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保育士として就職や転職を検討している人が、保育園探しをする中で情報源として役立つものが「求人票」です。求人票には、勤務地や給与をはじめ賞与や福利厚生など、働くうえで重要となる情報が詳細に記載されています。

そのため、自分に合った保育園と出会うためには、求人票を正しく理解することが大切です。

当記事では、保育士の求人票の見方やチェック時に注意すべきポイントについてわかりやすく解説します。保育士の求人を探している人や、求人票の見方を知りたい人は、ぜひ参考にしてください。

【項目別】保育士の求人票の見方

求人票とは、求職者向けに保育園側が公表しているもので、仕事概要をはじめ給与や福利厚生などの応募要件が詳細に記載されています。

自分に合った保育園に出会うためには、すべての項目もしっかりと目を通し、正確に情報を読み取ることが重要です。

ここでは、求人票の正しい見方と項目ごとのチェックポイントを解説します。

勤務地

「勤務地」の項目には、実際に働く職場の住所が記載されています。

中には、最寄りの駅名や最寄り駅からどれぐらいの時間を要するかを記している場合もあります。

●チェックポイント

通勤時間は、自宅から1時間以内の場所で探すことがおすすめです。

保育士の仕事はシフト制を導入しているケースが多く、勤務地から1時間ほどの場所に住んでいても早番の場合はかなり朝早い時間に出勤しなければなりません。

遅番の場合も同様で、20時に施設を出られても帰宅は21時頃となり、十分な睡眠時間を確保できない可能性もあります。

生活リズムにゆとりが持てる勤務地を選ぶようにしましょう。

施設形態

保育士の勤務先には、認可保育園・認定こども園・企業主導型保育園など、さまざまな施設形態があり、募集している園の施設形態が記載されています。

●チェックポイント

保育園の施設形態によって、就業時間や仕事内容、預かる子どもの年齢などが大きく異なります。

例えば、一般的に認可保育園では日曜・祝祭日はお休みですが、企業主導型保育園の場合は日曜・祝祭日でも運営しているケースもあります。

希望している働き方が実現できる形態の保育園を選ぶことが大切です。

雇用形態

正社員・契約社員・パート・アルバイトなど、募集している雇用形態について記載されています。

●チェックポイント

正社員は雇用期間が定められていないため、自分から退職したり解雇されたりしない限り長期間安定して働けるうえ、しっかりと稼ぐことが可能です。

一方で、パートやアルバイトは正社員と比較すると勤務時間が少なく、給与も比例して少なくなるものの、ライフスタイルに応じた働き方が実現できます。

雇用形態を見間違えないように注意して応募しましょう。

応募資格

求人に応募するにあたり、必要となる資格や免許の種類、経験などが記載されています。

●チェックポイント

保育園で働く場合、保育士資格の所有を必須としている求人もありますが、それ以外の求人も少なくありません。

未経験者や新卒の人は「未経験可能」または「新卒可」と記載されている求人、保育士経験がある人やキャリアアップを狙っている転職者であれば「経験者優遇」の記載がある求人を選ぶことで、就職・転職しやすくなるでしょう。

また、特定の資格取得を保持している場合は、その資格名の記載がある求人を選ぶことがおすすめです。資格手当がもらえる場合もあるでしょう。

給与・手当

給与・手当の項目欄には、額面で記載されているケースがほとんどです。

額面は事業者側から支給される1ヵ月分の総支給額のことであり、約20%は社会保険料として差し引かれます。

●ポイント

求人票にある月収は、一般的に基本給と手当の合算金額であるため、手取り額ではない点に注意が必要です。

手当額は手当の数や内容によって変わるため、求人票では手当額についても記載がなされているかチェックするようにしましょう。

待遇・福利厚生

社会保険をはじめ、賞与や昇給、交通費などについて記載されている項目です。

この項目内に退職金制度が記載されているケースもあります。

●ポイント

社会保険完備と記載がある場合、健康保険・厚生年金保険・雇用保険・労災保険の4種類の保険に加入できます。しかし、正社員でも社会保険が完備されていない場合もあるため、必ず社会保険について確認するようにしましょう。

また、社員とパートでは加入できる保険の種類も異なるため、相違についても確認が必要です。

就業時間

業務にあたるための就業時間が示されている項目です。

●ポイント

勤務形態はシフト制を採用している保育園がほとんどですが、中には園側が行事や時期に合わせて労働時間を決定する変形労働時間制を採用している施設もあります。

保育施設の通常勤務は8時半から17時過ぎであるケースがほとんどです。早番や中番、遅番などの当番日は園ごとに就業時間が異なるため、注意が必要です。

当番日は基本休むことができないため、プライベートを重視したい場合は当番日が少ない施設を選ぶようにしましょう。

また、「残業少なめ」や「残業なし」の定義も施設によって異なる点に注意してください。

休日・休暇

休日は、園側が定めた労働しない日のことで、日曜日や祝祭日などが挙げられます。

一方、休暇は本来労働日ではあるものの、従業員が申し出ることで休みとなる日を指します。

●ポイント

どれぐらい休日があるのかは、年間休日日数で確認します。休日が多いほうがよい場合は、年間休日日数125日程度を目安に選ぶことがおすすめです。

休暇においては法定休暇と特別休暇の2種類があり、それぞれ内容が異なります。

法定休暇の年次有給休暇や介護休暇・産前産後休暇は今後重要となるため、確認しておくようにしましょう。

保育士の求人票を見るときに注意すべき点

求人選びで後悔しないためには、求人票を正しく読み取るだけではなく、注意点を把握しておくことも大切です。

ここからは、求人票を見るときに注意しておくべき点を2つ紹介します。求人票を見るときは、以下の内容も見落とさないようにぜひチェックしてください。

福利厚生の実施率・休暇の消化率

職場探しをするうえで、「福利厚生が充実しているか」「休暇制度が整っているか」といった点は重要なポイントとなります。しかし、福利厚生制度や休暇制度があるとはいえ、実際に実施・消化できる職場環境にあるかどうかはまた別問題です。

例えば、求人票に「産休育休制度あり」の記載がある場合でも、取得率が著しく低かったり、職場復帰率が低かったりするケースも存在します。

各種制度の有無だけではなく、実際に利用できるのか、これまでに実績はあるのかなども併せて確認することが大切です。

基本給と固定・みなし残業代のバランス

保育施設によっては、月給の中に一定時間分の固定・みなし残業代が含まれている場合があります。

固定・みなし残業代は、月あたりの残業時間が少ない場合でも変わらず固定残業手当が支払われることが特徴です。また、所定の時間を超えた場合においては、別途時間外手当が追加で支払われる仕組みとなっています。

しかし、中にはみなし残業時間が長めに設定されていて、日常的に残業を強いられてしまうケースもあります。

「勤務時間は長いのに、給料に見合っていない」といった不満にもつながりかねないため、何時間分のどれぐらいの残業手当額となるのかを事前にしっかりチェックするようにしましょう。

まとめ

求人票から募集内容を正しく読み取ることは、自分に合った就職先を探すうえで重要です。

求人票の記載内容の中には、難しい単語や聞きなれない言葉が用いて表記されている場合も少なくありません。

求人票の見方を誤ってしまうと、実際に働き始めてからイメージとのギャップが生まれてしまう恐れがあります。

自身の描く理想に、より近い労働条件で就職・転職するためにも、今回の記事で紹介したポイントや注意点を踏まえたうえで求人票をチェックしてください。