昨今、何かと話題になりがちな保育士の収入ですが、みんなのお財布事情を知る機会は意外に少ないもの。そこで今回、全国の現役保育士484人にアンケートを実施(楽天リサーチ調べ)。「本当の収入はどのくらい?」「現状で満足している?」といった質問から、保育士さんのリアルな本音を探ってみました!
約6割の保育士が「自分の年収は低い」と考えている
年代別に税込み年収の平均額を聞いたところ、意外にも20~30歳代で大きな変化はないことが分かりました。しかし、その中身をよく見てみると、20歳代の最少額は103万円、最大額は545万円。それが30歳代になると、最少額120万円、最大額800万円と開きが大きくなっています。また、役職に就くことの多い40歳代からかなり上昇していくことも分かります。国税庁の民間給与実態統計調査によると、民間企業の年代別平均給与は20代で約304万円、30代で約418万円、40代で約477万円となっており、年齢が上がるにつれて民間企業の給与と保育士の給与との差が顕著に見られます。
参照:国税庁「平成28年 民間給与実態統計調査結果」
※楽天リサーチ調べ
※年収金額は月収の支給総額平均×12カ月+年間賞与で算出
現在の収入に対する意見を聞いてみると、「低いので不満を感じている」が45.5%と圧倒的に多いことが明らかになりました。「低いが満足している(8.1%)」「低いが満足でも不満でもない(6.8%)」と、収入についてはあまり期待せず、業務そのものにやりがいを見出していると思われる人も少なくないようです。
※楽天リサーチ調べ
それでは、保育士のみなさんが理想と考えている年収はどのくらいなのでしょうか? なんと、最多となる22.1%の人が選択したのが、「200~250万円」という実際の現状とほぼ一致した金額でした。あまり多くを求めない、堅実な人が意外に多いのかもしれませんね。とはいえ、「生活のためには300万円以上は欲しい!」と考える人も7割近くに上り、現実との落差が浮き彫りになりました。
※楽天リサーチ調べ
「昇給の経験がない」保育士は約6割
待遇の良し悪しを考えるうえで、年収のほかにも大切なポイントとなるのが「実力に応じて昇給するか」ということ。今回のアンケートでは、残念ながら半数以上の人が「昇給の経験がない」と回答しました。一方で、「昇給したことがある」と回答した人の昇給額は、平均で7千776円(月額)。中には10万円以上の昇給が実現した人もいました。
※楽天リサーチ調べ
さらに、給与のほかに経済的な支援制度があるかどうかも重要です。今回、勤務先の「住宅支援制度」について尋ねたところ、なんと75.6%もの人が制度の存在自体を知らないということが明らかに。一方で、制度を利用しているケースでは、「社宅や社員寮に住んでいる」「住宅手当が出る」という人もいました。
※楽天リサーチ調べ
転職が頭をよぎるその理由は、やっぱり「待遇面」!
※楽天リサーチ調べ
こうした状況の中、転職を考えたことがある人の割合は約70%に上りました。その理由を聞いてみると、やはり「給与や福利厚生などの待遇面を改善したい」答えた人が最多の51.4%。転職を視野に入れている人たちからは、具体的に次のような声が聞かれました。
保育士さんの声
- 20代 年収145万円
- 「とにかく給料が安すぎて不満。残業代も会議中しかカウントされず、制作物やプリント作成の時間はサービス残業」
- 30代 年収185万円
- 「ボーナスや手当もなく『こんなものかな』と思っていたが、同業の友人の話を聞いてあまりの違いに驚いた」
- 40代 年収286万円
- 「時短制度などがしっかりと整備されているところで働きたい」
保育士さんの転職理由トップ10
※楽天リサーチ調べ
キャリアアドバイザーからのコメント
しかし、ひと口に「よりよい待遇」といっても内容は人によりさまざまで、それに応じて「経験を生かしてすぐに年収アップを狙いたい」「いずれは管理職になりたい」「各種手当や住宅支援制度を充実させてほしい」などめざすべき方向性も異なってくるはずです。
自分がどんな待遇を求めているのか、それを実現させるためにはどうしたらいいか判断するためには、豊富な知識と経験を持つマイナビのキャリアアドバイザーにご相談ください。みなさんがベストの道をめざし、素敵な保育士ライフの一歩踏み出すお手伝いをさせていただきます。