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転職市場が活発になったこともあり、他の保育園への転職を志す保育士の方も増えました。この記事では、保育士が転職する上で抑えておくべきポイントや退職の手順などを紹介しています。今より過ごしやすい環境で働きたい保育士の方は、転職後に後悔しないためにもぜひお付き合いください。

何故転職をしようと思ったのか

保育士に限らず、これから異なる職場へ転職しようと考えている方は「なぜこの仕事を始めたのか」を意識する必要があります。有意義な転職を実現するためには、自分の原点を知ることが必須条件です。まずは保育士を目指した原点に立ち戻って考えてみましょう。

保育士を目指した原点を知る

現在転職を考えている保育士さんは、少なからず現在の職場環境に不満があるのではないでしょうか。
その不満にスポットを当てて、自分がなぜ不満を抱えているのか理解することで、転職先に求める条件も見えてきます。

そして、自分が保育士を目指した原点を考えると、「求める保育士像」のようなものに気づけるでしょう。理想と現実のギャップを明確に理解すると、今の職場に満足できない理由や本当に求めている環境に気づけます。
自分がなぜ不満を感じているのか理解しないまま別の保育園へ転職してしまうと、転職後にも「私はどうしてこの職場に来たのだろう」と自問自答してしまうかもしれません。そのときに確固たる信念がないと、精神的に苦しくなってしまい、もういちど転職を視野に入れることになります。

転職回数が多いと、面接時に悪い印象を与えやすくなるので、なるべく一度で満足できる職場にめぐり逢いたいものです。また、中途採用の面接では「なぜ弊社を志望したのですか?」という質問が投げられるでしょう。
あらかじめ自分の中に答えを用意しておくと面接対策にもなるので、自分が求める保育士像と現状の間にあるギャップを理解しておくことは必須です。
これらの準備を済ませて転職の支度を済ませたら、転職に最適な時期を見極めて求人へ応募しましょう。

転職をするのに最適な時期

カレンダーと退職届

人口の多い地域であれば求人自体は年中見つけられるので、いつでも転職活動を始めて、入社できるでしょう。しかし、保育士に転職するのに最適な時期は4月入社です。

保育士に限らず、様々な職種では9〜11月あたりに職員に対して「ヒアリング」が行われます。今後のキャリアや待遇への希望、不満に思っていることなどを聞いて、よりよい組織運営に活かすためです。退職していく保育士の多くはこのヒアリング時に退職の意向を伝え、退職していきます。

保育園はヒアリングの結果を受けてから各媒体に求人情報を提出するので、採用活動に乗り出すのは年末あたりでしょう。各求人媒体が情報をアップし始めるのが1〜2月頃なので、転職活動を1〜2ヶ月ほど続けると考えれば、転職に最適なのは3〜4月です。

入社時期から逆算して、現在の職場を退職する準備を進めるとスムーズに転職活動に取り掛かれます。

転職準備の期間に考えるべきこととして、「転職後に後悔しないか?」という点についても考えておくとよいでしょう。せっかく転職が成功しても後悔してしまえば水の泡になります。後悔しない転職先の選び方もあわせて見ていきましょう。

後悔しない転職先の選び方

選び取る手

転職先を選ぶ際には、転職後に「後悔しない」職場を選ぶことが肝心です。せっかく転職活動が上手く進んでも、入社後に違和感を感じたり、不満を感じたりしてしまうとまた転職しなければなりません。後悔しない転職先を選ぶには、大きく4つの手順を踏む必要があります。

  • 自分が求めるライフスタイルをはっきりさせる
  • 保育士への転職にかかるリスクやリターンを理解する
  • 複数の勤務先を候補に入れて比較検討する

それぞれ詳しく見ていきましょう。

自分が求めるライフスタイルをはっきりさせる

保育士は多くの職場で長い拘束時間や体力仕事をこなさなければなりません。そのぶん得るメリットも多くありますが、業務上負わなければならないデメリットも存在します。それはプライベートの時間であったり、体力的な余裕かもしれません。職場にもよりますが、保育士はその業務の特性上、さまざまな不満が生じやすい職業でもあります。

「なかなか自由な時間が作れない」
「体力の消耗が激しい」

など、自分の頑張りでは改善できないリスクを背負ったとき、保育士として仕事を続けていくには「理想のライフスタイル」を確立しておく必要があるのです。

すなわち、自由な時間は作れないけれどこれがあれば満足できる、というライフスタイルを自分の中に見つけておくことが重要といえます。

そのためには自分の中で「譲れないもの」を明確にしておかなければなりません。譲れないものがはっきりしていれば、入社後のギャップを少なくできます。

「仕事のあとにしっかりとプライベートの時間を確保したい」
「身体を使う仕事よりも頭を使う仕事がしたい」

など、明確なボーダーを設けておくことで転職先選びにも役立つので、転職前に自分の譲れないものをはっきりとさせておくとよいでしょう。

また、転職で失敗しないためにはリスクやリターンを理解しておくことも大切です。

転職にかかるリスクやリターンを理解する

保育士に限った話ではありませんが、転職には様々なリスク・リターンが存在します。
それらを正しく認識しておくと、転職がスムーズに運ぶだけでなく、後悔のない転職が可能になるでしょう。

別の保育園への転職で生じるリスクは以下のとおりです。

・勤続年数がリセットされる
・子どもたちとの関係性をイチから構築しなければならない

しかし、転職することで得られるリターンも存在します。

・求めていた労働環境で、望んだ業務に取り組める
・公務員への転職の場合は安定した立場が手に入る

公営の保育園に転職する場合は公務員としての肩書きも手に入るので、金融機関での審査が通りやすくなるなどのメリットを享受できる場合もあるでしょう。転職前と後で変わることを理解することで、転職後に後悔する可能性が少なくなります。さらに後悔する可能性を抑えるためには、複数の求人を比較検討することも肝心です。

複数の勤務先を候補に入れて比較検討する

転職先の母数を増やすことで望んだ転職先を見つけやすくなり、好条件の求人へ応募できる可能性が高まります。転職先を探す際には、まずさまざまな転職サイトへ登録することがおすすめです。求人媒体によっては、扱っている地域にばらつきがあったり、業種や職種に偏りがあったりするので、複数の転職サイト・転職エージェントへ登録するようにしましょう。基本的には転職サイトで転職先を探すことになりますが、保育士への転職の場合は公務員としての働き方もあるので、各種自治体が掲載する求人情報もくまなくチェックすることをおすすめします。転職の準備がすべて済んだら、スムーズに退職するための手順についてもみていきましょう。

スムーズに退職するための方法

晴れ晴れしい女性

お仕事に就いている方は、転職活動と並行して退職の手続きも進めなければなりません。ここからはスムーズに退職するための方法を解説します。

上司に退職の意向を伝える(退職3〜4ヶ月前)

まずは直属の上司(園長)へ退職の意向を伝えましょう。
上司へ退職することを伝えるのは最短でも3ヶ月前のほうがよいです。

その後の事務処理や引き継ぎ業務の時間を考えると、最低でもそれくらいの時間はかかると見ておいたほうがよいので、なるべく早めに伝えるようにします。

ただ、法律上では退職の申し出は退職の2週間前であっても受諾されるとされているので、あくまで3ヶ月というのは目安に過ぎません。

また、このときに使っていない有給がある場合は消費するためのスケジュール調整も一緒にお願いするとスムーズです。
後任となる保育士さんが決まったら、このころから引き継ぎ業務も行います。

後任へ仕事の引き継ぎを行う(退職1ヶ月前)

退職の申し出が受託されると後任となる方が決まるので、ここからは引き継ぎ業務を行います。
業務上必要な情報や手続きの方法をマニュアルにして残しておくとスムーズに引き継げますが、伝えなければならない情報が多かったり、文面では伝えきれない職務が多い場合は実際に仕事を行いながら引き継ぎを進めましょう。

引き継ぎながら残った業務を済ませたら、各種書類を準備します。

各種書類のやり取りを終えて退職する

退職する際には「離職票」や「年金手帳」などが発行・返却されます。これは新たな勤務先へ提出したり、公的機関への提出が義務付けられたりしている重要な書類なので、なくさないように保管しておきましょう。また、健康保険証は退職時に会社へ返却しなければならないので、しばらくの間は国民健康保険に加入することになります。その際に必要となるのが「健康保険資格喪失証明書」です。これは退職した会社へ申請することで発行されるので、忘れずに申請しておきましょう。

まとめ

保育士は大変なぶん、やりがいも大きい職業です。子どもたちの成長を誰より近くで見届けながらともに時間を過ごし、ときには叱ったり、褒めたりしながら社会へ見送ります。社会的にも、個人のパーソナリティとしても重大な役割を果たす職業です。この記事に書いてあることを参考にして、ぜひ保育士として素敵なキャリアを実現してください。

もし一人では心細いな、と感じられたらぜひキャリアアドバイザーにご相談ください!