保育園の保育実習では、園生活の初日に子どもたちに自己紹介を行います。
保育士の仕事については日々学んでいても、いざ子どもたちを目の前にしてどのように自己紹介すればよいのか、悩んでしまう人は多いのではないでしょうか。
保育実習の自己紹介は、子どもたちが理解できるように話すことはもちろん、自己紹介の時間を楽しみながら過ごしてもらうことも重要です。
今回は、子どもたちとよい関係を作れる自己紹介のポイントや、楽しんでもらうためのアイデアを例文付きで解説します。
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目次
保育実習の自己紹介は子どもの年齢に合わせよう!
保育実習の自己紹介は、実習で担当するクラスの子どもたちを前にして行います。
そのため、自己紹介は子どもの年齢に合わせて、興味を持ってもらえる内容にすることが大切です。
以下では、3つのクラス別に自己紹介する際のポイントを説明します。
0歳児クラスでは、自己紹介のためにまとまった時間をとるケースは多くありません。
子ども一人ひとりに笑顔を向けて「いっしょに遊ぼうね」と声をかけ、自分から親しむ姿勢をとりましょう。
1~2歳児は言葉がある程度わかり、実習生のことも「新しく来た知らない人」と認識できます。ゆっくりと聞き取りやすい声量で、子どもが理解できる簡単な言葉を使って自己紹介しましょう。
・3~5歳児クラス
年長である3~5歳児は、周囲のさまざまなことに興味を持つ年齢です。自己紹介は子どもの集中力が途切れない程度でまとめて、飽きさせないようにしましょう。
自己紹介に簡単な遊びを取り入れると、子どもの興味が続きやすくなります。
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保育実習で行う自己紹介のアイデア例文
自己紹介を子どもの年齢に合わせて考えるといっても、具体的にどのような内容にすればよいかわからない人も多いでしょう。
ここからは、子どもに喜んでもらえる自己紹介のアイデアと例文を紹介します。自己紹介の内容に迷っている人は、自分の使いやすいアイデアを参考にしてみてください。
自己紹介の内容をクイズ形式で出す
自分の名前や好きな食べ物などをクイズ形式で出すやり方は、子どもたちを楽しませられる定番の自己紹介方法です。クイズは必ずヒントも添えて、子どもが答えを当てられるように出題してください。ヒントは口で言うだけではなく、絵に書いたり、ジェスチャーで伝えたりする方法もおすすめです。
ただし、クイズは子どもたちが答えられないと盛り上がらないため、子どもが言葉や事物を認識できる年齢になっているのか、事前に担任の先生方に尋ねておくとよいでしょう。
「先生の好きな食べ物は何でしょうか。ヒントは始まりがバで、終わりはナです」
「おサルさんも好きな食べ物ですよ」(皮を剥くジェスチャーをしながら)
得意なことを取り入れる
自己紹介に自分が得意なことを取り入れると、子どもの興味を引きつけることができます。ピアノやギターなどの楽器演奏が特技であれば、自己紹介とともに演奏してみましょう。
自己紹介に取り入れる得意なことは、子どもたちが興味を持てる対象に置き換えることが大切です。たとえば、マラソンが得意であれば「先生は鬼ごっこが得意です」のように、園児向けの遊びとして紹介してください。
「先生はピアノを弾くことが得意なので、いまから◯◯のうたを弾きます。
先生のピアノに合わせて、みんなも一緒に◯◯のうたを歌ってみましょう」
自分の名前であいうえお作文を作る
自分の名前を一文字ずつ単語に当てはめるあいうえお作文は、自己紹介にぴったりの言葉遊びです。クイズ形式で出題しにくい名前も、あいうえお作文であれば難しくはありません。
名前に当てはめる単語を言うときは、手でジェスチャーして見せたり、絵に描いたりすると子どもたちは楽しんでくれます。
ゆはユキのゆ、うはウサギのう、こはコアラのこです」
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保育実習の自己紹介を楽しんでもらう方法
自己紹介の挨拶には遊びを取り入れて、子どもたちに楽しんでもらうことが大切です。
子どもが興味を持ちやすい手作りグッズを使って自己紹介したり、自己紹介のあとに手遊び歌を取り入れたりしましょう。
ここからは、自己紹介を子どもたちに楽しんでもらう2つの方法を紹介します。
印象に残る自己紹介にする「手作りグッズ」
自己紹介におすすめの手作りグッズは、下記の3種類です。
・ペープサート
絵を書いた紙に棒をつけて動かすペープサートは、子どもたちの興味を引ける手作りグッズです。ペープサートを動かしたり、ペープサートと会話する形式にしたりしながら自己紹介を進めましょう。
・手袋シアター
手袋シアターはかわいいパペットや指人形を動かして自己紹介をしたり、シルエットクイズなどのゲームに使ったりできます。後述する手遊び歌と組み合わせることもおすすめです。
・スケッチブック
絵が得意な人は大きなスケッチブックを自己紹介に使ってみましょう。自分の得意なことや好きなものを絵にして見せると、子どもは紙芝居のように楽しんでくれます。即興で書いても問題ありませんが、導入用に数ページ分を準備しておくとスムーズです。
みんなで歌って盛り上げる「手遊び歌」
自己紹介が終わったあとに子どもたちと歌って遊べる手遊び歌を2つ紹介します。
・「グーチョキパーでなにつくろう」
グーチョキパーで形を作る楽しさを知ってもらえる手遊びです。
子どもたちにも考えてもらうために、最初に「グーチョキパーでなにがつくれるかな」と言ってから歌に入りましょう。
・「はじまるよ」
「はじまるよ、はじまるよ」と手拍子しながら歌って、子どもの注意を引きつけます。
リズムに合わせた数え歌であるため、両手の指で作る数をよく見えるように動かしましょう。
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保育実習当日に自己紹介を上手に話すポイント
自己紹介の内容や取り入れる遊びが決まったら、あとは保育実習当日に自己紹介を成功させるだけです。保育実習当日は子どもを前に緊張せず、自然体で自己紹介することを心がけましょう。
最後に自己紹介の心構えとして、子どもたちに向けて上手に話す2つのポイントを解説します。
子どもがわかる言葉でゆっくりと話す
自己紹介は子どもにただ聞いてもらうだけでなく、理解してもらうことが大切です。
子どもは難しい言葉がまだわからないため、子どもがわかる言葉を選んで使いましょう。
たとえば「◯◯大学◯◯学部からきました、実習生の◯◯◯◯です」と自己紹介しても、子どもは大学や学部、実習生の意味を理解できません。
「わたしは◯◯◯◯です、保育園の先生になるためのお勉強をしにきました」と、自己紹介は子どもがわかる言葉で行ってください。
また、実習生をクラスに迎えた子どもたちは、知らない人を前にして緊張と戸惑いがあります。子どもたちがしっかり聞き取れるように、自己紹介の挨拶ではゆっくりと話しましょう。
自然な笑顔をキープする
保育実習の自己紹介は、子どもたちに親近感を持ってもらう最初の機会です。
子どもたちに優しい先生と思ってもらえるよう、表情は自然な笑顔をキープしましょう。
保育実習ではつい緊張しがちですが、子どもたちの前では笑顔を見せることが大切です。
自己紹介で笑顔をキープする自信がない人は、鏡を見ながら笑顔で挨拶する練習をしましょう。自分では笑顔のつもりでも、目元や口元が笑顔の形になっていないことがあるため、注意してください。
自然な笑顔で自己紹介ができると、緊張していた子どもたちも少しずつ笑顔を見せてくれます。笑顔をキープしたまま、子どもたちに優しく話しかけることが、自己紹介を上手に話すための大切なコツです。
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まとめ
保育実習の自己紹介は、子どもの年齢に合わせた内容にしましょう。保育園では0歳児から5歳児までのクラスがあり、年齢が異なると言葉の理解や遊び方にも違いがあります。担当する子どもの年齢を考えて、自己紹介を工夫することが大切です。
自己紹介のアイデア例としては、名前をクイズ形式にしたり、あいうえお作文にしたりする方法があります。手作りグッズや手遊び歌も用意して、子どもたちが楽しめるようにしてください。
自然な笑顔と、ゆっくりと話すことを忘れず、保育実習の自己紹介を成功させましょう。