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保育士を目指す人の中には、子どもと関わる業務に携われることに魅力を感じる人もいるでしょう。しかし、保育士不足が叫ばれている中で、仕事とプライベートとの両立ができるかどうか不安という人も少なくありません。

この記事では、保育士の代表的な3つの働き方をもとに、保育士の勤務時間や休みについて解説します。保育士を目指す人だけでなく、保育士の一般的な勤務時間や休日について知りたい現役保育士の人にも、参考にしてもらえると幸いです。

保育士の働き方で異なる3つの勤務パターン

保育士の休みをチェックする前に、保育士の基本的な勤務パターンについて見てみましょう。共働き世帯の増加や、社会全体の働き方の多様化により、保育士の勤務形態も多様化していますが、主に3つの勤務パターンがあります。

  • 固定時間勤務
  • シフト制勤務
  • 時間外保育

ここでは、それぞれの勤務パターンにおける、保育士の1日のタイムスケジュールを紹介します。各時間帯における現場の仕事内容も、併せて確認しましょう。

固定時間勤務の場合

固定時間勤務とは、「9時〜17時」といったように、出退勤の時刻が決まっている働き方のことを指します。
「育児中」など家庭の都合で、シフト制では勤務が難しかった保育士たちが働きやすくなることから、最近では「固定時間勤務」を選択できる保育園やこども園も増えました。

では、固定時間勤務で働く保育士の、1日の仕事における流れを見てみましょう。

固定時間勤務のケースでは、園児たちと朝の会を行う少し前に出勤し、帰りの会が終わって1時間程度で退勤することとなります。
子どもたちが登園してから降園するまでのすべての様子が見られるわけではありませんが、日中に多く行われる活動にはしっかり関われる勤務体系です。

シフト制の場合

固定時間勤務ができる保育園も増えましたが、基本的にはシフト制となっている保育園がほとんどです。シフト数や勤務時間帯の分け方は保育園によって異なりますが、多くの保育園では、「早番」「中番」「遅番」の、3つの異なる勤務時間帯でシフトを組んでいます。

●早番(7時〜16時):朝早くに出勤し、園児の迎え入れを担当する
●中番(9時〜18時):朝の会から帰りの会まで、通常保育の時間帯をカバーする
●遅番(10時〜19時・11時〜20時):帰りの会後も保育を行い、園児を保護者に引き渡す

では、「早番」「中番」「遅番」の1日のタイムスケジュールを、保育園の1日の流れとともに確認しましょう。

シフト制の場合、毎日勤務時間帯が変わるというデメリットがありますが、保育園で1日に行われる仕事の全てを経験できるメリットもあります。保育士として様々な仕事に関わりたい人には向いている勤務体系といえるでしょう。

時間外保育がある場合

最近では働き方が多様化しているため、延長保育や早朝保育といった時間外保育へのニーズも高まっています。様々な保護者の期待に応えるため、時間外保育を積極的に行っている保育園も少なくありません。

  • 延長保育:18時〜22時(終了時刻は園による
  • 早朝保育:7時〜9時(開始時刻は園による)
  • 夜間保育:深夜から翌朝まで

時間外保育を行う場合は、時間外保育を含めたシフトを組んで調整します。時間外保育がある園に就職・転職する場合には、時間外保育の時間帯やシフトの組み方を事前に確認しておきましょう。

保育士の休日・有給休暇について

カレンダー

保育園は、朝早くから夜遅くまで開所しており、1日に行う仕事も多いため、「保育士は忙しい」というイメージを持つ人もいるでしょう。「保育士志望であるけれども、きちんと休めるか不安」という人も少なくありません。

ここでは、保育士の休日・有給休暇の実態について、法律や調査データと照らし合わせながら紹介します。現在保育士として活躍している人も、自身の待遇について考えるきっかけにしてください。

保育士は休みが少ない?

多くの保育園では、土曜日や日曜日、祝日が休園日となっているため、「休園日=保育士の休日」と思われがちです。
しかし、「休園日でも預かり保育がある」「事務作業を週末にまとめて行う」「園児募集のイベントがある」など、休園日が出勤日となっていることも少なくありません。

ただし、保育士の勤務体系では「4週8休」「4週6休」といったように、週1~2日の公休が設定されています。土日祝日が全て休みである職種と比べると、年間休日は少なめですが、年間100~110日程度は公休があると考えてよいでしょう。

一方、シフト上は休みでも、休日に保育園から持ち帰った仕事を行う保育士の人も多数います。「全国保育協議会会員の実態調査報告書 2016」によると、保育士の1週間当たりの実働時間は「週40~50時間」が約55%、「週30~40時間」が約40%を占めています。

(出典:全国保育協議会「全国保育協議会会員の実態調報告書 2016」 http://zenhokyo.gr.jp/cyousa/h29_06/201706.pdf

残業などを考えると、データ上は労働基準法で定められた勤務時間の範囲内であるように見えますが、これらはあくまでも保育園で働いている時間です。持ち帰り仕事やサービス残業はカウントされていません。
公休日には出勤まではしなくてもよいものの、仕事をしている保育士が多いことに留意しましょう。

また、保育園は働く保護者とその子どもたちをサポートする目的で設置された施設です。そのため、幼稚園や学校のように、夏休みなどの長期休みがほとんどないという特徴があります。
お盆や年末年始に数日間の休園日が設けられている保育園もありますが、預かり保育を行うこともあるため、休日がとりやすいとはいえないでしょう。

保育士は有給休暇がとれる?

「全国保育協議会会員の実態調査報告書 2016」によると、保育士における有給休暇取得日数の年間平均は、「3~6日」と「7~9日」で約6割を占めています。

(出典:全国保育協議会「全国保育協議会会員の実態調報告書 2016」 http://zenhokyo.gr.jp/cyousa/h29_06/201706.pdf

厚生労働省「平成30年 就労条件総合調査の概況」によると、2017年の全業種における有給休暇年間平均取得日数は9.3日となっています。この数値と比較すると、保育士の有給休暇取得日数は少ないといわざるをえません。

(出典:厚生労働省「平成30年 就労条件総合調査の概況」 https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/18/dl/gaikyou.pdf

しかし、中には有給休暇の取得状況を改善し、保育士の働き方改革を支援しようと努力する保育園も多数存在します。仕事とプライベートをしっかり両立させたい人は、応募しようと考えている保育園の有給休暇の取得率をぜひチェックしてください。

保育士の産休と育休

妊娠中の女性

2018年の「賃金構造基本統計調査」によると、女性保育士は保育士全体の約94%を占めています。

(出典:厚生労働省「平成30年度賃金構造基本統計調査」 https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0003084962

保育士を目指す人はもちろん、現役保育士の中にも、産休や育休(育児休業・育児休暇)が取得できるかどうか不安に感じる人も多くいるでしょう。

保育士も労働者であるため、法律で定められた産休や育休(育児休業)といった休暇制度を利用することは可能です。安定期に入る頃までには、園長などの上司に報告・相談し、産休や育休を取得したい旨を伝えましょう。

法律で定められた産休・育休の期間は、次の通りです。

  • 産休:出産予定日を基準として産前6週間・産後8週間
  • 育休:産休終了後から子どもが1歳の誕生日を迎える前日まで
    (※育休は、保育園に入れなかったなどの理由があれば、2歳まで延長可能)

産休や育休を取得する際には、休業に入る1か月ほど前には申請書類を提出し終えるようにしてください。保育園の福利厚生制度として、独自の育児休暇制度がある場合は、勤務先の就業規則を確認して申請するようにしましょう。

ただし保育園の中には、人材不足などといった理由から産休や育休を取得しにくい職場もあります。出産後に育休を経て保育士として働き続けることを希望している人は、就職・転職時に育休取得率の高い職場や、子育てに理解のある職場を選ぶようにしましょう。
「復帰後はクラス担任業務と補助業務を選べる」「時短勤務が可能」など、業務内容や負担する仕事量、勤務体制の変更に柔軟に対応してくれる保育園もおすすめです。

育休中は休養し、自分と赤ちゃんとの充実した生活を過ごすことも大切ですが、復職後の勤務開始の際に不安にならないよう、スキルアップを図り準備することも大切です。
産後に落ち着いてきたら、最新の指導方法や知識を学んだり、育児と仕事を両立するためのマネジメント能力を身に付けたりするなど、復職に向けて自信を付けましょう。

まとめ

多くの保育園では「4週8休」「早番・中番・遅番」など、土日祝日も含めたシフト勤務を採用していますが、固定時間勤務制を導入している園も増えています。
週休1~2日制が基本で行事も多くあるため、土日祝休の一般企業の会社員や、長期休暇がある幼稚園教諭・学校教諭といった職業よりも勤務日数は多いと考えましょう。
しっかり休みがほしい人は、有休取得率が高い職場を選ぶことをおすすめします。

出産後も仕事を続けて保育士としてのキャリアを重ねたい人は、出産・育児に理解がある職場を選ぶことも大切です。
保育士専門の転職エージェントを活用し、「休日数が多い」「有休取得率・育休取得率が高い」「様々な雇用形態に柔軟に対応」というような働きやすい職場を選びましょう。