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現在、保育士として活躍している方の中には、今の保育園を辞めて、別の保育園への転職を考えたことがあるという方もいるのではないでしょうか。保育士の方が転職を考えた時に、意識したい大切なポイントが「転職の時期」です。保育士は大切な子どもを預かる職業であるため、転職は時期を見計らって行わなければなりません。そこで今回は、「転職に最適な時期」「求人数が多い時期」「転職活動を開始する時期」の3つの時期について、徹底的に解説します。保育士の転職活動をどのように進めれば良いのか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

保育士の転職に最適な時期は新年度開始の4月

保育士が勤務する保育園は、4月から翌年3月までの1年間を一年度として数えます。一年度のうちで、担当するクラス・子どもが入れ替わることは基本的にないため、転職後のスタートは新年度開始の4月に合わせることが最適です。

4月は新卒の保育士が入職する時期でもあり、保育園は新年度のための求人募集を積極的にかけています。中には、新規開園のために保育士を募集しているケースもあるため、人間関係が退職理由だった方にとっては希望の職場を探しやすい、狙い目のタイミングです。新しく就職する保育士が多く、転職した保育士も職場環境にすんなりと馴染むことができるでしょう。

新年度開始の4月に転職することのメリット

新年度開始の4月に転職することは、保育士だけでなく、保育園・保護者・子どもにもメリットがあります。それぞれにどのようなメリットがあるのか、見ていきましょう。

■保育園

  • 新規入職者と同じ時期のため、園の説明やオリエンテーションを一度に行える
  • 4月は入園式や進級式があるため、イベントを通して保育士の紹介ができる
  • 新年度に合わせた書類手続きや備品発注を他職員の分と一括して行える
  • 職員の数に合わせたクラス配置ができる

保育園のメリットは、主に新規採用者への教育・業務準備にかける手間が少なくなる点です。途中採用で起こりがちな仕事の引き継ぎによる足並みの乱れがなく、新年度時点の保育士で1年を通して保育ができます。

■保護者

  • 入園式や進級式を通して、新しく入った保育士を確認できる
  • 子どものクラス担任は1年間接するため、信頼関係が築きやすい
  • 保育環境が安定するため、子どもを安心して預けられる

保護者の方は、保育士を通じて保育中の子どもの様子を知りたいと思っています。そのため、保育士とコミュニケーションが取りやすいかは、保護者の方にとって重要なポイントです。保育士が新年度開始の4月に転職することで、保護者の方は1年間子どもを預ける保育士と長く付き合えることとなり、信頼関係が築きやすくなります。

■子ども

  • 年度途中で先生とお別れにならないため、寂しい思いをしない
  • 入園や進級をしたばかりの4月から新しい先生と1年間を過ごすことで、信頼関係が築きやすい
  • 新しい先生たちを一度に紹介されることで、入園や進級といった節目を実感しやすい

子どもにとって、担任の先生が急に変わってしまうことは、とても不安に感じるものです。特に、現在勤めている保育園から転職する場合は、保育を担当している子どもたちとお別れすることとなり、子どもに寂しい思いをさせてしまいます。保育士が新年度開始の4月に転職することは、子どもになるべく悪影響を及ぼさないための心配りだと言えるでしょう。

「保育士への転職は春がおすすめ」と言われる詳しい理由を知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
「プロ直伝! 保育士転職・復職は春も狙い目」

保育士の求人数が多くなる時期

書類を吟味する女性

保育士の転職に適した時期は4月ですが、求人はいつでも出されているものではありません。1年の中でも、保育士の求人は時期によって少なくなったり、多くなったりします。その理由は、保育園の事情が深く関係しています。ここからは、保育士求人数の多くなる時期を、2つに分けて紹介します。

10月~1月

保育士の求人は、秋頃である10月から数が増え始めます。入職したばかりの保育士が辞めてしまった等の事情で、中途採用の求人が見られる時期です。また、近年は保育士不足が大きな問題となっているため、来年度採用の求人募集を10月と早い時期から始める保育園も少なくありません。

保育業界では、子どもとの関係に悪影響が出ないように、退職は年度末とすることが一般的となっています。保育士は夏から秋頃に退職の意思表示を行うこととなり、保育園が退職希望者の数を把握できる時期がおよそ10月あたりです。そのため、保育士人材の確保を心がけている保育園は、10月~1月頃に来年度の求人募集を出し始めます。

だからといって、年明けから転職活動を始めることは最善だと言えません。その理由は下記の記事でご確認ください。
【プロに聞く】保育士転職のベストな時期は? 知らないと損をする転職マルわかりガイド

2月~3月

新年度が近づく2月頃になると、保育士の求人数はピークになります。求人傾向はほぼ新年度採用となっており、新年度から働けることが採用の条件です。この時期に求人募集を行う保育園は、以下のような事情を抱えています。

  • 10月~1月の求人で保育士が集まらなかった
  • 新年度入園予定の子どもが急増した
  • 採用予定者が途中辞退した

主に、新年度採用者が不足していることが、新年度の近い2月~3月に求人数が増える理由だと言えるでしょう。

2月~3月の求人は、採用されてから働き出すまでの期間が短くなってしまうことが注意点です。新年度の4月から働くことを考えると、採用が決まると元の職場への挨拶、新しい職場の同僚と顔合わせと忙しくなります。この時期の求人に応募する際は、新年度の準備と心構えをしっかり行うようにしてください。

ベストタイミングで転職したい方は、下記の記事も参考にしてください。
「【最新版】プロに聞く保育士の転職する時期とベストタイミング」

保育士の転職活動を開始すべき時期

就活中のスーツの女性

すでに保育園に勤めている方にとっては、いつから転職活動を開始すべきか迷うことも多いでしょう。保育園には年中行事のスケジュールがあるため、保育士の転職活動がスムーズに行えないこともあるものです。

ここからは、1年の中で行事とかぶることが少ない「転職活動を開始すべき2つの時期」を説明します。

夏前の6月

年度始めのクラス編成で忙しい4月、遠足などレクリエーションの多い5月を越した6月は、保育園の行事が落ち着いている時期です。保育士もクラス運営に慣れているころであり、転職に向けた行動を取りやすくなります。

ただし、前述したように求人数が増える時期は秋頃であるため、6月はそれほど求人数が多くありません。この時期の転職活動は、リサーチ程度に抑えておくことがおすすめです。

転職の意思が固まっていれば上司に退職希望を伝えて、必要書類の準備・引き継ぎ内容の確認などを計画立てて始めましょう。

〇夏前に行っておくべき転職準備

  • 履歴書の作成
  • 職務経歴書の準備
  • 引き継ぎリストの作成
  • 自分の担当した行事や委員会の仕事内容をまとめる

夏に転職活動をすべき理由は、下記の記事でも紹介しています。ぜひ参考にしてください。
「保育士の転職は夏が狙い目!【最適な時期とメリット】」

秋頃の10月

10月を半ばも過ぎると運動会が終わり、保育士の業務に余裕が出てきます。新年度採用の求人数が増える時期と重なるため、本格的な転職活動の開始に適している時期です。新年度までの準備期間に余裕があるため、求人情報の精査や園見学と腰を落ち着けて転職活動ができます。なお、この時期までには勤めている施設に転職の意思を伝えるようにしてください。

10月ごろになると子どもたちと半年近く一緒にいるため、どのように接すれば良いのか、次年度の保育方針などが見えてきます。担当クラスで自分の気付いたことをまとめて、退職日までに退職手続きが滞りなく運ぶようにしましょう。

〇秋頃に行っておくべき転職準備

  • 求人情報をチェックする
  • 求人票への応募と面接
  • 園児たち一人ひとりの性格や保育目標などを整理する
  • 保護者の対応で気を付けたいことをまとめる
  • 保育業務を引き継ぐ後任者へ情報を伝えるためのマニュアル作成

秋に転職活動を始める方は、下記の記事もぜひチェックしてみてください。
「転職の秋到来!9月から始める、成功する保育士転職 」

まとめ

保育士の転職に最適な時期は、保育園の新年度開始となる4月です。新規採用者と一緒に働き始められるため職場に馴染みやすくなり、区切りの良いスタートを切ることができます。保育園側は新人教育の手間が少なくなり、子ども・保護者と信頼関係が築きやすいこともポイントです。

新年度の4月に転職するためには、前年度のうちにしっかり準備を行いましょう。夏前の6月頃は情報収集を中心にして、保育士の求人数が増え始める秋頃の10月から転職活動を開始することがおすすめです。保育士の転職に最適な時期を捉えることで、スムーズに転職できるでしょう。

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