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子どもたちと直接触れ合い、実践的なノウハウが学べる保育実習。養成課程の必修科目でもあるこの実習には、保育士を志す多くの学生が期待に胸を膨らませて参加します。

しかし、実際に保育実習が始まると、「つらい」「困った」という思いが先に立ち、どうしてよいかわからないまま逃げ出したくなる人もいます。

そこで今回は、保育実習をつらいと感じる原因5つと、逃げ出したいほどストレスを感じやときの対処法を解説します。つらい保育実習を乗り越えるための考え方も紹介するので、保育実習に不安や悩みを感じている人は、ぜひ参考にしてください。

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保育実習をつらいと感じる原因

保育実習が始まる前は、実際に子どもたちと触れ合い、実践的な保育活動ができることにドキドキやワクワクを感じる人が多いでしょう。しかし、いざ保育実習が始まると、予想以上の忙しさに「仕事がつらい」と感じる実習生も少なくありません。

ここでは、保育実習をつらいと感じる主な原因を5つ紹介します。

日誌を書くのに時間がかかって眠れない

実習日誌を書くのに時間がかかったり、うまく書けなかったりして、日誌自体が負担になってしまう実習生が多くいます。

実習日誌は、1日の保育の流れや子どもの動き、実習生の動きなどを振り返る書類なので、翌朝までに提出するのが基本です。そのため、実習日誌を書き終えるまでは、ゆっくり休むことができません。

また、実習日誌は人に見せることが前提となるため、読みやすい字で書かなければなりません。実習先の保育園によっては「修正ペンの使用はNG」など、実習日誌の書き方が細かく決められていることもあり、そうしたケースでは書式に慣れるだけでひと苦労です。

さらに、実習中ははじめての経験が多いうえに不安や緊張もあるため、1つひとつの出来事を心に留める余裕がありません。そのため、起こったことを思い出せず「何を書けばよいのかわからない」と悩んでしまう人も多く見かけます。

日誌に費やす時間を少しでも減らすために、1日の実習が終わったら、早めに実習日誌を書くようにしましょう。

指導案を考えるのが大変

保育園では、対象となる子どもの年齢や成長度合いによって、どのように働きかけるか、どのような遊びをさせるかなどの対応を設定していきます。そのため保育実習においても、対象年齢に合わせた指導案を作成することが求められるでしょう。

また、指導案を作成する際は、年齢や成長度合いだけでなく、子どもたちの性格にも配慮する必要があります。そのため、指導案の作成に悩み、「期日までに間に合うだろうか」などの不安を抱えてしまうと、保育実習への楽しい気持ちが薄れる傾向にあります。

指導案の作成に時間がかかる場合は、指導してくれる保育士にアドバイスをもらうのがおすすめです。あわせて、厚生労働省が提供している「保育所保育指針解説」や「保育所保育指針」を参考にするとよいでしょう。

元気な子どもたちと遊ぶ体力がない

街中で子どもたちが元気に走り回る姿を見ると、ほほえましく思い、元気を分けてもらった気分になる人も多いのではないでしょうか。

しかし、保育園では元気な子どもたちが、「次は私、次は私」と入れ替わり立ち代わりやってきます。もちろん、そうした姿はとてもかわいいのですが、子どもと同じように遊び続けるには、想像以上の体力が必要です。そして、当然のことながら子どもたちは、大人の疲れ具合など気にも留めません。

実習中は、ただでさえ覚えることが多く、ミスをしないようにと気を張っています。そうしたなかで、何時間も子どもと接していると、知らず知らずのうちに身体的・精神的な疲れがたまってしまい、「つらい」と感じる場面もあるでしょう。

実習先の保育士に気を遣う

実習生にとって、気を遣わなければならない相手は子どもたちだけではありません。人によっては、実習先の保育士に気を遣い、疲れを感じる場面もあるでしょう。

保育園の正式な一員ではない実習生は、何をどこまで踏み込んでいいのか判断できないことが少なくありません。他の保育士が忙しく働いている姿を見て、保育士のサポートをすべきなのか、子どもたちの相手をしたほうがよいのか迷うこともあるでしょう。

その一方で、実習先の保育士も子どもたちの安全を守るため、常に気を張っています。そして、疲れがたまっていたりトラブルがあったりした場合は、実習生のケアまで気が回らずに、つい表情や言い回しがきつくなることもあります。

実習先の保育士とのコミュニケーションに悩んだときは、まわりの実習生や他の保育士に相談して、早めに疑問や不安を解消することが大切です。

メモを取る暇がないほど忙しい

保育実習は観察実習、部分実習、参加実習、責任実習に分かれており、観察実習では保育士や子どもたちの行動をしっかり観察し、細かくメモを取ることができます。

しかし、参加実習や責任実習で自分自身が保育に参加するようになると、少しずつまわりの保育士の動きを観察する余裕がなくなります。実習日誌を書くために気付いたことをメモしたくても、常に子どもたちから目を離せず、メモどころではなくなる場面も増えるでしょう。

メモを取りたいときや時間が必要なときは、指導してくれる保育士にお願いして、少し間だけ子どもたちの世話を代わってもらうのがおすすめです。忙しすぎてつらくならないように、自分から時間を作るための努力・工夫をしてみてください。

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逃げ出したいほど保育実習がつらいときは?

実習生が保育実習をつらいと感じる理由は、人によってさまざまです。前述した5つの理由以外にも、「指導者との相性がたまたま悪かった」というケースも考えられるでしょう。

なかには、あまりのつらさに「辞めたい」「逃げ出したい」と思ってしまう人もいるかもしれませんが、保育実習は保育士の資格を取得するための必修科目。保育実習を投げ出せば、これまでの努力が水の泡となってしまいます。

保育実習は長くても数週間程度であり、何か月も続くものではありません。つらさを感じたときは、「保育実習は保育資格を取得するための、期間限定の苦労」だと考え、悩みすぎないように心がけましょう。

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つらい保育実習を乗り越える考え方のポイント

保育実習にはつらいことも多くありますが、ただ「つらかった」で終わらせるのは、非常にもったいない行為です。身体的、精神的な負担を感じたときは、保育実習に対する見方や考え方をほんの少し変えてみると、保育実習のつらさが緩和できるかもしれませんよ。

以下では、つらい保育実習を乗り越えるためのポイントを2つ紹介します。

保育実習は「将来に必ず役立つ」と考える

保育実習は、将来保育士になった際にどのような保育施設で働き、どのような保育士になりたいかを明確に思い描く助けとなります。

保育園に就職すると、すぐに仕事が振り分けられるため、他の保育士の動きや遊び方を観察して技術を学ぶ余裕がほとんどありません。つまり、現場で「観察すること」や「学ぶこと」に集中できる機会は、保育実習を除くとそう多くないのです。

だからこそ、保育実習で過ごす日々は、机に向かって勉強しているだけでは知りえない知識や技術、楽しさを学ぶ貴重な機会だと言えます。思い通りに進まないことがあっても、できる限り前向きな気持ちで臨むようにしましょう。

不得意なことに「早めに気付けた」と考える

保育実習がつらいと感じたときは、自分にとって「苦手なこと」や「不得意な分野」がわかったときだとも言えます。

保育実習では、子どもへの対応がうまくいかなかったり、日誌の作成に時間がかかったりすることも、けっして珍しくありません。自分の創造性のなさや体力の低さ、段取りの悪さなどに気付くこともあるでしょう。人によっては、子どもへの対応よりも、保育士との意思疎通に頭を悩ませるかもしれません。

しかし、一方で「うまくできるだろうか」と不安に思っていた絵本の読み聞かせが好評だったり、ごっこ遊びが思いのほか喜ばれたりなど、自分自身の意外な一面を発見することもあります。

そして、そうした悩みや気付きは、保育実習を行わなければわからなかったことです。保育実習に参加したことで、自分の不得意なことや苦手なことに気付き、得意なことを伸ばせるチャンスが生まれた。そんなふうにポジティブに考えれば、保育実習のつらさも乗り越えられるのではないでしょうか。

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まとめ

保育実習を「つらい」と感じる実習生は少なくありません。いざ現場に出てみると、養成所で学んだことがうまく生かせなかったり、想定外の場面に対応できなかったりすることが、当たり前にあります。なかには、苦手なものが多いことに気付いて落ち込む人もいます。

しかし、保育実習は子どもたちと直接触れ合いながら、実践的なノウハウが学べる貴重な機会です。加えて、自分の得手不得手を理解して、対策できるチャンスでもあります。

つらいことがあったときは、「保育実習という期間限定の苦労」だと割り切るのが得策です。保育実習を乗り越え、そこで得た多くの学びを将来の保育活動に役に立ててください。