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保育士不足解消のため、潜在保育士の活躍が期待されています。こうしたなか、自治体や民間団体ではさまざまなサポートや工夫を凝らしながら、現場に戻りやすくなるような仕組みを整えています。今回は、潜在保育士が復帰する際にチェックしたいポイントと、民間団体が保育士の働き方改善に挑戦する特徴的な取り組みをご紹介します。

保育士としてフルタイムで復職するのは難しい?

全国保育協議会が実施した2016年の実態調査(会員である公私立の保育施設5,876か所が回答)によると、平日の平均開所時間は11.7時間で、土曜日も開所する施設が97.7%であることが明らかになりました。正規職員について見ると、1週間の実働時間が法定労働時間の40時間を超える施設が6割近くに及び、中には週に50~60時間以上という回答も。延長保育や休日保育、一時預かりといった多様なニーズにこたえるため、保育士は長時間労働になりやすい傾向があることが分かります。

さらに、勤務時間中は子どもたちから目を離せず休憩を取りづらかったり、事務作業や制作物の準備などのため持ち帰り残業が発生したりといった問題も指摘されています。とくに、出産・育児の真っ最中である潜在保育士にとっては、このような環境にある保育の現場に復帰するのはとても難しいこと。フルタイムとして戻るのはなおさらです。

設置・運営主体別 正規職員の週当たりの実働時間のグラフ 週20時間未満0.4% 週20時間~30時間未満0.8% 週30時間~40時間未満40.4% 週40時間~50時間未満55.3% 週50時間~60時間未満1.7% 週60時間以上0.2% 無回答1.2% ※1週間の実働時間が法定労働時間の40時間を超える施設が約6割

出典:全国保育協議会「全国保育協議会 会員の実態調査 報告書 2016」

潜在保育士が復帰するときにチェックしたいポイント

チェックシートと鉛筆が写された画像

それでは、復帰を考えている潜在保育士は、就職活動のときにどんなことをチェックすればいいのでしょうか? 保育内容や待遇などはもちろん大切ですが、次のようなポイントにも注目してみるのがおススメです。

・扶養内でのパート勤務や時短勤務が可能か?
・正職員とパートなどでは仕事内容に違いがあるか?
・育児中の保育士がどのくらい活躍しているか?
・職員同士で助け合う風土があるか?
・研修の受講など、学び続ける機会があるか?
・残業時間(持ち帰り残業を含む)はどの程度あるか?

新たな取り組みに挑戦している民間団体も!

赤ちゃんと一緒に笑う女性保育士の写真

保育士が働きやすい環境を整えようと、民間団体も頑張っています。たとえば、ある企業内託児所では保育士の週休3日制度を導入(選択制)。働き方を多様化したことで、育児中の潜在保育士も無理なく働けるようになりました。また、保育士の急な休みに対応したり、有給休暇などを取りやすくしたりするため、フリーの保育士(ヘルプマン)を配置している団体もあります。

ママ保育士の子どもを優先的に預かる仕組みを導入した園もあります。復職を希望する保育士が自分の子どもを預ける保育園を見つけられない場合、系列の保育施設で保育してもらえるというものです。一部の認可外保育所では、「子連れ出勤」を可能としているところもあります。なるべく自分の子どもばかりを担当しないといった配慮は必要ですが、ママ保育士が安心して働くための意欲的な取り組みだといえそうです。

キャリアアドバイザーからのコメント

そのほかにも、持ち帰り残業ゼロを徹底したり、短時間勤務の職員をうまく配置して長時間労働を軽減したりする取り組みが、多くの民間団体で行われ始めています。「今さら復帰するなんてムリ!」と思い込むのではなく、自分の希望に合った働き方のできる場を探してみると、意外な発見があるかもしれませんよ。
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