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岡山県は、北部に自然豊かな山や温泉、県南部に穏やかで美しい瀬戸内海が広がっています。 県の人口の約63%が岡山市と倉敷市に集中しており、岡山市と倉敷市は特に保育ニーズの高い地域です。

(出典:岡山県「市区町村住民基本台帳人口」/ https://www.pref.okayama.jp/page/detail-58070.html

(出典:岡山県「県内保育所等の現状について」/ https://www.pref.okayama.jp/uploaded/attachment/262766.pdf

当記事では、岡山県における保育士の平均年収・保育士の平均年収が高い市区町村・エリアによって給料に差が出る理由を解説します。 岡山県が実施している、保育士向けの支援・補助制度についても紹介するため、ぜひ参考にしてください。

【岡山県】保育士の給料相場|全国平均との比較

岡山県における保育士の給料相場は、全国と比較して約30万円下回ります。以下は、岡山県・全国で働く保育士の給料に関するデータです。

平均年収 平均月収(賞与含めず) 手当・賞与
全国 約374万円 約25.0万円 約74.7万円
岡山県 約325万円 約23.1万円 約48.0万円

(出典:厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」/ https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2020/index.html

手当・賞与面の相場だけを見ると、かなり低く見えるものの、令和元年度の調査では岡山県は全国平均よりも約75万円と高い数値でした。調査年度によって金額は前後することが多いので、大きく気にすることはありません。

また、中国地方で比較すると、広島県で働く保育士の平均年収が約360万円・山口県が約347万円・鳥取県が約355万円となっています。

(出典:厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」/ https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2020/index.html

ただし、平均年収や平均月給、手当・賞与の金額はあくまでも参考数値です。 職場によっては全国の平均年収を超えることも可能であり、経験者募集の求人であれば、手当込みで月給が26万円以上となる施設も存在します。

岡山県内で違いはある?保育士の給料が高い市区町村はどこ?

岡山県と首をかしげる女性

同じ岡山県であっても、市区町村によって保育士の給料に差があります。

以下の表は、岡山県の中でも保育士求人が多い地域における給料データです。 マイナビ保育士に掲載されている求人情報を参考に作成しています。

岡山市 倉敷市 赤穂市 総社市 笠岡市
年収 約320万~420万円 約270万~420万円 約290万~370万円 約290万~320万円 約270万~340万円
月収(※) 約20万~26万円 約17万~26万円 約18万~23万円 約18万~20万円 約17万~21万円

(※)手当・賞与分を含めていません

岡山県内で最も平均給料が高いエリアは、岡山県の県庁所在地で政令指定都市に指定されている岡山市です。年収・月収ともに他の地域と比べると高い水準であり、岡山県全体の保育士年収を引き上げていると言えます。

岡山市に次いで人口が多い倉敷市は、職場によって年収と月収の差が大きいという特徴があります。

(出典:岡山県「市区町村住民基本台帳人口」/ https://www.pref.okayama.jp/page/detail-58070.html

赤穂市・総社市・笠岡市における保育士の平均給料は、岡山市と倉敷市に比べるとやや低めの傾向です。 赤穂市・総社市・笠岡市の場合は、平均年収・月収ともに給料の幅が狭く、職場による収入の差が比較的少ないことが分かります。

エリアにより給料に差が出る理由

同じ岡山県でもエリアによって保育士の給料に差が出る理由は、人口・地価・保育士需要などが地域によって異なるためです。 特に、保育士の平均給料に大きな影響を与えている要素は、「保育士需要」と考えられます。

2019年4月時点の待機児童数は、岡山市が353人・倉敷市が143人となっていました。 他の市区町村における待機児童数は20の地域で0人、倉敷市に次いで待機児童数が多い備前市で46人です。なお各市の努力もあり、2021年度も含め、待機児童数は減少傾向となっています。
また、人口が多い岡山市・倉敷市は、公立と私立の保育所や認定こども園を合わせると90箇所以上あるのに対し、その他の地域は10箇所を超える市区町村が限られています。

(出典:岡山県「県内保育所等の現状について」/ https://www.pref.okayama.jp/uploaded/attachment/262766.pdf

過去に待機児童数が多く発生していたことや保育所・認定こども園の施設数から考えると、岡山市・倉敷市の保育士需要は非常に高く、その分保育士の平均給料も高い傾向になっています。

また、地価に関しても、岡山市で最も地価公示価格が高い地域は、岡山駅前の1,520,000円/m²です。 一方で、総社市の地価公示価格の最高は、総社市駅前の68,300円/m²となっています。

地価の高い地域は平均給料も高くなる傾向があるため、保育士に限らず平均給料が高い地域を探すうえで、一つの指標とすると良いでしょう。

(出典:岡山県「令和2年地価公示結果について」/ https://www.pref.okayama.jp/page/653344.html

岡山県で実施!保育士に対する「支援・補助制度」とは

岡山県の景色と女性

岡山県では、保育士に対する独自の支援制度や資格取得の特例制度を設けています。 支援・補助制度の充実も寄与して、岡山県では2017年度から待機児童数が減少傾向にあります。

(出典:岡山県「県内保育所等の現状について」/ https://www.pref.okayama.jp/uploaded/attachment/262766.pdf

以下では、岡山県が行う保育士支援・補助制度として「岡山県保育士就職準備金貸付制度」と「保育士資格取得特例」の2つを紹介します。

岡山県保育士就職準備金貸付制度

「岡山県保育士就職準備金貸付制度」は、保育士の資格を持っているものの、保育士として勤務していない「潜在保育士」の方を対象とした就職支援制度です。 保育士としての再就職を支援して、保育人材を拡充することを目的としています。

以下は、岡山県保育士就職準備金貸付制度の要件です。

貸付対象者 (次の要件をいずれも満たす方)
・以下の施設又は事業を離職した方又は勤務経験がない方
保育所、幼保連携型認定こども園、家庭的保育事業、小規模保育事業、事業所内保育事業、幼稚園
・保育所等で新たに勤務する方(週20時間以上の勤務が必要)
貸付額 40万円以内(1人1回限り)
・無利子(ただし、場合によっては、延滞利子が発生することがあります)
就職準備金の使用例 ・保育所等への就職によって転居が伴う場合における転居費用
・転居先の賃貸物件の借り上げに伴う礼金や仲介手数料
・保育所等で使用する被服費
・保育所等の勤務に復帰するに当たり研修等を受けた際の研修費用
・保育所等への通勤に要する移動用自転車等の購入費 など
連帯保証人 1名

(引用:岡山県「保育士就職準備金貸付制度」/https://www.pref.okayama.jp/page/432482.html/引用日2022/03/10)

貸付対象者になるためには、上記の要件をすべて満たす必要があります。

原則無利子で最大40万円が支給されるだけでなく、岡山県内の保育施設において2年間継続して保育業務に従事した場合、貸付金の返還の債務が免除となります。 また、保育士就職準備金貸付制度は、正社員・派遣・パートなどの雇用形態に関係なく利用可能です。

保育施設の先生やスタッフとして復職を考えている場合は、積極的に岡山県保育士就職準備金貸付制度を利用すると良いでしょう。

岡山県保育士就職準備金貸付制度を利用することで、就職・再就職にかかる金銭的負担を軽減できます。

保育士資格取得特例

「保育士資格取得特例」は、幼稚園教諭から保育士へのキャリア転換をサポートする特例措置です。幼稚園教諭の有資格者で、幼稚園などにおいて一定の実務経験がある方を対象としています。以下は、保育士資格取得特例の要件です。

対象者 特例対象者は、幼稚園教諭免許を有する者であって、次の施設において「3年以上かつ4,320時間以上(4,320時間は実労働時間)」の実務経験を有する者です。
実務経験は複数施設における合算でも可能です。
実務経験の対象施設 1.幼稚園(特別支援学校幼稚部を含む)
2.認定こども園
3.保育所
4.小規模保育事業(A型及びB型に限る)
5.事業所内保育事業
6.公立の認可外保育施設
7.へき地保育所
8.幼稚園併設型認可外保育施設
9.認可外保育施設指導監督基準を満たす旨の証明書が交付された認可外保育施設
ただし、9は次の施設を除きます。

ア:当該施設を利用する児童の半数以上が一時預かり(入所児童の保護者と日単位又は時間単位で不定期に契約し、保育サービスを提供するもの)による施設
イ:当該施設を利用する児童の半数以上が22時から翌日7時までの全部又は一部の利用による施設

※アは県等が監査等において確認できた日における利用児童のうち一時預かりの児童が半分以上を占めている施設。
特例制度による免除科目等 保育士試験のうち筆記試験3科目(「保育の心理学」、「教育原理」及び「保育実習理論」)と実技試験が免除されます。

また、大学等(指定保育士養成施設)で実施される特例制度における4教科を修得すると、修得した教科に応じて、さらに試験科目が免除されます。(4教科すべてを修得した場合には、保育士試験の全科目が免除されます。)

(引用:岡山県「保育士資格取得特例」 https://www.pref.okayama.jp/page/379347.html/引用日2022/03/10)

通常、保育士資格を取得しようとした場合、通学のための費用・時間が必要です。 しかし、保育士資格取得特例を利用することで、保育士試験における筆記試験・実技試験が免除されます。

一から資格取得を目指すよりも短時間で保育士資格を取得でき、学費や通学の負担を減らすことが可能です。

幼稚園教諭から保育士へのキャリア転換が円滑になるため、就職・転職の幅も広がります。

まとめ

岡山県の保育士の平均年収は、全国における保育士の平均年収を下回ります。 ただし、待機児童を多く抱える岡山市や倉敷市では、保育士の需要が高く、岡山県内の他エリアと比べると年収・月収の相場が高い傾向にあります。

また、岡山県独自の保育士支援・補助制度を活用することで、スムーズな就職・再就職を行うことが可能です。

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※当記事は2022年3月現在の情報を基に作成しています

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