兵庫県における保育士の給料相場は?行政の支援・補助制度も解説!

近年、保育士不足は全国で深刻な問題となっています。兵庫県も同様で、新たな保育人材の確保、すでに勤務している保育士の離職に歯止めをかけたい状況です。兵庫県では保育士の就職を促進し、人材の定着を図るために、保育士の就職支援や支援・補助制度を用意しています。

当記事では、兵庫県における各支援制度の内容や主な都市の特色、保育士の給料事情などについて説明します。兵庫県で保育士として働こうと考えている方は、ぜひ就職活動や転職活動に役立ててください。

【兵庫県】保育士の給料相場|全国平均との比較

厚生労働省が発表した「平成30年賃金構造基本統計調査」によると、賞与などを含んだ全国の保育士の平均年収は358万円で、兵庫県の保育士の平均年収は366万円です。兵庫県の給料の相場は、全国平均と比べると高めとなり、近畿地方の2府5県の中では京都に次いで高水準となっています。

都道府県 平均給料
全国平均 358万円
兵庫県 366万円
京都府 407万円
大阪府 349万円
滋賀県 348万円
奈良県 343万円
三重県 341万円
和歌山県 335万円

(出典:厚生労働省「平成30年賃金構造基本統計調査」/​https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/chinginkouzou.html

また、保育士の処遇・給与改善の一環として、平成29年には厚生労働省により保育士のキャリアアップ研修とガイドラインが定められました。研修を受けて技能・経験を積むことでキャリアアップを目指せるため、キャリアアップによる給料アップも期待できるでしょう。

(出典:厚生労働省「保育士等キャリアアップ研修の実施について」/​https://www.mhlw.go.jp/content/000525827.pdf

保育士として働きたいと考えていても、「保育士はあまり給料が高くない」というイメージがあることから、就職や転職、復職を思いとどまっている方もいるでしょう。しかし、兵庫県の保育士の給料は全国平均よりも高く、年収が極端に低くなるという心配はありません。
兵庫県の保育園には安定した収入を得られる環境が整っているといえるため、安心して働き始めることができるでしょう。

ただし、保育士の給料は、個人の能力・年齢・勤続年数、保育園の施設形態や規模によって異なります。新人保育士のうちは給料がそれほど高くなくても、長く勤続する中で主任などの役職につけば、給料アップが期待できます。

兵庫県内で違いはある?保育士の給料が高い市区町村はどこ?

兵庫県と首をかしげる女性

兵庫県内で比較的高額な求人が多いエリアは、神戸市の中央区・灘区・兵庫区、西宮市、尼崎市、宝塚市、芦屋市などが挙げられます。どの地域も複数の鉄道が乗り入れており、交通の便が良い好立地の地域です。各駅の周辺には企業や商業施設も多く、人の往来が盛んです。中にはベッドタウンになっているエリアもあり、多くの人が住んでいるため、保育園を利用する世帯も多い傾向にあります。

兵庫県の東南部に位置する神戸市と大阪市に挟まれた阪神エリアは、高級住宅地となっている区域もあり、兵庫県内では比較的給料が高い保育士求人がある地域です。年収400万円を超える求人も少なくありません。

逆に、兵庫県北部は南部に比べると人口が少ない地域です。保育の需要があまり高くないことから、兵庫県北部の保育士の給料は低い傾向となっています。

このように同じ兵庫県内でも、勤務地によって保育士の給料に違いがあります。では、なぜエリアごとに保育士の給料に差があるのでしょうか。

エリアごとで給料に違いがある理由

兵庫県内で保育士の給料に違いがある理由は、地域によって物価や家賃が違うためです。兵庫県は、北部よりも南部の方にオフィスや学校などが集中しています。兵庫県北部と比較すると南部は物価や家賃が高くなるため、兵庫県南部の物価や家賃に見合うよう保育士の給料も設定されています。

また、兵庫県北部と南部では人口密度が異なるため、保育の需要が違うことも理由に挙げられます。南部の方が人が集まる分、保育に対する需要は高い状態です。保育の需要に応えるためには、まず保育人材を確保する必要があることから、保育の需要が高い地域は保育士の給料も高く設定する傾向にあります。

兵庫県で実施!保育士に対する「支援・補助制度」とは

奈良県の景色と女性

兵庫県の各都市では、保育士に対する様々な支援や補助制度を実施しています。支援・補助制度を設けているのは、新たな保育人材を増やしたり、勤務中の保育士の離職を防いだりすることが主な目的です。

神戸市や明石市などには、一定期間勤続する条件を満たした保育士に支援金を支給する制度もあります。そのほかには子どもが優先的に保育園に入園できたり、保育料が免除されたりするなど、都市によって取り組みは様々です。

ここからは、「保育士修学資金貸付事業」「保育士就職準備金貸付事業」「保育士定着支援金事業」という3つの事業について説明します。どの事業も年度始めに施行されるかどうかが決まるため、最新の情報を確認してください。

保育士修学資金貸付事業

「保育士修学資金貸付事業は、保育人材確保のための取り組みの一つとして、公益社団法人兵庫県保育協会が実施している事業です。兵庫県保育協会が指定する保育士養成施設に通学する学生に無利子で修学資金を貸し付け、学費負担を軽くすることが狙いとなっています。

貸付限度額は、月額5万円(授業料・実習費、教材費など)、入学準備金20万円、就職準備金20万円です。貸付期間は在学期間中となり、2年分が限度となります。保育士養成施設を卒業後、1年以内に保育士として登録し、兵庫県内の保育施設で5年間勤務した場合は、貸付金の返還が免除されます。

(出典:公益社団法人兵庫県保育協会「令和2年度 兵庫県保育士修学資金貸付事業の手引 」/​https://www.hyogo-hoikukyokai.or.jp/pdf/youshiki/tebiki_hoikushi_syugakushikin.pdf

保育士就職準備金貸付事業

保育士就職準備金貸付事業は、ブランクがある保育士の再就職を支援することで、保育人材を確保することが目的の制度です。就職するにあたって、必要なものを購入した費用を貸し付けてくれます。2年間、兵庫県内の保育園で勤務を継続した場合は、貸付金の返還が免除されます。ただし、貸付金は祝い金として支給されるわけではないため、2年間で退職した場合などは貸付金を返還しなければなりません。

保育士就職準備金貸付事業を利用する際は、就労前に購入したものの領収書を保管しておき、就職日から4か月以内に就職先の施設を通じて申請する必要があります。

下記は、就職準備金として認められているものと、認められていないものをまとめた表です。保育士就職準備金貸付事業の利用を予定している方は参考にしてください。

対象 法人か個人の運営する生駒市内の認可保育所・認定子ども園・小規模保育事業などの常勤職員(※)

※常勤職員の判定は、以下の基準による
・1日6時間以上、月20日以上の勤務
・社会保険被保険者
認められたもの ・通勤に必要な自転車やバイク
・復職に伴う研修費用
・子どもを保育園に預けるために購入した布団や着替え
・就職のために県外から引っ越しした場合の引っ越し費用
認められなかったもの ・食洗機や掃除機などの家電製品
・近隣からの引っ越しに伴う引っ越し費用
・携帯電話やタブレット
・メガネ
・高級ブランドのバッグや靴
・化粧品 など

(出典:公益社団法人兵庫県保育協会「令和元年度 就職準備金貸付の手引き」/​https://www.hyogo-hoikukyokai.or.jp/pdf/youshiki/jyunbikin_tebiki2019.pdf

保育士定着支援金事業

保育士定着支援金事業は、保育士の人材確保や離職防止、待機児童の解消を目的とする制度です。各都市で支援金の金額に違いはありますが、対象者への支給額は1年間に20万円〜30万円程度です。

なお、保育士定着支援金事業の対象者となる条件も、各市区町村で異なります。保育士定着支援金事業の利用を考えている場合は、勤務先のある市区町村のホームページなどを確認しましょう。

下記に、神戸市・明石市・姫路市・芦屋市における保育士定着支援金事業の支給額をまとめています。

神戸市
1〜2年目:最大30万円
3〜7年目:最大20万円

(出典:神戸市こども家庭局 子育て支援部振興課「神戸市のサポート」/​https://kobe-kn.jp/iine/


明石市
1〜3年目:24万円

(出典:明石市「保育士になるなら明石市へ ~待遇を充実させています~」/​https://www.city.akashi.lg.jp/kodomo/taikijidou/201611_kakujyu.html


姫路市
1〜6年目:毎年20万円
7年目:一時金30万円

(出典:姫路市「保育士等定着支援一時金事業について」/​https://www.city.himeji.lg.jp/bousai/0000008301.html


芦屋市
1年目:30万円
2〜6年目:20万円
7年目:30万円

(出典:芦屋市「芦屋市保育士等確保定着支援事業補助金交付要綱」/​http://www.city.ashiya.lg.jp/kodomoseisaku/shinseido/jigyousyabosyuu.html

兵庫県内では、保育士をサポートする支援・補助制度が充実しています。保育士として就職・転職・復職を考えている方は、ぜひ積極的に利用しましょう。

まとめ

兵庫県の保育士の給料は全国平均を上回り、近畿2府5県の中でも京都府に次いで高水準です。ただし、兵庫県内のエリアによって人口や物価、保育人材の需要が異なるため、保育士の給料に差があります。兵庫県南部や阪神エリアは比較的求人が多く、保育士の給料も高めです。

また、神戸市や明石市などでは、保育士修学資金貸付事業・保育士就職準備金貸付事業・保育士定着支援金事業を実施しています。兵庫県内の各市区町村では保育士を手厚くサポートしているため、兵庫県で保育士の仕事を探している方は、当記事を参考に自分に合う職場を見つけてください。