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保育士は小さな子どもと密に関わり、子どもの成長を側で見守ることができるやりがいのある仕事です。
しかし、体力仕事であったり常に神経を使う仕事であったりするため、他業種へ転職を考えている方もいるでしょう。

本記事では、保育士から他業種に転職するメリット・デメリットから、保育士におすすめの仕事、転職時のポイントまで解説します。
保育士から他業種へ転職を考えている方は参考にしてください。

保育士から他業種への転職は本当に厳しい?

給料封筒

保育士から他業種に転職する場合、保育士が「保育」を扱う専門的な職種であるため、「転職は厳しい」と言われることが多くあります。

保育士を目指す場合、保育の専門学校を卒業するか、教育・保育といった専門科のある大学や短期大学を卒業することが一般的です。
どちらも保育について専門的に学ぶため、学んだことを活かす場所が限られています。

そのため、保育の知識や経験を豊富に持っていても、保育施設以外の仕事で、保育の知識や経験を十分に発揮することは難しいと言えるでしょう。

ただし、保育士として働いていた経験が、必ずしも転職に不利になるというわけではありません。
保育士以外の職種でも、入念な準備をして転職に臨むことで、選択肢を広げることができます。

保育士から他業種に転職するメリット・デメリット

保育士に限らず、転職する場合は、今の状況と転職後の状況を入念に比較し、自分に適した決断を行うことが大切です。
以下では、保育士から他業種に転職するメリット・デメリットを紹介するため、ぜひ参考にしてください。

◯メリット:仕事量が軽減され、精神的・肉体的な負担も軽くなる

保育士の方には、「仕事量が多く、残業したり家で仕事をしたりしなければ業務が終わらない」という悩みを抱える方も少なくないでしょう。
日中は子どもたちの保育を行うことから、事務作業やイベントの準備などの業務は、どうしても後ろ倒しになります。

保育士から企業の事務職などに転職すれば、勤務時間や残業時間が徹底的に管理されるため、適切な仕事量で働くことが可能です。

また、保育士という仕事は、子どもだけでなく保護者の方とのやり取りも発生し、対人関係のストレスが溜まりやすいです。
1日の大半を子どもたちの世話をして過ごすため、肉体的な負担も大きい職業と言えます。

他業種へ転職することで、精神的・肉体的な負担を軽減することが可能です。

◯デメリット:保育士の実務経験で即戦力になることが難しい

保育士資格は国家資格であるものの、他業種で保育士資格を活かすことは困難です。
多くの職種では子どもと関わる機会がほとんどないため、保育の経験を新しい職場で発揮する場面は少ないでしょう。

保育の経験を活かして働きたいと考える場合、ある程度職種は限られます。
例えば、大手企業の託児所や子ども向け事業を展開する企業、ベビーシッターなどは、保育の経験を活かせる仕事です。
ただし、上記のような仕事は求人数がそこまで多くはないため注意しましょう。

一般的に、保育士の実務経験がどれほど豊富でも、保育以外の場で即戦力になることは難しいため、一からキャリアを積み上げる覚悟が求められます。

保育士が転職するときにおすすめの仕事

笑顔の女性

保育士から他業種へ転職する場合、まずは保育の経験が活かしやすい仕事を検討するとよいでしょう。

分野が似ていたり、対人の仕事であったりすれば、今までの経験も比較的活かしやすく、業務に慣れるスピードもより早いと考えられます。

以下では、保育士が転職するときにおすすめの仕事を紹介するため、ぜひ参考にしてください。

事務職

事務職は大企業から中小企業まで、どのような企業でもポジションがあり求人数も多く、比較的探しやすい職種です。
特別な資格がなくても転職することが可能で、基本的なPC操作などができれば応募することができます。
PC操作が苦手な場合、関連する資格などを取得しておくと転職に有利です。

また、一口に事務職といっても、職場によって仕事内容や範囲が異なるため、転職活動の際にはどのような仕事をするのかを事前に聞いておきましょう。

特に体力面で保育士から転職を考えている方であれば、事務職は屋内での事務作業が中心なため、体力的負担も軽減できる魅力的な選択肢の一つと言えます。

介護職

介護職も保育士から転職するときにおすすめの職種です。
ケアをする対象が子どもからお年寄りに代わりますが、他の職種と比べ、業務内容は比較的似ているため、即戦力として期待される仕事と言えます。

さらに、介護職は保育士と同様、私たちの生活に密接に関わり、社会的意義や需要の高い仕事です。
保育士と同様、介護業界も人手不足であるため求人数も多く、勤務地や雇用形態、給与といった希望条件で絞って探すことができます。

ただし保育士から転職したいと考えた理由が、対人関係や体力面の問題である場合は、介護職への転職後に再び同じ悩みが発生する恐れがあるため、十分な検討が必要です。
また、園児より体の大きな大人を介護することで、保育士より体力的な負担が増す可能性もあるため、注意しましょう。

サービス業

サービス業も、保育士の仕事で培ったコミュニケーション能力を活かすことができる職種です。
飲食店のホールスタッフや、アパレル・雑貨店の販売員、スーパーや薬局のスタッフなど、さまざまなサービス業があり、選択肢も比較的多いと言えるでしょう。

また、サービス業は、定型業務を行うだけではなく、お客さまに合わせた臨機応変な対応やサービスが求められるため、人と接することが好きな方が向いています。
小さな子どもに寄り添い、子ども一人ひとりに合わせた保育を行ってきた保育士であれば、十分に活躍できるでしょう。

保育士が転職するときに押さえるべきこと

保育士からの転職を成功させるためには、いくつかポイントを押さえたうえで、面接に臨むことが大切です。
以下では、保育士が転職するときに押さえるべき点について解説します。

◯自分が希望する条件を明確にしておく
収入面や待遇面、人間関係など、離職を希望する理由は人によってさまざまです。

転職理由を明確することで、転職活動の軸ができ、転職活動を進める際の道しるべとなります。
転職活動の際に、収入や条件、会社のネームバリューなどに惹かれてしまうこともありますが、「転職活動の軸」に沿って、現状の問題が解消される職場を探すことが重要です。

例えば、収入面に不満がある場合は今よりも収入が多い職場を、人間関係に悩みがある場合は人と関わることが少ない職場を探すとよいでしょう。

◯​志望動機はマイナスな理由にしない
今の仕事に不満があって転職を考える場合でも、志望動機に「マイナスな理由・ネガティブすぎる理由」を設定してはいけません。
例えば「保育士の仕事は給料が低く残業も多いため、それらのない職場を希望します」という志望動機では、「新しい職場でも不満が出そう」と判断されてしまいます。

志望動機では前職の不満を出さず、これから自分が新しい職場にどれほど貢献できるかという点や、熱意・やる気などプラスな理由を伝えるようにしましょう。

ただし、保育士特有の問題であれば、「ネガティブな理由でも仕方ない」と判断される可能性もあります。
例えば「腰痛がひどくなり子どもと遊ぶことができなくなった」「事務作業を家に持ち帰ることが多く、生活のバランスが取りにくくなった」などの理由です。

志望動機や退職理由で嘘をつく必要はありませんが、上記で挙げたポイントを押さえ、前向きな姿勢で転職活動に臨みましょう。

まとめ

保育士は保育の専門職であるからこそ、他業種への転職が難しいというイメージが強い職種です。

保育士の資格を直接活かす場所は少ないですが、介護職やサービス職など、保育士と親和性の高い仕事を選ぶことで、保育の経験を次の職場でも活かすことができます。
また、転職活動の際は、あらかじめ転職理由を明確にし、前向きな姿勢で面接に臨むようにしましょう。

本記事で紹介した、保育士から他業種に転職するメリットやデメリット、保育士におすすめの職種も参考にして、理想の働き方ができる職場を探してください。