結婚や子どもの出産、教育資金など、人生のイベントには多額のお金がかかってしまいます。そのため、このような一大イベントの際、金銭的に苦労しないよう日頃から貯金をしておくことが大切です。
しかし、実際はさまざまな支払いがかさみ、貯金にまわせないことも少なくありません。とくに保育士として働いている方の場合、給与の低さが社会問題となっていることもあり、思うように貯金できないこともあるでしょう。
今回は、保育士の貯金事情から、平均的な貯金額について解説します。また、お金を管理するためのコツや、保育士が貯金を増やすための方法についても紹介しているため、貯金したいと考えている保育士の方は、ぜひ参考にしてください。
目次
保育士の貯金事情
昨今では、保育士の低賃金が問題となっています。実際に、無駄遣いをしているつもりはなくとも、貯金が上手くできないという悩みを持つ保育士の方は非常に多いでしょう。
上手く貯金ができるかどうかは、住んでいる地域の物価や仕事場など、自分が置かれている状況によって大きく異なります。とくに、実家暮らしと一人暮らしでは固定費が大きく異なり、貯蓄にも大きな差が出ます。
実家暮らしのケース
実家で暮らしている場合、家賃を払う必要がないため、趣味や貯金にお金をまわすことができます。
実家暮らしで両親がお弁当を作っていれば、一緒に自分のお弁当も作ってもらうことが可能です。お弁当があれば、昼食を外食で済ます必要がなくなるため、節約につながります。
また、実家に自由に使うことができる自動車があれば、車で通勤することも可能です。自動車で通勤する場合、電車やバスのような公共交通機関よりも出費を抑えられます。
このように、実家暮らしの場合は家賃を払う必要がないうえ、さまざまな点で生活費を節約することが可能です。無駄遣いをせず、積極的に節約することで、上手く貯金することができるでしょう。
一人暮らしのケース
一人暮らしの場合、毎月数万円の家賃を支払わなければなりません。また、家賃以外にも、電気料金や水道代といった公共料金も支払う必要があります。
毎月の家賃に加え、公共料金やネットの通信費を含めると、少なく見積もったとしても、月に支払う金額は6~8万円です。
手取りの半分近くが生活費となってしまうため、一人暮らしの場合はお金を貯金することは難しいと言えます。
保育士の平均的な貯金額は?
お金を節約する際、周りの保育士がどの程度貯金しているのかということは、非常に気になるポイントです。しかし、保育士の平均的な貯金額に関する信頼度の高いデータは存在しません。
ここからは、全世帯の平均的な貯金額を参考に、保育士の推定貯金額について解説します。
全世帯における平均的な貯金額
全世帯における平均的な貯金額と、勤労者世帯の平均貯金額は、以下の通りです。
貯金額 | 収入(年間) | |
---|---|---|
全世帯(二人以上)の平均貯金額 | 1,752万円 | 622万円 |
勤労者世帯の平均貯金額 | 1,320万円 | 729万円 |
(出典:総務省「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2018年平均結果-(二人以上の世帯)」/https://www.stat.go.jp/data/sav/sokuhou/nen/pdf/2018_gai2.pdf)
上記の表から分かるように、共働きの家庭は貯蓄しやすい傾向にあります。独身の場合は、上記のデータよりも世帯ごとの収入が低くなるため、表の数値より貯金額が低くても気にする必要はありません。
保育士の平均給与と推定の貯金額
平成30年に公表された厚生労働省によると、保育士の平均給与は以下の通りです。
年齢 | 平均月収 | 平均年収 |
---|---|---|
20~24歳 | 約18万円 | 約294万円 |
25~29 | 約21万円 | 約343万円 |
30~34歳 | 約22万円 | 約356万円 |
(出典:厚生労働省「平成30年賃金構造基本統計調査」/https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/chinginkouzou.html)
上記表の平均年収は、手当や賞与を含んだ金額です。
以下は、保育士の平均貯金額(推定)をまとめたものです。
年齢 | 平均貯金額(推定) |
---|---|
20~24歳 | 約84万円 |
25~29 | 約172万円 |
30~34歳 | 約317万円 |
上記表の平均貯金額は推定額であるため、あくまでも参考程度に考えておきましょう。20代と30代で平均月収に大きな違いはありませんが、数値上、平均貯金額は30代になると急増しています。しかし、上記の表から分かるように、中間にあたる20~25歳までの平均貯金額の数値は、それほど上がりません。そのため、現在思うように貯金ができないと悩んでいる方は、推定平均貯金額を目標に貯金すると良いでしょう。
すぐにできる!お金の管理術3つ
保育士の給与は全国平均と比較するとやや低い傾向にあるため、上手く貯金をするためには、節約したり、お金の管理をしたりする必要があります。
ここでは、簡単に実施できるお金の管理術を3つ紹介します。無駄遣いをなくすためにも、ぜひ活用してください。
自炊をする
1日3食とる場合、1ヶ月でおよそ90食、年間で1000食以上とることになります。そのため、自炊で食費を少しでも減らすことができれば、上手く貯金につなげることが可能です。自炊は節約できるだけでなく、料理の腕を上げられるうえ、健康的な食生活をすることができます。
自炊をする場合、食材はまとめて購入する習慣をつけましょう。一人暮らし用に小さく分けられた野菜や肉は、やや割高な傾向にあります。
固定費を見直す
とくに一人暮らしをしている場合、月々支払っている固定費を見直すことも、節約のために重要なポイントです。
固定費として代表的なものに、携帯電話やインターネットなどの通信費があります。携帯電話やインターネットを大手通信会社で契約している場合、サービスこそ良いものの、多額の通信費を払っているケースも少なくありません。
通信費を抑えるためには、格安SIMに乗り換えることがおすすめです。プランによっては、月に数千円ほど節約することができます。
また、水道や電気などの光熱費についても見直すことが大切です。たとえば、水を出しっぱなしにしていたり、電気をつけっぱなしにしていたりするなど、日常生活をするうえで不要な公共料金を支払っている方も多くいるでしょう。
光熱費などの公共料金を安く抑えるためにも、水道や電気を使用していないときは、こまめに止める・消すなどして、常に節約することを心掛けましょう。
他にも、老後の国民年金や、医療保険を受け取るための保険料、ローンも固定費となります。しかし、これらの金額を減らすことは難しいため、固定費を安く抑えたい場合は、通信費・光熱費を見直しましょう。
固定費を見直す
家計簿をつけることで、自分が何にお金を使っているのか、視覚的に分かるようになります。とくに、無駄遣いをしていないにも関わらず、貯金ができない方は家計簿をつけることがおすすめです。
家計簿は、何にどれだけのお金がかかったのかを一つずつ記録する必要があるため、面倒だと感じる方もいるでしょう。しかし、最近では家計簿をつけるスマホアプリもあるため、簡単に家計簿をつけることが可能です。
保育士が貯金を増やすためには?
保育士が貯金を増やすためには、お金を使わないようにするだけでなく、収入を上げることも効果的です。最後は、保育士が収入を上げるための方法を2つ紹介します。
収入を上げる1つ目の方法は、資格を取得することです。保育士資格以外に、幼稚園教諭や絵本専門誌といった資格を取得することで、給与が上がりやすくなります。資格を取得することで転職しやすくもなるため、今の職場の給与に不満のある方は積極的に資格取得の勉強を行うと良いでしょう。
収入を上げる2つ目の方法として、より良い環境の保育園に転職することもおすすめです。同じ職場で働き続ける場合、キャリアアップしたとしても、ある程度の限界があります。しかし、より良い環境の保育園に転職することで、現在よりも多く収入を得ることが可能です。
ただし、転職する場合、保育園が自分を雇うメリットを感じられるよう、保育士としてのスキルをしっかりと身につけておきましょう。
転職先を探す際は、自分の希望により合った職場に転職するためにも、保育士に特化した求人サイトを利用することをおすすめします。
まとめ
保育士が貯金をする際には、置かれている環境によって大きく難易度が変わります。実家に住んでいる場合は、比較的安易に貯金することが可能です。しかし、一人暮らしの場合、家賃などの生活費の支払いにより、思うように貯金することができません。
保育士が貯金をするためには、食費や固定費などを見直すことが重要です。自炊をするなどの節約術を身につけることで、お金をある程度貯金にまわすことができます。節約だけでは満足に貯金できない場合は、給与の高い職場へ転職し、収入をアップさせることも一つの手です。