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保育士は繁忙期以外も業務が多く、毎日忙しいと感じている方は多いでしょう。予測のつかない行動をとる子どもを相手にする以上、どのような保育施設でも時間的な余裕を持ちながら働くことは難しいものです。

しかし、工夫次第で忙しさの度合いは変わります。まずはなぜ仕事が忙しいのか、多忙になる理由を特定することから始めましょう。

当記事では、保育士の仕事が忙しくなる理由について、特に忙しさを感じる時期や業務内容とともに説明します。

保育士が忙しい理由とは?

保育園の画像

保育士は業務内容の特徴も影響し、仕事の忙しさを実感するシーンが少なくありません。保育士の仕事は子どもの世話をするだけだと思われがちですが、保育以外にも多岐にわたる業務があるため、想像と現実のギャップに驚く人もいます。

まずは、保育士の仕事が忙しいと感じる3つの理由を説明します。

年間を通じて行事・イベントが多い

保育園や認定こども園などの保育施設では、子どもの心身の健康を育むために、さまざまな行事やイベントを短いスパンで開催しています。

【保育施設の行事・イベント例】

  • 入園式
  • 卒園式
  • 運動会
  • お泊り保育
  • 季節のイベント

保育施設で行われる小規模な行事やイベントも含めると、行事やイベントに伴う準備・開催・片付けは毎月発生する業務です。衣装作りが必要となることも多く、基本的にすべての業務を保育士が担当するため、行事やイベントの前後は残業が多くなるケースもあります。

人手不足で保育士の負担が大きい

共働き家庭の増加などによる保育施設の需要の高まりを受け、大半の職場が保育士不足に悩まされています。

保育施設の運営にあたり国は人員の配置基準を設けていますが、あくまでも最低人数に過ぎず、法令の配置基準を満たしていても、余裕を持って働くことが難しい場合もあります。

【保育所の配置基準】

子どもの年齢 保育士の割合
0歳 子ども3人に対して保育士1人
1~2歳 子ども6人に対して保育士1人
3歳 子ども20人に対して保育士1人
4歳 子ども30人に対して保育士1人

(出典:電子政府の総合窓口e-Gov「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」/ https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=323M40000100063#242

子どもの年齢が上がるにつれて多少は自分で身の回りのことができるようになるとはいえ、20人や30人の子どもの保育を1人で行いながら業務を進めることは困難でしょう。しかし、人手不足とわかっていながらも、人件費の問題から簡単に人員を増やせない保育施設は数多く存在します。

保育以外の事務作業が多い

保育士の仕事では、イベントの準備や子どもの世話にとどまらず、事務作業など幅広い業務に対応することが求められます。

事務作業は基本的に子どもたちが帰ったあとに行うため、帰宅時間にも影響します。IT化で事務作業の時間短縮に取り組む保育施設もありますが、一部に過ぎず、多くの保育施設は現在もアナログで事務作業に対応しています。

仮にIT化で事務作業を効率化できても、キャリアアップ研修などを利用してステップアップしたい方は、忙しい仕事の合間を縫って勉強時間を確保しなければなりません。

保育士が忙しい時期

他の業種と同じく、保育士の仕事にも繁忙期が存在します。年間を通じて毎月のようにさまざまなイベントがありますが、特に保育士が忙しい時期以下のとおりです。

【4~6月】
春は、入園式などの数々のイベントを通じて、保護者からの信頼を得なければならない時期です。父の日・母の日に合わせた保育参観や親子遠足など、保護者に参加してもらうイベントが多い季節でもあります。新入園の子どもたちも新しい環境に慣れていないため、園生活では一人ひとりに対する丁寧なケアが求められます。

【9~12月】
運動会や作品展、お遊戯会(発表会)、クリスマス会など、年間行事の中でもビッグイベントが集中する時期です。競技や発表の準備、会場の飾り付けに加え、小道具や衣装の製作も行わなければなりません。小規模で園庭のない保育施設の場合は、会場を借りる手続きも進める必要があります。

【1~3月】
豆まきやひな祭り、卒園式といった行事と並行して、年度末の書類処理や新年度の準備を進めなければならず、残業が増えやすい時期です。子どもの保育時間中に卒園式の練習や保育参観などを行うため、一日中業務が立て込むこともあります。担当した子どもたちが卒園したあとも、在園児の新年度の準備などで忙しさは続きます。

7~8月は比較的余裕のある時期ですが、行事やイベントがなくなるわけではありません。プール遊びのためのプールの準備や片付け、水の入れ替えなどが日常業務に加わります。勤務先によっては、お泊り保育や夏祭りの準備も発生するでしょう。

忙しい保育士のタイムスケジュール

保育士の仕事を1日単位で見ると、特に忙しい時間帯は決まっています。 保育士の1日の業務内容を大まかにまとめたタイムスケジュールは、以下のとおりです。

【保育所の配置基準】

時間帯 主な業務内容
~7:00 早番の保育士が出勤
登園前の準備
時間外保育の園児の登園開始
8:00~8:30 早番の保育士が出勤
登園前の準備
時間外保育の園児の登園開始
9:30 朝の会
自由遊び
おやつ
10:30 遅番の保育士が出勤
11:30 園児に手洗い・うがいをさせる
給食の配膳
歯磨き
12:30 検温
お昼寝
15:00 おやつ
16:00 帰りの挨拶
園児は順次降園
16:30 早番の保育士が退勤
17:20 中番の保育士が退勤
19:30~20:00 掃除などの閉園作業
遅番の保育士が退勤

※上記はあくまでも目安であり、勤務先のシフトによって時間は前後します。

保育士の1日の中でも特に忙しい時間帯は、以下の3つです。

①開園前~登園時間
時間外保育の子どもがいる場合は、7時ごろから迎えに行くこともあり、朝から忙しくなります。保護者と離れたがらない子どもがいるなど、スムーズに預かれないことも少なくありません。

②昼頃(給食・お昼寝の時間)
遊んでいた子どもたちを集め、手洗い・うがいをサポートしたあとは給食の時間です。一人ひとりの食事をサポートしたり、遊んでいる子に指導したりするなど、自分自身の食事の時間をゆっくりとれない場合もあります。子どもたちの昼寝中には、保育日誌や連絡ノートの記入など事務作業を進めます。

③降園時間~閉園後
午後になると子どもたちは順次降園となり、迎えに来た保護者へ連絡ノートを渡して、1日の様子を伝えます。残った事務作業を進めたりイベントの準備を行ったりするなど、閉園後も何らかの仕事が残っていることが大半です。

保育士の忙しさを和らげるために

保育士ファイト!の画像

保育士は基本的に忙しい仕事ですが、工夫次第で忙しさを和らげることが可能です。 最後に、保育士の仕事を余裕を持って進めるためのコツを紹介します。

職場環境に関係なく実行できる忙しさを和らげる工夫は、以下のとおりです。

・早めに行事やイベントの準備に取り掛かる
秋の運動会の準備を夏に始めるなど、「早すぎるのでは」と思う時期から準備を進めることで、余裕を持って本番を迎えることができます。

・スケジュールを可視化して管理する
スケジュール帳やToDoリストを使って作業内容を可視化することで、何から始めるべきか仕事を整理することができ、効率的に業務を進められるようになります。

保育園によっては、ICTシステムの導入や会議時間の短縮など、業務効率の改善に力を入れているところもあります。保育士の忙しさに悩んでいる方は、今よりも業務量や進め方に余裕のある職場へ転職することもひとつの手段でしょう。

「マイナビ保育士」では、施設形態や給与額などのさまざまな条件から、希望の職場を探すことができます。保育施設の規模や人員数など、忙しさを緩和できる職場探しを行いたいときは、ぜひマイナビ保育士を活用してください。

まとめ

保育士の仕事が忙しくなる理由は、行事やイベントなどが集中する時期の存在にあります。保育士の仕事の繁忙期は年間を通じて数度訪れるため、毎日が忙しいと感じる方もいるでしょう。

近年は保育士の職場環境を見直す保育施設も多く、運営業務の一部をICT化することによって、負担軽減が図られています。個人の工夫で忙しさを緩和できないときは、マイナビ保育士を利用して、業務効率化を進めている職場への転職を検討してみてはいかがでしょうか