公立保育園の場合は6月末に、民間の場合は主に7月初旬ごろに支給されることが多い夏のボーナス。本格的な夏の到来を前に、「今年はどのくらいもらえるかな?」とドキドキしている人もいるのではないでしょうか? 今回は、職場では直接聞きづらいボーナスの額について、他業種と比較しながら見ていくことにしましょう。
保育士ボーナスは他業種と比べてどれぐらい多い?
「マイナビ保育士」が2018年に全国の保育士さんに実施した調査(楽天アンケート)によると、夏や冬にボーナスを支給されている保育士は、それぞれ回答者の約4割ほどであることが分かりました。それでは、そのボーナス額は、どれくらいなのでしょうか?
厚生労働省による「平成29年賃金構造基本統計調査」で保育士の「年間賞与その他特別給与額」を見ると、男性平均が72万3,400円、女性平均が65万8,300円でした。保育の隣接領域ともいえる医療分野と介護分野を例に出して比較してみると、福祉施設介護員よりも20万円ほど高く、看護師よりも10万円ほど低いという結果に。他業種と比べて、保育士のボーナスが極端に低い......というわけではなさそうです。
「大企業=ボーナスたくさん」とは限らない!
一般的に、大企業ほどボーナスが高額というイメージが強いですが、保育士についてはそうともいい切れません。企業規模別に年間賞与額を比較してみると、意外にも従業員数10~99人の小規模な企業のほうが、1,000人以上の企業よりもボーナス額が高いという結果になりました。
そもそも保育園を運営する法人は小規模なところが多く、母数の差が平均額に影響を及ぼしていることが予想されます。しかし、それを差し引いても、「大規模な法人なら絶対にボーナスがアップする!」と思い込むのはNGです。ボーナスアップを狙って転職するなら、それぞれの企業の方針や運営状況をしっかりと把握するようにしましょう。
ちょっと気になる、若手のボーナス事情
それでは最後に、経験年数別にボーナス額がどのように変化していくかを見てみましょう。保育士としての経験年数が長くなるにつれて、ボーナス額も上昇していくことがデータから読み取れます。男女で伸び率に大きく差があるのは、出産や育児などによるブランクの有無や、役職に就く人数の違いなどが影響していると考えられます。
なお、経験年数0年(就職1年目)における夏のボーナスでは、査定期間となる前年度の勤務実績がないため、求人票などに「ボーナス○カ月分支給」とあってもその通りには支給されず、寸志(一般的なボーナスよりは少なく、相場は5,000円~50,000円程度)のような扱いで数万円程度を渡されるケースが多いです。夏のボーナスを見込んで、大きな買い物をしようとしている人は要注意ですよ!
そもそもボーナス支給は法令で定められたものではなく、支給の有無や金額は各企業に委ねられています。今の園に勤めていてもボーナスアップが望めないという場合、転職することで金額が大幅に変わってくる可能性も。保育士としてのやりがいはもちろん大切ですが、同時にしっかりと自分を評価してくれる園に出会えるといいですね。