業務負担大幅軽減!? 保育現場環境改善に期待大の「ICT」とは?

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保育士の業務負担を軽減し、本来の保育業務に集中してもらうため、保育現場のICT(情報通信技術)化が重要だと言われています。みなさんの職場でも、すでにICT化が進んでいるかもしれません。保育現場のICT化でどのようなことができるのか、基礎を押さえておきましょう!

目次

保育現場の事務作業は非効率的?

東京都の調査によると、保育士の退職理由の上位3つは「給料が安い」「仕事量が多い」「労働時間が長い」であることが明らかになっています。なかでも、事務作業にアナログな工程が多いなど、保育士の働き方や業務内容の非効率さが指摘されることも少なくありません。皆さんも「手書きの書類を何通も作成するのに時間を取られてしまった」なんて経験がありませんか?

このような問題点を解決して、保育の質を向上させようという流れが強まっています。例えば、2017年に発表された厚生労働省の「子育て安心プラン」では、保育人材確保を目的とした「保育士の業務負担軽減のための支援(ICT化等)」について記載があり、業務のICT化を行うために必要な購入費用等の補助を行うといった支援策が示されています。

保育の現場で活用される業務支援システム

それでは、実際のところ保育現場ではどのようにICT化が進められているのでしょうか。そもそもICTはInformation and Communication Technologyの略で、「情報通信技術」のこと。具体的には、「パソコンやタブレットなどの電子端末を通して業務支援に役立つシステムを利用できる環境を整えること」と考えれば分かりやすいでしょう。保育の現場では、次のようなICTの導入例が多く見られます。

  • 登園や降園の状況をタッチパネルで記録し、自動集計する。
  • センサーで子どもの身体の向きなどを検知し、一定の時間ごとに昼寝の状態をチェックする。
  • 日誌や連絡帳をパソコンやタブレットで入力する(検温や排便などの結果を自動転記)。
  • 日々の記録や帳票と連動させた指導計画を作成する。

そのほか、保育所の運営に関わる業務(給付費請求作業の自動化など)や園バスの運行、写真管理など、様々な場面で活用できるシステムが日進月歩の勢いで開発されています。ICT化に伴って「負担感が軽くなった」「子どもと向き合う時間が増えた」と実感する保育士さんも少なくありません。

ICT化の壁はスタッフのリテラシー?

悩んでいる男性保育士の背中を写した写真

一方で、ICT化がなかなか進まないという課題もあります。その原因の一つとして指摘されているのが、現場スタッフのITスキルが不十分であるということ。慣れ親しんだ昔ながらの方法を変えられない人が多く、ITリテラシーの高いスタッフにばかり業務が集中してしまった……なんて事例もあるそうです。ICTを本当の意味で現場の力とするためには、導入を決めた園がしっかりと研修や説明を行い、フォロー体制を整えることも必要ですね。

導入に伴い一時的に業務が増えてしまうケースもあるのが現状ながら、長い目で見れば業務負担の軽減が期待できるICT化。その分、保育士本来の仕事である子どもたちと関わる時間が増え、保育の質を上げることにつながっていくはずです。新たな技術が導入されるメリットをしっかりと理解して、ICT化へ積極的に対応できる保育士でありたいですね。

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