一般の会社にブラック企業と呼ばれる企業があるように、一部の保育園にも「ブラック保育園」と呼ばれる保育園が存在しています。しかし、長期間同じところで働き続けることで、劣悪な労働環境に慣れてしまい、現状の問題に気付けないケースは少なくありません。
今回は、ブラック保育園と呼ばれる保育園によく見られる特徴と、転職先を探す際の見分け方を解説します。もし今の保育園で働くことが「つらい」「苦しい」と感じるのであれば、一度職場の労働環境を見直してみましょう。
目次
ブラック保育園によく見られる特徴
転職先にブラック保育園を選ばないためには、まずブラック保育園がどのようなところなのか、その特徴を把握する必要があります。
ここでは、ブラック保育園に多く見られる5つの特徴を紹介します。現在の勤務先や転職を希望する先が、ブラック保育園に該当しないかをしっかりとチェックしましょう。
長時間労働・休日出勤が当たり前になっている
保育士の仕事の性質上、残業や持ち帰り仕事が全くないわけではありません。
しかし、残業が毎日続いたり、振り替えもなく休日出勤したりすることが当たり前になっていれば、その保育園の勤務状態には問題があります。
保育士の仕事には事務や雑務が多くあります。そうした事務作業などを連日残業しなければこなしきれない場合は、保育士の人数が足りていない証拠です。本来2人で行うべき仕事を1人に割り振るなどして、保育園側が人件費を削減している可能性もあります。
仕事内容・労働量の割に給料が低い
たとえ長時間労働や休日出勤が多くても、労働時間に見合った給料が支払われているのであればよしと考える人もいるでしょう。まずは、実際に働いている時間と給料を計算してみて、自分が住む地域の最低賃金を下回っていないか確認しましょう。
また、職場が認可保育園であれば、保育士の「処遇改善手当」が国から保育園へ支給されているはずです。処遇改善手当は、保育士の給料に加算されるためのものであり、保育園の運営費などに回されるお金ではありません。処遇改善手当が適切に支払われているかも、給料明細などを見てチェックしましょう。
残業代を支払ってもらえない
労働基準法では、労働者の労働時間・休憩・休日について、以下のように定めています。
・使用者は、原則として、1日に8時間、1週間に40時間を超えて労働させてはいけません。
・使用者は、労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩を与えなければいけません。
・使用者は、少なくとも毎週1日の休日か、4週間を通じて4日以上の休日を与えなければなりません。
引用:厚生労働省「雇用・労働 労働時間・休日」/ ( https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/roudouzikan/index.html )
上記で定められている勤務時間を超えて労働させる場合、雇用者は労働者に残業代を支払わなければなりません。残業や休日出勤した分の給料が支払われないことは違法となります。
有給休暇を消化させてもらえない
有給休暇の取得は、労働者の持つ権利です。有給休暇を取得する理由も労働者側の自由であり、本来であれば理由を申告する必要性はありません。また、有給休暇が年に10日以上付与される場合は、年に5日以上の有給休暇を取得させる義務が雇用者にあります。
有給休暇を取れない理由が「人手が足りない」であれば、園長先生などの経営者側が保育士を増やす努力をすべきです。経営努力を怠っているしわ寄せが保育士に向かう園は、ブラック保育園と言わざるを得ないでしょう。
仕事に必要なものの費用を出してもらえない
保育用品や事務用品だけでなく、折り紙やシールといった制作物に必要な材料費も、保育園が経費として支払うべき費用です。明らかに非常識なものでない限り、保育の仕事で使用するものの費用は、保育園に購入費を請求することができます。
仕事上で必要となるものが経費にならず、自腹で支払っているのであれば、労働者のことを考えていないブラック保育園と言えるでしょう。
ブラック保育園の見分け方を紹介!
保育士としての仕事を長く続けたい場合は、労働基準法を順守していている職場環境の保育園に勤めることが望ましいでしょう。ホワイト保育園に転職するためには、ブラック保育園でないかどうかを見極めることが大切です。
ここでは、ブラック保育園を見分ける2つの方法と、チェックすべきポイントを紹介します。
見学で見分ける方法
保育園の質を見分けたいときは、実際に保育園見学に行って、保育現場の実態や雰囲気を確認することは必須です。
雇用後のミスマッチを防ぎ、保育士を定着させるためにも、保育に真剣に取り組む園であれば必ず現場の見学を勧めます。見学を断られるのであれば、その保育園はブラック保育園の可能性が高いと言えるでしょう。
以下は、見学に行った際に特にチェックしておきたい項目です。
◯経営者や職員の態度
経営者や職員が高圧的な態度に出たり、自慢話ばかりしている場合はブラックである確率が高くなります。反対に、園の特徴や方針をわかりやすく説明してくれたり、積極的に感想を聞いてくれたりするところは、ホワイトである可能性が高いでしょう。
◯タイムカードの有無
勤務時間が手書き、もしくは勤務記録を取っていない保育園は要注意です。もちろん、タイムカードがあれば確実にホワイトであるとは言い切れませんが、タイムカードの管理がずさんであれば勤務時間に対する意識が低く、サービス残業が横行している可能性があります。
◯園の規模に対する保育士の人数や年齢
「3歳児20人に対し保育士1名以上」という国の配置基準は、あくまでも最低条件です。実際にゆとりある保育を行う場合は、さらに多くの保育士が必要となります。
また、働いている保育士の年齢もチェックしましょう。少数のベテランと多数の若い保育士という構成は、新卒で入っても中堅層まで育たずに離職している可能性が高い保育園です。
◯衛生管理
施設や遊具の新しさではなく、きちんと手入れや片付けが行われているかに注目しましょう。おもちゃや備品が汚れたり壊れたりしていれば、園児たちが触れたときにケガをする危険性があります。職員が子どもたちのことを考えており、常に周囲に目を配る余裕のある保育園であれば、汚れたり壊れたりしたおもちゃが放置されていることはありません。
求人情報で見分ける方法
気になる保育園が複数ある場合や遠方にある場合など、見学に行く時間を確保することが難しい人もいるでしょう。見学の機会を確保できないときは、まず求人情報で以下の2点をチェックし、ブラック保育園か否かを見分けましょう。
◯常に求人が出ている
長期間にわたって求人が出続けている保育園は、慢性的な人手不足に陥っている可能性があります。新人の採用や教育が適当であったり、人の扱いが悪かったりするなど、何かしらの理由で人員が定着していない保育園です。
◯同条件の職場と比べて給料額が高い
仕事内容や勤務条件が同じであるにもかかわらず、他園よりも高額な給料を提示する保育園には警戒したほうがよいでしょう。基本給ではなく残業代や休日出勤代、各種手当をすべて盛り込んだ金額を、求人情報に載せている可能性があります。
また、ボーナスの扱いにも注意が必要です。給料とは異なり、ボーナスには支払い義務がありません。そのため、高額な給料の金額にボーナスが含まれていた場合、実際に受け取れる給料が期待より少ないケースがあります。
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まとめ
保育園の一部に見られるブラック保育園と呼ばれる職場は、給料面だけでなく精神面でも肉体面でもあまりよい労働環境とは言えません。
職場がブラック保育園であると判断したら、心や身体を壊す前にホワイトな保育園への転職を試みましょう。給料や時間に余裕ができるだけでなく、よりよい保育に関わることで、キャリアやスキルを向上させることも可能です。
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