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保育士が就職活動する際は、保育士資格を取得していることを履歴書や職務経歴書に記入します。しかし、保育士資格の正式名称が分からず、どのように書けばよいか分からない方もいるのではないでしょうか。

今回は、保育士資格の正式名称について解説します。また、保育士の取得方法や他資格との違い、履歴書への記載方法、保育士資格を活かした転職先についても紹介しています。就職先を探している保育士の方や、保育士として働きたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

保育士資格の正式名称・取得方法と他資格との違い

授業風景

保育士資格の正式名称は「保育士資格」です。
保育士資格は、2003年の児童福祉法改正によって、保育士資格は民間資格から国家資格に変わり、名称独占資格となりました。以前は、保母資格があれば保育士として働くことができましたが、児童福祉法改正に伴い、保育士として働くことはできなくなりました。

職業名に資格がついていることから分かるように、保育士として働ける人は保育士資格の取得者のみです。

保育士資格を取得する方法は、2つあります。
1つ目は、保育士養成学校に通って卒業することです。卒業すると保育士資格が取得できるため、保育士試験を受験する必要はありません。

2つ目は、大学や短大・専門学校・通信講座などに通って、所定の在学年数と単位をクリアして、保育士試験を受験することです。学部学科は保育士と無関係でも構いませんが、保育士試験に合格する必要があります。試験内容は筆記試験と実技試験があり、合格率は10~20%程度です。

保育士資格は、一度取得すると更新する必要がありません。保育士登録を行うと保育士証が発行されて、以降は更新せず使い続けられます。ただし、本籍地の変更や入籍により姓が変わった場合は変更手続きが必要です。

保母資格

2003年以前に保育施設で働いた経験のある人の中には、保母資格を取得していた方もいるのではないでしょうか。

保母資格とは、保育士資格と同じく、保育士として働くことができる効果を持つ資格です。しかし、2003年の児童福祉法改正により、保育士として働くための資格は保育士資格のみに統一されたため、現在では保母資格の認定がされていません。

保母資格は、履歴書の資格欄に「保母資格」と書くことはできます。しかし、児童福祉法が改正されたことで保育士資格は名称独占資格となったため、保母資格のみでは保育士として働くことはできません。

保母資格のみを持っている方が再び保育士として働くためには、保母資格を保育士資格に変更するための手続きが必要です。
資格の変更手続きは、以下の手順で行います。

保育士登録機関の登録事務処理センターから「保育士登録の手引き」を取り寄せます。
「保育士登録の手引き」が届いたら、同封の振り込み用紙に記入して、登録手数料4,200円を振り込みます。
振り込み完了後、保育士登録申請書に必要書類と保母資格証明書(コピー不可)を添えて、登録事務処理センターへ送付します。

保育士登録申請書の送付から保育士証が手元に届くまで、およそ2ヵ月かかります。保母資格を持っている方は求人応募で焦らないように、早めの保育士資格への切り替えを行いましょう。

保幼稚園教諭免許

保育士と同じように子どもと関わる仕事として、幼稚園教諭があります。保育士と幼稚園教諭の大きな違いは、働く職場が異なる点です。保育士の職場となる保育園は厚生労働省の管轄であり、幼稚園教諭が勤める幼稚園は文部科学省の管轄となっています。

幼稚園教諭として働くためには、幼稚園教諭免許が必要です。
幼稚園教諭免許は二種・一種・専修の3種類があり、取得方法によって免許の名称が異なります。免許の取得難易度は、「二種<一種<専修」の順に高くなっていますが、免許の違いによって業務範囲に違いが出ることはありません。

幼稚園教諭二種免許 幼稚園教諭一種免許 幼稚園教諭専修免許
取得方法 短期大学士・学士・専門士のいずれかの学位を修めて大学を卒業 学士の学位を修めて大学を卒業 修士の学位を修めて大学院を修了

幼稚園教諭免許の取得条件は、いずれの種類でも大学を卒業することであり、試験を受けることなく幼稚園教諭免許状が授与されます。ただし、免許取得ができる大学は、幼稚園教諭養成課程があると文部科学省が認めたところのみです。

また、幼稚園教諭免許は10年の有効期限があるため、更新のタイミングには注意しましょう。

保育士資格を正しく履歴書に記載する方法

履歴書

履歴書の資格欄は、取得した時系列に沿って資格名を記載することが基本です。しかし、保育園に入職する場合は、必ず資格の先頭に「保育士資格」と「取得年月」を記載しなくてはなりません。なぜなら、保育園にとって、応募者が保育士資格を有していることが、他資格の取得状況よりも重要であるためです。

保育士資格を取得した年月は、自分の保育士証から確認ができます。保育士証には、「保育士資格を取得した年月」だけでなく、「保育士登録をした年月日」も書かれているため、履歴書に間違えて書かないように注意してください。保育士証の中で、下画像の赤枠で囲まれている部分が、保育士資格の取得年月です。

保育士養成学校に在学中で、卒業と同時に保育士資格を取得できる方は、履歴書に「保育士資格取得見込み」と書きます。保育士資格は養成学校の卒業日に取得できることが多いため、資格取得日の欄には卒業見込みの年月を書いてください。

保育士資格を活かした転職先4選

子供

保育士資格は一度取得すると更新の必要がないため、生涯にわたって就職・転職に活かすことができます。保育施設では保育人材の不足が問題となっており、保育士資格を取得している方の需要が高いため、保育士資格を持っていることは就職に有利です。

保育士資格を活かせる仕事はたくさんありますが、その中でも代表的な4つの職場を紹介します。

保育園・保育所

保育園は、保護者が働いているなどの理由があって、保育を必要とする乳児・幼児を預かる施設です。保育園はあくまでも通称であり、法的な正式名称は保育所と呼ばれます。

保育園・保育所の特徴は、以下の通りです。

管轄官庁 施設対象年齢 保育時間
厚生労働省 0~6歳 原則8時間

保育園・保育所には、次の2種類があります。
保育士として就職する際は、事前にそれぞれの違いについて把握しておくことが大切です。

  • 認可保育園
  • 認可外保育所

認可保育所は、児童福祉法に定められている基準を満たす、国から認可された保育園です。保育する乳幼児の人数に対して、保育士の人数・施設面積・設備などが決められています。

対して認可外保育所は、認可保育所以外の保育園のことです。認可外といっても、国の認可基準を満たしていないだけであり、保育環境が悪いという意味ではありません。細かい制限がないため、事業者側が保育料やサービス内容を設定できるメリットがあります。

託児所

託児所は、一時的に子どもを預かってほしい保護者が利用する保育施設です。
託児所の特徴は、以下の通りとなります。

管轄官庁 施設対象年齢 保育時間
なし 0歳~小学生 事業者により異なる

イベント会場・商業施設・病院のように人が多数集まる場所に設置されており、施設利用者の子どもを預かることが保育士の仕事内容となります。

保育時間は、施設の営業時間に準拠することがほとんどです。商業施設やイベント会場の託児所の多くは、日勤となっています。一方、病院内の託児所では夜勤の可能性があるため、とくに遅い時間帯に働くことが難しい方は、必ず勤務時間の項目を確認してください。

児童養護施設

児童養護施設は、何らかの問題によって家庭での生活が送れなくなった子どもたちが入所している施設です。
児童養護施設の特徴は、以下の通りとなります。

管轄官庁 施設対象年齢 保育時間
各都道府県 1~18歳未満 24時間

子どもたちは施設内で生活しているため、児童養護施設で働く保育士はシフトを組んで、24時間体制で保育を行うこととなります。

労働環境はハードですが、一般の保育園よりも子どもたちと密接な関わりを持てる職場です。

認定こども園

認定こども園は、2006年10月に認定こども園法が制定されたことによって設置が可能となった、新しい児童福祉です。認定こども園は保育園と幼稚園の機能をあわせ持った施設で、地域事情などによって、次の4タイプが存在します。

  • 幼保連携型
  • 幼稚園型
  • 保育所型
  • 地方裁量型

認定こども園の特徴は、以下の通りとなります。

管轄官庁 施設対象年齢 保育時間
内閣府 0歳~小学生 原則8時間

認定こども園で働くために必要な資格は、施設のタイプによって異なります。
施設による必要資格は次の通りです。

幼保連携型 ・保育士資格
・幼稚園教諭免許
その他タイプ ・満3歳未満の保育...保育士資格が必要
・満3歳以上の保育・教育...保育士資格と幼稚園教諭免許の両方を取得していることが望ましい

幼保連携型の場合は、上記で挙げた2つの資格が必要ですが、その他のタイプは預かる子どもの年齢によって必要となる資格が異なります。そのため、認定こども園で働くことを検討している方は、どの資格が必要となるのかについてしっかりと把握した上で、求人に応募しましょう。

まとめ

保育士資格の正式名称は、保育士資格です。子どもの保育を業務とする保育士の資格であり、取得者のみが保育士を名乗れる名称独占資格です。保育園はもちろん、児童養護施設や託児所、認定こども園への転職にも活かすことができます。

保育士資格は期限による更新の必要がなく、生涯にわたり活用できる資格です。保育士として就職する際は、今回紹介した資格の記載方法を参考にし、求人に応募しましょう。