悩む女性と、それが解決した女性のイラスト

「対人間」の業務に携わる保育士は、人間関係の問題に悩まされることも少なくありません。ありがちな悩みの内容を知り、一般的な解決法を学んでおきましょう!

1.多くの保育士が人間関係に悩んでいる

保育士は「子どもの相手をすればいい仕事」と思われがちですが、実際には一緒に働く先生たちや保護者など、大人との関わりも多いもの。これは園見学や説明会では見えにくい部分であり、就職してから生まれる悩みの大きな原因にもなっています。

実際、現役保育士を対象としたマイナビのアンケート(回答者数399人、2018年11月実施)によると、「今の職場に満足していない」と答えた保育士のうち、その理由として37.6%もの人が「人間関係が悪いから」と答えています。決して広い世界とはいえない保育園で人間関係が悪化してしまえば逃げ場がなく、たとえ業務そのものが魅力的でも職場に行くのがつらくなってしまいます。

しかし、一口に人間関係と言っても、その相手はさまざま。そこで、保育士が日常的に関わる「園長」「先輩」「後輩」「保護者」の四者について、それぞれとの関係で生じやすい悩みと、その解決法を見ていきましょう。

2.園長先生との関係で悩むこと

ミドルシニアの女性

2-2.ありがちな悩み:保育方針や運営方法が納得できない!

「保育士としての経験がない園長なのに現場の声に耳を貸さず、自分が思い描いた"理想の保育園像"を押し付けてきます」
「うちの園長は、担任を持ったら仕事を最優先するのが当然という考え方。自分の子どもが熱を出したり、学校行事があったりしても、休みづらい雰囲気です」

2-2.解決策:納得できる範囲のことではないのか見定めよう

保育指針に自分と異なる考え方が含まれていると、保育士にとっては大きなストレスとなります。また、組織のトップである園長の考え方は、働きやすさに大きな影響を与えるでしょう。とはいえ、直接的に「それはおかしい!」と声を挙げるのは難しいもの。なぜ、そのようなルールを作ったのか、本人や周囲の人に話を聞いてみましょう。背景を知れば、理解できる部分も見つかるかもしれません。いきなり退職するのではなく、自分の中で本当に納得できるものではないのか、いったん立ち止まって検討してみましょう。

3.先輩・同僚保育士との関係で悩むこと

先輩・同僚の女性

3-1.ありがちな悩み:感情的な指導やうわさ話が絶えない!

「リーダー的な存在の先輩は、機嫌の良し悪しがあからさまに出る人。ご機嫌ナナメの日は、ちょっとしたことで厳しく怒られるため、周囲はピリピリしています」
「スタッフが3つの派閥に分かれていて、互いのうわさ話や悪口が絶えません。自分も陰で何を言われているか分からず、正直、仕事に集中できないこともあります」

3-2.解決策:付かず離れずの関係で大人の対応がベスト

派閥があるなど人間関係に問題がある園では、とにかくトラブルに巻き込まれないことが大切。うわさ話や悪口には乗らず、相づち程度で盛り上がらないようにしたり、用事を作ってその場を離れたりするのが賢明です。先輩や同僚の納得できない言動に対しては、「勉強になります」「なるほど!」などと適当に話を合わせ、流してしまいましょう。相性の悪い相手とは、付かず離れずの関係性を保つのがポイントです。

4.後輩・新人保育士との関係で悩むこと

後輩の女性

4-1.ありがちな悩み:指導しても手ごたえが全然ない!

「優しく指導しようといろいろ工夫していたのに、メモの一つも取らない後輩にイライラ。何度も同じことを説明しなければならず、自分の業務に支障が出ています」
「今の新人は、本当に言われたことしかやらないのにびっくり。『自分で考えて動かないと』と指摘したら目がウルウル......。これじゃあ、何も指導できません」

4-2.解決策:自分も成長する機会だと前向きにとらえて

まだ仕事の全体像がつかめていない段階では、自ら積極的に動くことが難しい後輩もいるでしょう。特に最初のうちは、何をどのようにすべきか、はっきりと指示するようにしましょう。その業務が必要な理由や、具体的なプロセスを伝えることで、相手の理解がスムーズになります。また、「先輩によって/時によって言われることが違う」という状態は大きな混乱を招きます。教える側の理解が不十分だと一貫した対応ができないので、あらためて勉強する機会にできるといいですね。後輩指導は忍耐が必要な仕事ですが、自分が成長するチャンスでもあるのです。

5.保護者との関係で悩むこと

後輩の女性

5-1.ありがちな悩み:ちょっとしたことでクレームが入る!

「小さなすり傷なのに『誰がやったのですか!』と激怒。直接話がしたいからと、相手の住所をしつこく問いただされました」
「お遊戯会で自分の子どもの出番をカウントし、少ないと思ったのか『不公平だ!』と怒りの電話がありました。自己中心的な要求が多い保護者は、対応に苦慮します」

5-2.解決策:共感的な態度を取りつつチームで対応を

「モンスターペアレント」と呼ばれることも多い、一方的で理不尽な要求を突き付けてくる保護者が相手でも、まずは共感的な態度で話を聞くのが基本です。このとき、相手の気持ち(「子どもが泣いていて切なかった」など)には寄り添いますが、不当な要求に対しては折れないことが重要です。できれば記録を残しながら、冷静に対応しましょう。また、自分一人で抱え込まず、園一丸となって連携しながら対応することもポイントです。「うちの園ではこれがルールです」ということを明確に示し、できるだけブレない対応をしましょう。

6.それでも解決が難しいときは転職という手段も

アドバイザー

人間関係の問題は悩ましいところですが、人の気持ちや状況は移り変わっていくもの。それだけに、ちょっとしたきっかけで改善することも少なくありません。独りで思い悩んだり、深刻に思い詰めたりしないことが大切です。オンとオフで気持ちを切り替えながら、長期的な視野で上手に対応していきたいですね。

もちろん、心身の調子を崩すほど状況が深刻なら話が別です。「問題がこじれすぎて解決の糸口が見えない」「食事が喉を通らないほどつらい」というときは、早めに新たな職場を探し始めたほうがよいでしょう。とはいえ、つらい思いをしてマイナス思考になっているとき、衝動的に転職するのはリスクが高いと心得ましょう。同じことが転職先でも起こらないよう、しっかりと情報を集め、自分に合った保育園を選ぶことが重要です。マイナビ保育士のキャリアアドバイザーなど信頼できるプロに相談して、自分にとって最善の選択をしてください。