「今の職場環境に納得いかない」「もっと理想の保育ができる場所を探したい」......。日々の業務に邁進する中で、ふと転職への思いが頭をよぎることはありませんか? とはいえ、求人情報を何となく検索しているだけでは、なかなか理想の園にたどり着くことは難しいもの。転職の第一歩として、就職活動をスタートするタイミングや、就職活動において知っておきたいポイントを学んでおきましょう!
求人のピークは? 前倒し傾向が見られる保育士の転職市場
従来、保育園の常勤職員の採用活動(4月入職の場合)は、秋から冬にかけて行われることが一般的でした。秋のビッグイベントである運動会が終わったタイミングで、園の職員を対象に意向調査を実施。その退職や異動の希望などを把握したうえで、年明けに求人情報を公開するという流れが基本だったのです。
ところが、ここ数年で採用活動のタイミングが大幅に前倒しされてきています。4~5年前までは年明けがピークだった求人数が、現在では秋ごろから急増する傾向に。早めの対応が求められる新設園はさらに早く、行政の認可が下りる初夏から採用活動をスタートすることもあるのです。
採用活動の時期が年々早まっているのは、「不足しがちな保育士を確実に採用したい」という園側の意図があるため。全国的に求人数が一気に増えるタイミングに合わせると、自施設の求人情報が埋もれてしまいかねません。そこで、「他園より少しだけ早く採用活動をスタートしよう」と多くの園が考えた結果、だんだんとピークが早まってきたわけです。現在では、求人数は7~9月にかけて右肩上がりに増加していき、年内にはピークを迎える傾向にあります。
つまり、転職を希望している保育士としても、早め早めの動き出しが求められるということ。数年前までの感覚でいると、「気づいたら興味のある園の採用がすべて終わっていた!」なんてことになりかねません。
コラム:パート採用のタイミングは?
正職員と異なり、パート採用については、病気やけがなどで急な欠員があったときの即戦力を求めて求人情報が出るケースがほとんど。したがって、数カ月以上先を見据えた就職活動をしても、なかなか求人情報が見つからないこともあります。気になる園にパートとして勤めたい場合は、求人情報の有無をこまめにチェックするようにしましょう。なお、パートの求人が多めになる傾向があるのは、意外にも4月ごろだといわれています。新年度のスタートでは、子どもが園にまだ慣れておらず、職員もバタバタしがち。新体制でクラス運営をしてみたら「思ったように手が回らない」「新人の先生のフォローが必要」というケースもあり、急いで増員したいと考える園が増えるためです。
成功する転職のカギは「タイミング」と「動機固め」
それでは、「早めの動き出し」とは、いったいいつごろを指すのでしょうか。4月入職へ向けて理想的な転職を実現するためには、夏から秋にかけて、求人情報が出始めるころから就職活動をスタートするのがおススメ。時間をかけて十分な準備ができるだけでなく、興味のある園をじっくりと見学したり、複数の園を比較したりしやすくなります。また、早くから計画的に行動できる人材であることを間接的にアピールできるというメリットもあるでしょう。
逆に、年末になるにつれて採用活動が過熱していくと、園にも余裕がなくなりがちです。希望どおりの施設見学が難しかったり、内定後の返事を急かされて複数園の選考に挑戦できなかったりすることも考えられます。また、地方出身者が上京する場合や幼稚園教諭が転職する場合は、平日に連休が取りやすい夏休みの時期に集中して就職活動を行う人が多いのだとか。動き出しで負けないためにも、早めに行動を起こしたいところですね。
そして、適切な時期に就職活動をスタートすることに加えて重要なのが、転職における「動機固め」をしておくこと。まずは、なぜ転職したいと思ったのかをはっきりとさせることが肝心で、このプロセスなしに多くの情報を集めても混乱してしまうばかりです。頭で考えるだけではまとまりにくければ、文章に起こしたり、家族や友人に話したりしてみましょう。自分にも第三者にも説得力のある動機があれば、転職はなかば成功したようなものです。
動機固めができれば、転職において「自分にとって譲れないポイント」も明確になります。たとえば「人間関係」を理由に転職するという自覚があれば、施設見学も漠然としたものにならず、「園長先生はどんな方かな」「職員同士はどんな雰囲気で会話しているだろう」というようにポイントを押さえることができるはず。逆に、ほかの理由で転職を希望したはずが、いざ就職活動を始めると待遇面ばかり気にしてしまう......といった軸足の定まらない事態は避けたいものです。自分が転職において大切にしたいことは何なのか、優先順位を考えてから行動を起こすようにしましょう。
コラム:コレはダメ! よくある転職の失敗パターン
・失敗パターン①
とにかくたくさんの園を知ることが大切と、情報収集と施設見学をひたすら繰り返し、あれこれ迷っているうちに求人がなくなってしまうタイプ。一般的に、5~6カ所以上の施設見学に行くと、どこも良く見えて決断しづらくなる傾向にあるので要注意!
・失敗パターン②
思い描く理想が高く、この世に存在しないような素晴らしい保育園や夢のような求人情報を探してしまうタイプ。過度に高望みする思考パターンを直さないと、就職できても園の粗探しを続け、「やっぱり何か違う......」とすぐに退職しがち。
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また、求職者と保育園で条件の相違が起こらないよう、入職条件の確認書を手配したり、自分ではなかなか言い出しづらい待遇面の交渉や内定を辞退する場合の連絡などを任せたりすることもできます。
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