育所と比べて、「小規模定員である」「イベントが少ない」「土日休み」であることが特徴です。
企業内保育所の特徴を踏まえると、家庭的な雰囲気の職場が好きな人が企業内保育所での勤務に向いています。小規模な保育所は子どもや保護者、保育士・スタッフが少人数の環境であり、関係が密接になるためです。
また、持ち帰り業務・残業少なめがよく、平日に出勤可能な人も向いています。イベントが少なく土日が休みである企業内保育所では業務負担が軽くなる魅力がある一方、平日には出勤する必要があることが理由です。
まとめ
育児と仕事の両立を推進するために各企業で設置される企業内保育所の特徴は、小規模であること、土日が休みであることです。そのため、保護者や保育士同士で密接な関係を築くことが好きな人や、平日出勤が可能な人に向いています。
求人件数が多く平均給与も高い水準にある東京都は、保育士の仕事をするうえでおすすめの地域です。
東京都における企業内保育所の求人情報を探すなら、情報満載でキャリアアドバイザーレポートも確認できるマイナビ保育士を、ぜひご活用ください。
※当記事は2021年8月現在の情報をもとに作成しています