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保育士を目指している学生にとって、保育実習への参加は避けて通れません。
保育実習は、これまで知識として教育を受けてきたことを、実際の保育現場で保育に参加することによって実感として身に付けるための実習です。

そこで今回は、保育実習を始めるまでの流れと、実際に行われる保育実習の実習内容について解説します。
加えて、多くの実習生が頭を悩ませている実習日誌の効率的な書き方や、保育実習を行う上での注意点も紹介するため、ぜひ参考にしてください。

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保育実習を始めるまでの流れ

保育士としての資格を取得するためには、保育所や児童福祉施設での実習が必須です。
まずは、保育実習を始めるまでの流れを解説します。

実習先選定 実習先は、実習生が自分で探さなければなりません。
保育実習を実施している「認可保育園」の中から選んで申し込みましょう。

オリエンテーション依頼 保育実習先に決まった保育園へ直接電話をし、オリエンテーションの実施を依頼します。
依頼の電話をするときは、下記の事項を確認しましょう。
  • オリエンテーションの実施日時
  • 来園方法
  • 当日の服装
  • 持ち物

事前講習 保育学校にて、事前の講習が行われます。

オリエンテーション オリエンテーションは、実際に実習先の保育現場を確認できる機会です。
保育園の構造以外にも、遊具や玩具、絵本の数などに加え、実習開始に向けて下記の事項も確認しましょう。
  • 通勤方法
  • 通勤時の服装
  • 実習時の服装
  • 必要な履物
  • 持ち物
  • 給食費

実習前準備 実習中に担当する子どもの年齢に応じて、準備すべき内容が異なります。
疑問点があれば実習が始まるまでに確認し、解消しておきましょう。

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​保育実習の実習内容とは?

保育実習の実習内容は、下記の4つに分けることができます。

  • 観察実習
  • 部分実習
  • 参加実習
  • 責任実習

保育実習を滞りなく進めるためには、各実習の概要を把握することが重要です。

こでは、4つの保育実習の概要を解説します。
それぞれに異なるポイントを理解してから、実習に臨みましょう。

観察実習

観察実習は、子どもたちと直接触れ合うよりも、子どもたちや保育士が保育園でどのように行動するかを観察・記録する目的で行われる実習です。

子どもの動きや子ども同士の関係性、個々の発達具合などを把握し、保育士として適切な対応が何かを考えながら観察します。

実際に子どもたちが起こす言動の意図や、対応する保育士の言動を記録し復習しながら、自分が実習を行う際の参考にしましょう。

部分実習

部分実習は、区切られた時間内で行われる実習です。
事前に作成した指導計画を基に、指導担当の保育士と相談・協力して実践します。
保育時間の中でも遊びの時間を割り当てられることが多く、実際に子どもとコミュニケーションを取りながら現場感覚を身に付けることが可能です。

部分実習は複数回行われるため、子どもたちを飽きさせないためにも、遊びのレパートリーは多めに用意することをおすすめします。
下記のような遊びを覚えておくと、保育士になった際にも役立ちます。

  • 絵本の読み聞かせ
  • 歌の練習
  • 手遊び
  • ペープサート
  • エプロンシアター
  • 手袋シアター
  • パネルシアター

遊びの時間以外にも、登園前後や昼食からお昼寝の時間までなど、さまざまな保育の場面から数時間ずつ割り当てられることが一般的です。
どの時間帯に割り振られても対応できるよう、事前準備は入念に行いましょう。

参加実習

参加実習は、指導を担当する保育士の補助として、実際の保育現場で子どもたちとかかわる実習です。
補助とは言っても、子どもたちにとっては「実習生」ではなく、「新しい先生」として受け止められるため、責任を持って行動しましょう。

参加実習の最中は指導担当者の指示に従い、一人で判断しないことが重要です。
実習後には自分の対応や子どもたちの反応を踏まえて、気付いたことや次回へ活かすことを記録します。

責任実習

責任実習は全日保育とも呼ばれ、これまでの実習で学んだことを活かしながら作成された指導計画を基に、丸1日を通して保育に参加する実習です。

遊びの時間だけでなく、給食・排泄・着替え・昼寝・健康確認といった、生活全般の知識と対応力が必要となります。
登園から降園までの流れをすべて経験できるため、自分がどの分野に得手・不得手があるかを知ることが可能です。

責任実習で判明した自分の傾向を鑑みれば、今後何を伸ばし、何を克服すべきかが見えてきます。

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​保育実習の進め方|日誌の効率的な書き方

保育実習で参加する一般的な保育園のスケジュールは以下のとおりです。

~9:30 順次登園
自由保育
~10:30 片付け
朝の会
~11:30 設定保育
~12:30 給食
給食片付け
~14:00 昼寝
職員会議
~15:00 設定保育
~16:30 おやつ
自由保育
~17:00 帰りの会
~19:00 時間外保育

早番の場合は6:40頃に出勤し、登園時間に向けて準備を整えます。
実習生が主に参加・観察する時間は、自由保育・設定保育です。
子どもたちがどのように過ごしているか、保育士が対応する様子とともに注視しましょう。
子どもたちが降園したら、保育園内の清掃や翌日の準備を行って1日の終了です。
遅番の場合は、退勤時間が21:00頃となる保育園もあります。

実習中に毎日書かなければならない実習日誌の作成は、多くの実習生が苦労する問題です。
実習中は慣れないことの連続となり、日誌に書ける内容を思い出すことは簡単ではありません。
実習中の出来事や気付いたことは、忘れないうちにメモ帳に書いておきましょう。
保育中のメモが難しい場合は、休憩時間を利用したり、短時間で書けるよう事前にテンプレートを作成しておいたりすることをおすすめします。

また、子どもたち全員を対象とせずに、その日注目すべき子どもを朝の内に数人ピックアップしておくことも有効です。
メモを参考にしながら簡潔にまとめることで、日誌の作成が楽にできます。

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​保育実習を行う上での注意点3つ

最後に、保育実習を行う上で、押さえておくべき注意点を3つ紹介します。

〇必要な持ち物は早めに準備する

実習先の保育園によって、実習に必要となる物はさまざまです。
特に、服装や髪型、爪の長さや付けても良いアクセサリーなどに関しては、細かく指定されている保育園も少なくありません。
実習先に迷惑をかけないよう、エプロンや名札といった、実習中に身に付ける物は事前にすべて用意して確認しましょう。
また、前日までに準備を整えておくことで、忘れ物を防げます。

〇挨拶などのビジネスマナーを守る

保育実習はお客様として訪れるのではなく、職場における業務内容の勉強・体験です。
無断で遅刻・欠勤をしないことはもちろん、きちんと挨拶やお礼ができることも最低限の礼儀となります。
特に言葉遣いに関しては、他の先生方や保護者への失言に気を付けるだけでなく、子どもたちへの影響となることも念頭に置いて、お手本となる言葉を選びましょう

〇積極的に子どもたちとかかわる

実習生に積極性があるかは、保育実習における評価の大きなポイントです。
短期間とは言え、「子どもたちと仲良くなろう・より多くのことを学ぼう」とする姿勢は、実習先の職員相手だけでなく子どもたちにもしっかりと伝わります。
明るく笑顔で接してくれる先生の周りには、自然と子どもたちが集まってくるでしょう。

上記の注意点を押さえて実習に臨むことで、実習先や子どもたちと余計な軋轢を生むことなく自然に輪へ入ることができ、多くのことを学べます。

また、就職先が実習先に決まった場合にも、実習で良い印象を抱かれていれば、職場から歓迎されて仕事がやりやすくなるでしょう。

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まとめ

保育実習を行う実習先は、実習生が自分自身で受け入れ先を探して申し込まなければなりません。
実習先が決まったら、電話でオリエンテーションを依頼し、実習に向けて準備を整えましょう。

保育実習では、職場から実習生として見られると同時に、子どもたちからは新しい先生の一人として認識されます。
指導担当の保育士の指示に従いながら、責任感を持って保育の現場に臨むことが大切です。
ビジネスマナーを守り、積極的に子どもたちと関わりながら、実りある保育実習を送ってください。