【改訂】まるわかり「新・保育所保育指針」~保育園に求められることは?

2017年に改定、2018年4月から施行された、新たな保育所保育指針。「変わった」ということは知っていても、具体的な改定のポイントまできちんと説明できる人は少ないかもしれません。ここでは、今さら同僚や先輩には聞きづらい、新・保育所保育指針の外せないポイントをチェックしておきましょう!

1.保育所は「福祉施設でありつつ幼児教育も行う場」に

まずは、2018年にスタートした保育所保育指針の改定内容について5つのポイントをチェックしていきましょう。

2018年から保育はこうなる! 保育所保育指針改定5つのポイント

ポイント(1)

「幼児」と「1歳以上3歳未満児」の保育の質を向上させるため、記載内容が見直された。

ポイント(2)

幼稚園教育要領や幼保連携型認定こども園教育・保育要領と、幼児教育に関する記載がほぼ共通化された。

ポイント(3)

第3章「健康及び安全」で食育の推進などに関する記載が見直されたほか、「災害への備え」という項目が新設された。

ポイント(4)

第4章が「保護者に対する支援」から「子育て支援」に変わり、地域に開かれた支援などに関する記載が増えた。

ポイント(5)

保育の質や専門性向上のため、職員の研修体制の強化が新たに掲げられた。

現場で活躍する保育士さんに特に注目してほしいのは、ポイント(2)の幼児教育に関する項目。第1章「総則」の4つ目にある見出しは「幼児教育を行う施設として共有すべき事項」となっています。つまり、これまでは福祉施設と位置付けられていた保育所が、重要な幼児教育の場でもあるということが明確に示されたわけです。

2.「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿

「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿

ポイント(2)「幼児教育を行う施設として共有すべき事項」のなかで掲げられているのが、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」(10の姿)です。「幼児期の終わり」というのは5歳の終わりごろで、つまり小学校就学時の具体的な姿を示したもの。3つの幼児教育機関(保育園、幼稚園、幼保連携型認定こども園)と小学校の間で共有されることになった内容でもあります。

「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」の項目

・健康な心と体
・自立心
・協同性
・道徳性・規範意識の芽生え
・社会生活との関わり
・思考力の芽生え
・自然との関わり・生命尊重
・数量や図形、標識や文字などへの関心・感覚
・言葉による伝え合い
・豊かな感性と表現

3.小学校からのアクティブ・ラーニングも意識して

小学校からのアクティブ・ラーニングも意識して

勘違いしてはいけないのは、「10の姿」「5歳ごろに子どもはこうなるべき」といった到達目標ではないということ。むしろ、「乳幼児期からの適切な関わりが10の姿につながっていく」ということを、保育者が意識する必要があるのです。いわば、3つの幼児教育機関と小学校がスムーズにつながるために必要な、保育の「視点」や「評価軸」だといえるでしょう。

実は、今回の保育所保育指針の改定と同時に、小学校の学習指導要領も改定されたことを知っていますか? そこでキーワードとなっているのが「アクティブ・ラーニング」。これは「先生に言われたことをやる」という受け身の学習ではなく、子どもたちが主体的・対話的に行う深い学びのことを意味します。アクティブ・ラーニングは、変化の激しい時代を生き抜く子どもたちにとって欠かせない素養を伸ばしてくれるものです。これからの保育士は、目の前にいる子どもたちに寄り添うことはもちろん。小学校以降の教育の変化も視野に入れながら、日々の保育に取り組むことが求められているといえるでしょう。