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保育園で働いていて、「保育士を辞めたい」と考えたことはないでしょうか。職場環境や人間関係が悪い、仕事量がハードでストレスが大きいなど、保育士が仕事を辞めたくなる理由は多く存在します。

しかし、保育士が年度途中で辞めることは、自分一人だけの問題ではありません。年度途中の退職は、職場の同僚や子供たちに大きな影響を与えます。

当記事では、「保育士が年度途中に辞めることは可能なのか」「保育士が年度途中に辞めることを推奨されない理由」について解説します。また、円満退職するためのポイントについても紹介しているため、年度途中で保育士を辞めたいと悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。

保育士が年度途中に辞めることは可能なのか?

戸惑う女性保育士

保育士として働いていて、「辞めたくなっても次年度の4月まで辞められない」といった話を聞いたことはないでしょうか。保育園を辞めたい時、何か法律上の問題があるのか気になる人もいるでしょう。

保育士の中途退職は、法律上において問題のない行為です。法律上は、2週間前までに退職届を出すことで、仕事を退職することができます。

会社によっては、雇用契約や就業規則で退職届の提出期限が決まっているケースもあるため、事前に提出期限の確認が必要です。しかし、保育士の退職は法律で制限されていないため、退職届を提出して規定日数が経過すれば辞めることができます。

とはいっても、法的に中途退職が可能であっても、保育士が年度途中で辞める行為はマナーとして推奨されていません。

保育士が年度途中に辞めることを推奨されない理由

不満を見せる保護者・同僚・園児

保育士が年度途中で辞めることを推奨されない理由は、主に以下の3つが挙げられます。

担任している園児たちを混乱させてしまう

保育園で働く保育士の多くは、クラスを一年間受け持って、園児たちの保育を行っています。もしも担任の保育士がいきなり別の人になったら、園児たちは驚くでしょう。

子供は転職や退職といった言葉を理解できず、「いつもの先生がいなくなった」と混乱してしまいます。子供は環境の変化に対する順応性が高いものの、一時的にでも悲しい気持ちにさせることは事実です。

年間行事の準備に影響する

保育園は遠足や発表会、運動会などの年間行事がたくさんあります。保育士にとって、行事の準備や設営、保護者への連絡も重要な仕事内容です。

そのため、保育士が年度途中で辞めると、年間行事の準備状況に大きな影響が出ます。退職日近くの行事はもちろん、先に予定されている行事も、規模や準備にかかる日数を考え直さなくてはなりません。当面は、職場の人員で穴埋めして対策する状態となり、上司や同僚の職員に迷惑をかけてしまいます。

保育園や保護者から無責任な人間と思われる

保育士は責任を持って子供を保育する職業と認識されているため、年度途中で辞める行為は、責任の放棄と見なされます。保育園側は新しい保育士の確保を考えなければならず、退職する保育士は冷たい対応に晒されるケースも少なくありません。

保護者からも「子供のことを考えていない人」と見られ、信頼を失ってしまいます。保護者の失望は保育園にも向けられるため、保育園側としては二重の痛手です。

以上のように、保育士が年度途中で辞めると、保育園の上司や同僚、子供、保護者にまで、多くの影響を残します。保育士側にとっても、別の保育園に再就職する場合に、年度途中の退職は良い経歴ではありません。保育士の退職時期は、可能な限り年度末のタイミングに合わせるほうが、仕事のマナーを守った辞め方といえます。

円満退職のために行うべき3つの項目とは

3つのポイントをかかげる保育士

退職する場合、一般的に園長先生に退職意思を伝え、退職のための手続きを行います。しかし、年度途中で退職する場合、引継ぎなど円満退職のための準備を整える必要があります。

最後は、円満退職のために行うべき退職方法のポイントを、3つの項目に分けて説明します。年度途中で保育士を辞めたいと考えている人は、ぜひ参考にしてください。

引き継ぎの準備

保育士が退職する際は、自分が受け持っていた仕事についての情報をまとめて、後任の保育士へ引き継ぎする必要があります。退職前の準備として、以下のポイントをまとめた引き継ぎノートを作成しましょう。

担当クラスの子供について

子供の名前や読み方、好き嫌いなどの基本情報をまとめます。アレルギー・疾患経験といった健康に関する情報や、言葉の発達についてなど、留意してほしい点も含めてください。

子供の保護者や家庭について

年度途中までの勤務でも、保護者との付き合い方や家庭環境など、多くの点に気付けます。保護者や家庭事情について気付いた情報は、なるべく引き継ぐようにしましょう。

今年度担当した年間行事や、予定されている行事について

年間行事は、退職後に予定されている行事だけでなく、今年度担当した行事についても情報をまとめてください。行事内容を全て引き継ぎすることで、後任の保育士は来年度も働きやすくなります。

書類や備品の保管場所について

施設内で自分が管理担当者となっている書類や備品の場所も、後任の保育士に引き継ぎが必要です。

他にも、主任などの役職に就いている場合は、職場の人員配置や他保育士の情報など、役職に関する引き継ぎも行いましょう。引き継ぎを漏れなく行うことで、後任の保育士はスムーズに業務を行えるため、年度途中で辞めることのマイナス面を緩和できます。

子供・保護者への説明

年度途中で辞める保育士にとって、子供・保護者への説明は悩むポイントです。できるだけショックを与えず伝えたいと考えても、担当していた保育士が年度途中でいなくなることは、子供や保護者にとって大きなニュースといえます。退職の説明は、子供・保護者の心情を踏まえて、きちんと行いましょう。

子供への伝え方

担当していた子供たちを集めて、皆に向かって辞めることを伝えます。お別れの挨拶で子供の名前を出す際は、全員分を用意してください。名前を呼ばれなかった子供がいると、悲しませてしまいます。子供は難しい言葉がまだ分かりません。そのため、「辞めます」「退職します」ではなく、「バイバイします」「遠くに行きます」のように、分かりやすい言葉遣いをしましょう。

保護者への伝え方

年度途中で辞める保育士に対して、「責任感がない人」「子供を悲しませるなんて」と保護者は感じるものです。そして、無責任な人の印象は、後任の保育士にも引き継がれる可能性があります。保護者の印象を少しでも改善するためにも、子供の保育を担当させてもらったお礼と、行事に参加・協力してくれたお礼を伝えることが重要です。

説明の際は、保護者が不安を覚える言葉は出さないように注意してください。「保育園に問題や不満があったから退職する」と言うと、保護者は保育園へ子供を預けることに不安を感じてしまいます。退職理由を聞かれ場合は、「一身上の都合で」のように、当たり障りのない答え方を用意しましょう。

転職する場合には転職活動

退職理由によっては、退職後に一定期間を置いてから転職活動を開始したほうが良いケースもあるでしょう。しかし、一般的には現職中に次の転職先を探すほうが、仕事のブランクは少なくなり、無収入の期間も短くなります。

転職活動は、自分自身のキャリア整理、求人情報収集と絞り込み、職場見学や採用面接とやるべきことが豊富にあります。まだ退職を迷っている人も、キャリア整理や情報収集は行って損をすることはありません。転職活動を進める中で、自分の働きたい職場のイメージが固まり、今の職場を退職すべきかどうかの判断が下せるようになるでしょう。

まとめ

保育士が年度途中で保育園を辞めることは可能です。2週間前までに退職届を出していれば、法律上の問題もありません。しかし、保育士は、子供の保育を一年間担当する業務であるため、途中で退職することは責任放棄と周囲から見なされてしまいます。

年度途中で保育士を辞める際は、円満退職を目指しましょう。後任の保育士に向けて引き継ぎの準備を行うだけでなく、子供・保護者への説明を行う必要があります。

転職を検討している人は、年度途中で辞めた後もスムーズな再スタートを切るためにも、現職中に転職活動を行いましょう。