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保育士の仕事をしていると、人間関係に悩むこともあるでしょう。人間関係の悩みを気軽に相談できる相手がいない場合、どのように対応すれば良いか分からず、「保育士を辞めたい」と感じる人もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、保育士の人間関係でよくある悩みのパターンと、人間関係の3つの改善策を紹介します。また、どうしても人間関係を改善できない場合の方法についても紹介しているため、保育士として働いている人で、人間関係を改善したいと考えている人は、ぜひ参考にしてください。

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保育士の「人間関係」でよくある3つのお悩みパターン

保育士はクラスを運営するにあたり、小さな人間関係の中で仕事を進めていかなくてはなりません。そのため、少人数の中で気の合わない人がいる場合、出勤さえ辛く感じることでしょう。

社会に出れば、誰もがそういった人間関係に少なからずストレスを感じるものです。特に保育士の場合は女性スタッフが多く、感情のもつれが起きやすい環境です。

ここでは、保育士の人間関係でよくある悩みのパターンを3つ紹介します。

保育士同士での人間関係の悩み

保育士は、先輩・後輩の関係が厳しく、一年の経験差があっても隔たりがある場合があります。日々の忙しさから、指示や指導が厳しくなることも多く、辛い思いをしている人も少なくありません。

仕事で悩んでいるときに、アドバイスをしてもらえる仲間がいれば、心は軽くなるものです。しかし、前述したように保育園の毎日は忙しく、職員はすべて精一杯仕事に臨んでいるため、声をかけたり相談を持ちかけたりすることに躊躇してしまうこともあるでしょう。

また、先輩保育士の場合、後輩にアドバイスをしても素直に聞いてもらえなかったり、繰り返し注意や助言をしていると嫌がられたりすることもあります。

後輩が一生懸命仕事に取り組んでいても、クラスの運営や子どもの安全面に関わる場合、口出しをしないわけにはいきません。しかし、注意や助言をしているうちに後輩の態度がよそよそしくなり、クラスを運営するにあたりうまく連携が取れず、悩むこともあります。

保護者との人間関係の悩み

「保護者との信頼関係がうまく築けない」といった悩みを抱えている保育士も多くいます。

前担任と仲が良かったために、なかなか気持ちを切り替えてもらえず、新しく担任となった自分とは心を開いて話してもらえないケースも珍しくありません。このようなケースの場合、当たり障りのないことしか話せず、子どもに対する悩みを相談できないだけでなく、保育園・担任側への要望を聞き出すことが困難です。

反対に、要望やクレームが多い、いわゆるモンスターペアレントと呼ばれる保護者への対応方法が分からず、悩む人も少なくありません。

園長先生や責任者との人間関係の悩み

園長先生や施設長などは、園の責任者として現場にいる保育士とは異なる視点で物事を見ています。そのため、ことあるごとに細かな指導が入り、保育士として働くことに辛さを感じる人も少なくありません。

また、保育用品や資材を保育園で用意をしてもらえない場合、自己負担の多さに悩むこともあるでしょう。

中には、保育の方針が合わず、辛い思いをすることもあります。園の方針や経営に関することは、なかなか言い出せない上、家族経営などで改善が見込まれないこともあり、保育士を辞めたいと感じることでしょう。

保育士の人間関係~3つの改善策~

三つの星

人間関係の悩みを一人で解決することは、難しいものです。特に保育園は女性が多い職場だけに、感情がぶつかり合うことも多くあるでしょう。

子どもは、保育士のことをよく見ています。保育士同士や保護者との関係性はすぐに伝わってしまうため、早期に対処法を見つけ、悩みを解決することが大切です。

ここでは、保育士における人間関係の改善策を3つ紹介します。

①園全体で共通の目的を定める

保育士同士の人間関係を改善するためには、クラスの運営や子どもへの影響を考慮し、同僚と話し合う時間を意識的に増やすことが重要です。
このとき、時間や場所を決めて話すよりも、廊下ですれ違うときや保育室の片付けをしながらなど、ちょっとした時間に雑談を含め、さまざまな事柄について話すと良いでしょう。

相談に乗ってもらいたい場合、「一緒に考えてほしい」と伝えることで、改善策を一緒に探ってもらうことができます。距離を感じる場合は、諦めるのではなく、自分から歩み寄ることも人間関係を改善する1つの方法と言えるでしょう。

このように、保育士同士が「話す」ことに意識を持つことで、園内の問題点や改善策を見つけることができます。「園としてどのようにしていかなければならないか」「保育士はどのようにしていきたいか」を把握することで、園としての目的を共通する場を設けることができるでしょう。
職員同士が同じ方向を見て保育にあたることが、人間関係改善の第一歩となります。

②意見や要望を相談する

保育士同士のみならず、保護者から意見や要望がある際は、文句やクレームを伝えるというスタンスではなく、まずは「聞いてほしいことがある」「悩んでいることがある」という気持ちで相談してみましょう。

相手に対して意見したいことがある場合は、「自分はこのようなことで悩んでいる、何か解決策があったら教えてほしい」と伝えることで、相手も心の余裕ができ、話し合うことができます。

③保護者との信頼関係を築く

送迎の短い時間で、保護者との信頼関係を築くことは、非常に難しいものです。勤務時間が合わなければ、何日も保護者と顔を合わせないこともあるでしょう。また、保護者対応を苦手としている保育士の場合、保護者を避けてしまう傾向にあります。
しかし、保護者との人間関係を改善したいのであれば、保護者と直接顔を合わせて言葉を交わすことが大切です。

対面が難しい人であれば、お便り帳などを利用してコミュニケーションを取り、保護者との信頼関係を築くと良いでしょう。なかなか心を開いてくれない保護者も、お便り帳を使用することで、わが子の情報をとなれば目を通してくれるはずです。

お便り帳には、保育園で過ごす時間の中で成長を感じられたところや、ほっこりエピソードなどの良い話題の中に、子どもとの関わりを通して保育士が悩んでいる点について書くことがコツです。

たとえば、「食事のペースがゆっくりなため食事を終えるのが遅く、うまく促せず悩むことがあります。家庭での関わりを参考にさせていただきたいので、ぜひ教えてください」など、子どもができていないことへの指摘ではなく、保育士の関わり方の相談としてお便り帳を利用するようにしましょう。

はじめは返事がないかもしれませんが、誠意は必ず伝わります。保護者に会えたり会話ができたりしたときは笑顔を忘れず、子どものエピソードをたくさん伝えていきましょう。

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どうしても改善できなければ「転園・転職」がおすすめ!

教室の風景

コミュニケーションや話し合いなどの機会を作っても、なかなか解決しないこともあるでしょう。また、園の方針や園長の考えを変えることは保育士には難しい問題でもあります。

人間関係の悩みが解決できないからと言って、必ずしも自分が悪いわけでも、保育士に向いていないわけでもありません。たまたま今の環境が合わなかった場合もあります。

どうしても問題を改善できない場合は、そのまま辞めてしまうのではなく、転園・転職することがおすすめです。

最後は、転職先で良い人間関係を築くためのポイントを紹介します。転園・転職する際には、ぜひ活用してください。

転園先で良い人間関係を築くためには

転職先で良い人間関係を築くためには、まずは笑顔でしっかり挨拶をし、感謝の言葉を伝えることが大切です。

多くの経験を積んだベテラン保育士であっても、転園先の現場では新人となるため、これまでの経験を忘れ、一から仕事に臨む姿勢を持つ必要があります。自分よりも年下の保育士や職員であっても、転園した自分にとっては先輩です。おごり高ぶることなく、謙虚な態度で責任を持ってしっかりと仕事をこなしましょう。

また、仕事や人間関係に悩んでいる若手の保育士には、自身のかつての失敗談を踏まえたアドバイスをするなど、コミュニケーションを取ることも重要です。ただし、近付きすぎると、相手の成長を妨げる原因になりかねないため、距離感を意識しつつコミュニケーションを取るようにしましょう。

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まとめ

今回は、保育士の人間関係でよくある悩みから、人間関係の改善案までを解説しました。
保育士の世界では、人間関係について悩んでいる人は多く、問題を解決できないまま保育士の仕事を諦めてしまう人も少なくありません。

保育士の仕事をする上で起こる人間関係の問題を改善するためには、自分から一歩踏み出すことが重要です。また、職場の環境が合わない場合は、転園・転職するという方法もあります。保育士での人間関係に悩んでいる人は、今回の記事を参考に、自分に適した職場を探してみてはいかがでしょうか。