保育士給料の都道府県別ランキング|エリア以外の給料差の要因も解説

待機児童や保育士不足など保育に関する問題が山積する中で、保育士の処遇改善について政府は積極的に対策を取り始めています。保育をめぐる環境は徐々に改善していますが、今なお保育士の給料は低いという声が聞こえてくることも事実です。では実際に現在働いている保育士たちは、どの程度の給料を受け取っているのでしょうか。

この記事では、保育士の給料について都道府県別のランキングで紹介します。さらに勤務エリア以外の要因で保育士の給料が異なるケースについても解説を行うため、保育士としてより良い条件で働きたい方は、ぜひ参考にしてください。

保育士給料の全国平均

保育士は勤務するエリアや経験年数などさまざまな要因によって、給料に差が出る場合が少なくありません。保育士の給料に差が生じる詳しい要因は別の箇所で解説しますが、ここでは全国平均の給料額について紹介します。

下記は厚生労働省が公表した「平成30年賃金構造基本統計調査」の結果です。保育士の全国平均年収は約358万円となっています。

平均年齢 勤続年数 所定内
労働時間
超過
労働時間
月収 賞与他 平均年収
男女計 36.8歳 8.1年 169時間 4時間 23.9万円 70.8万円 358万円

(出典:厚生労働省「平成30年賃金構造基本統計調査」/https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/chinginkouzou.html

ただし、これらの数値は額面金額です。実際には、額面金額から税金や社会保険料が控除された手取り金額を受け取ります。税金や社会保険料は、給料の金額や扶養家族の有無によって計算の行い方が異なるため、単純に額面金額の何%とは計算できません。

しかし、一般的には額面金額の75~85%が手取り金額です。そのため、手取り額の平均は269~304万円であると推定されます。

【都道府県別】保育士の給料ランキング

保育士の全国平均年収額は約358万円となりますが、エリアによって物価や人口密集率などに差があることから、実際の給料額は都道府県ごとに異なります。また都道府県によって、定められている最低賃金に差があることや、福祉政策に割かれる予算規模に差があることも、エリアごとに保育士の給料額が異なる理由と言えるでしょう。

東京都などは他のエリアに比べて給料の水準が高く、全国平均を上回る年収を得ることが可能です。ただし、物価や地価など生活費も高い傾向にあるため、他県に比べて裕福な生活ができるとは限りません。

ここでは、都道府県別平均年収の相場をランキング形式で紹介します。都道府県によって、保育士の給料額にどの程度の差が生じているのか、目安の1つにしてください。

順位 都道府県名 平均年収
1 東京都 434万円
2 京都府 407万円
3 千葉県 397万円
4 神奈川県 384万円
5 岡山県 381万円
6 広島県 379万円
7 福岡県 377万円
8 石川県 368万円
9 兵庫県 366万円
10 愛知県 365万円
11 青森県 364万円
11 岐阜県 364万円
13 群馬県 360万円
14 長崎県 358万円
15 栃木県 357万円
16 埼玉県 356万円
17 大阪府 349万円
18 滋賀県 348万円
18 熊本県 348万円
20 宮崎県 346万円
21 佐賀県 344万円
22 大分県 343万円
22 奈良県 343万円
24 山口県 342万円
順位 都道府県名 平均年収
25 三重県 341万円
25 山梨県 341万円
25 北海道 341万円
28 福島県 339万円
29 香川県 338万円
30 愛媛県 337万円
31 岩手県 336万円
32 和歌山県 335万円
33 鹿児島県 333万円
34 長野県 332万円
34 静岡県 332万円
36 高知県 331万円
36 新潟県 331万円
38 島根県 327万円
38 徳島県 327万円
40 茨城県 326万円
40 秋田県 326万円
42 鳥取県 321万円
42 富山県 321万円
42 福井県 321万円
45 沖縄県 319万円
46 宮城県 317万円
47 山形県 312万円

(出典:厚生労働省「平成30年賃金構造基本統計調査」/https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/chinginkouzou.html

エリア以外の保育士給料が異なる要因

様々な保育士と施設

保育士の給料を規定する要因は、勤務する都道府県の違いだけではありません。性別や学歴、保育園の運営形態、年齢などさまざまな要因で、給料額に差が生じます。ここでは、保育士の給料に差を生じさせる主な要因について解説するため、より高い給料で保育士として働きたい方は、参考にしてください。

性別

平均年齢や勤続年数は女性の方が多く、労働時間や賞与額は男女で同程度です。しかし、男性の方が給料月額はわずかに高いため、平均年収も高い傾向にあります。

平均年齢 勤続年数 所定内
労働時間
超過
労働時間
月収 賞与他 平均年収
男性 32.0歳 5.9年 168時間 5時間 26万円 70.4万円 358万円
女性 37.1歳 8.2年 169時間 4時間 23.8万円 70.8万円 356万円

(出典:厚生労働省「平成30年賃金構造基本統計調査」/https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/chinginkouzou.html

ただし、厚生労働省の「第3回 保育士等確保対策検討会」の参考資料によると、保育士の男女構成比は、女性の93.4%に対して男性が6.6%と非常に少ない状況です。

(出典:厚生労働省「保育士等に関する関係資料」/https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11901000-Koyoukintoujidoukateikyoku-Soumuka/s.1_3.pdf

そのため、単純に男女間で生じる給料額の差を比較して、どちらが高い・低いといった評価をすることはできません。

学歴

基本的に保育士として働く時には、学歴そのものは問われません。保育士の求人で学歴を指定している職場は少数派です。特別なスキルが必要な職場を希望しない限り、保育士資格さえ所持していれば、特に問題なく働くことができるでしょう。

ただし、新卒保育士として採用される場合、大卒者初任給が他の学歴(短大など)に比べて高く設定されていることもあります。学歴による給料差が生じるケースとしては、公務員として働く場合が代表的です。公務員として保育士に採用される場合は、大卒と短大卒、高卒で給料が異なり、より高い学歴の方が給料額は高くなります。

しかし、公務員以外の保育士では、学歴による給料差はほとんどありません。むしろ、保育士としての経験やコミュニケーション能力など実務に即したスキル・経験が、多くの職場では重視されます。

保育園の運営形態

保育園の運営費は、保護者から支払われる利用料以外にも、国や自治体から受ける補助金などから賄われています。しかし、保育園に支給される補助金は、運営形態や各地域の取り組みによって金額が異なっていることが一般的です。

一般的に公立の保育園や認定こども園、認可保育園、院内保育所などは、公的な補助が手厚い傾向にあります。職員の給料もそれに伴い、高い点が特徴です。

一方、公的な補助を受けづらい認可外保育園などでは、保育士の給料が低くなる傾向があります。また私立保育園の場合、運営母体となる法人の制度や文化による影響の大きい点が特徴です。

年齢・経験年数

保育士の給料は、年齢や経験年数によっても差が生じます。特に、公立保育園では定期昇給制度が存在するため、年齢・経験年数による給料差が大きい傾向です。一方、私立保育園で昇給が存在するか否かは、法人の運営方針や経営状態によって左右されます。

全保育士の9割以上を占める女性保育士の年代別平均月収・賞与・年収は次の通りです。全体的な傾向として、年齢が高くなるにつれて給料額も高くなります。

年齢 平均月収 賞与他 平均年収
20~24歳 20.6万円 47万円 294万円
25~29歳 22.6万円 71.2万円 343万円
30~34歳 23.7万円 71.4万円 356万円
35~39歳 24.3万円 76.3万円 368万円
40~44歳 25.4万円 81.5万円 387万円
45~49歳 25.9万円 80.7万円 392万円
50~54歳 26.5万円 84.6万円 403万円
55~59歳 26.6万円 84.7万円 404万円
60~64歳 24.5万円 70.8万円 365万円
65~69歳 24.7万円 75.2万円 372万円
70歳~ 31.6万円 124.6万円 504万円

(出典:厚生労働省「平成30年賃金構造基本統計調査」/https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/chinginkouzou.html

役職の有無

園長職や主任職など役職に就くことによって、給料の増加が見込めます。ただし、施設によって付ける役職の人数には上限があるため、望んだ時に役職に就けるわけではありません。

公立保育園は公務員であるため、年功序列が確立しています。そのため、早期のキャリアアップを望んでいたとしても、実際には長い時間がかかってしまう場合がほとんどです。

私立保育園では、法人によっては成果主義の採用により、役職者への抜擢人事が行われることがあります。新規で開園する施設では、一定の経験・スキルを持つ方を対象として、役職者を積極的に採用するケースが少なくありません。保育ニーズの拡大により、新規開園が増加傾向にあるため、役職者のニーズも拡大しています。

まとめ

保育士給料の全国ランキングでは、東京都が最も年収額が高い結果となっています。東京都以外では、京都府や千葉県などが給料の高い地域です。

保育士の給料額に差を生じさせている要因は、地域だけではありません。保育園の運営形態や経験年数、役職の有無も、給料額の差を生み出している要因です。一方、性別や学歴による影響は大きくありません。

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