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転職先を探している最中や転職先が決まったあとに、在職証明書を求められることがあります。在職証明書は保育士の転職に必須の書類で、スムーズに手続きを行うためには早めの請求が重要です。

そこで今回は、保育士の転職で在職証明書が必要な理由や、在職証明書の入手方法、郵送で在職証明書を請求する際の注意点について解説します。転職で在職証明書が必要となった保育士の方はぜひ参考にしてください。

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在職証明書とは

在職証明書とは、在職中の従業員や退職済みの元従業員が勤務していた事実を証明するため、企業によって発行される書類です。

在職証明書は法的な発行義務がなく、企業が任意で作成します。従業員が企業に依頼した場合に在職証明書が発行されることが一般的です。

ここでは、在職証明書が保育士の転職時に必要となる理由について解説します。

保育士の転職に在職証明書が必要となる理由

保育士の転職に在職証明書が必要となる理由は、公的な書類によって保育士の実務経験年数を証明するためです。

認可保育園が保育士を雇って給与を支払う場合、自治体や行政から補助金を受け取ることができます。認可保育園への補助金には処遇改善手当と呼ばれる仕組みが導入されていて、保育士の実務経験年数やスキルに応じてより高い金額の受け取りが可能です。

ただし、保育士が自ら書いた履歴書や職務経歴書は、経歴詐称のリスクもあるため、処遇改善手当の申請には使えません。そこで、実務経験年数が客観的に証明できる在職証明書が保育士の転職時に使用されます。

保育士として複数回にわたって転職をしている場合は、すべての認可保育園における在職証明書が必要です。

転職先が認可保育園でない方や、これまでに認可保育園で働いたことがない方は、在職証明書を提出しなくてよい場合もあります。

保育士の処遇改善手当とは

保育士の処遇改善手当とは、給与や待遇を改善し保育士不足を解決するために、内閣府によって実施された制度です。保育士の処遇改善手当は、認可保育園が支給対象となっています。

保育士の処遇改善手当には2種類があり、認可保育園における実務経験年数に応じた給与の改善手当は「処遇改善等加算Ⅰ」と呼ばれます。

処遇改善等加算Ⅰでは、従業員1人あたりの平均経験年数に応じて、補助金の加算率が2%~12%に設定されます。さらに、賃金改善及び実績報告の提出と、基準年度からの賃金改善を行っている事業者は、5%~6%の賃金改善要件分が加算される対象です。

ただし、職務内容に応じた賃金体系の設定や、研修機会の確保などのキャリアパス要件を満たしていない場合は、賃金改善要件分から2%が引かれます。

(出典:内閣府「平成30年度子ども・子育て支援新制度市町村向けセミナー資料」/ https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/administer/setsumeikai/h300820/pdf/s1-1.pdf

認可保育園が処遇改善手当を受ける際は、保育園の運営者による受給手続きが必要です。

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在職証明書の入手方法

証明書

在職証明書は、非常勤やパートとして仕事をしていた職場であっても、将来転職する場合に備えて極力請求しましょう。認可保育園における勤務実績なら、雇用形態が正社員でない場合も保育経験年数として考慮される場合があります。

在職証明書の請求方法は、直接受け取りまたは郵送による依頼の2通りです。

退職日に受け取る

在職証明書を退職日に受け取る際は、退職が決まった時点で就業先の担当者に依頼をしておくと、スムーズに入手できます。保育施設の人事や総務担当者に相談して、在職証明書を退職日に受け取りたい旨を伝えましょう。

退職日に在職証明書を受け取る場合、保育施設によっては自分で在職証明書の書面を作成するケースもあります。在職証明書の記載事項は、発行依頼者の氏名や生年月日、勤務期間、担当業務などです。必要事項を記入したうえで、保育施設の担当者から書類発行元の証明印をもらってください。

郵送で受け取る

在職証明書を事前に依頼していても退職日までに間に合わなかった場合や、退職後に請求する場合は、郵送で依頼して受け取ることとなります。

在職証明書を郵送で請求する際は、依頼書や返信用封筒、切手などの用意が必要です。在職証明書の様式には法的な決まりがないため、転職先で所定の様式がある場合には受け取り、依頼書を同封しましょう。

また、所定の様式に沿った在職証明書の発行を依頼したい旨を書いて同封すると、保育施設の担当者がスムーズに作業を進められます。

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在職証明書を郵送請求する際の注意点3つ

郵送依頼した在職証明書を受け取ったら、コピーをとっておくことが大切です。もし、保育施設が閉鎖してしまった場合には、在職証明書を再度請求することはできません。

また、在職証明書を郵送請求する際は、次に挙げる3つのポイントに気を付けて手続きを行いましょう。

依頼書を作成する

在職証明書を郵送請求する際は、下記の項目について記入漏れがないよう記載した依頼書を同封します。

宛名 書類の左上に、在職証明書の発行を依頼する保育施設名を記載。依頼先の施設名は省略せず、正式名称で書く。
依頼書の作成年月日 書類の右上に、依頼書を作成した年月日を記載する。
書類のタイトル 書類の上段中央部に、在職証明書の発行を依頼したい旨を記載。「在職証明書発行のお願い」など、簡潔かつ分かりやすく書く。
前文 依頼文の書き出し部分に「謹啓」「拝啓」などの頭語を記載する。
頭語から1文字空けて、季節に合わせた挨拶文を書く。挨拶文の作成に自信がない場合は、すべての季節で使用できる挨拶文を用いる。
主文 前文から続けて、「さて」などの起辞を挟んだうえで、依頼書の要件として下記の項目含めた文章を記載する。

・書類の郵送先(保育士の自宅住所と郵便番号)
・必要な発行部数
・希望する返送期間
末文 主文のあとに、「この度はお手数をかけし申し訳ございませんが、何卒宜しくお願いします。」などの文章と、「敬具」などの結語を記載する。
差出人 書類の最下部に、差出人の情報として氏名、住所、連絡先電話番号を記載する。

依頼書の文面は、挨拶文などの形式にこだわりすぎず、要件が正しく伝わることを重視して作成しましょう。

また、在職証明書の必要発行部数は、提出先から事前に確認し正確な情報を記載してください。希望する返送期間については、保育施設側にとって無理のない期限を指定すると、トラブルが避けられます。

時間がかかる場合がある

在職証明書の発行には時間がかかる可能性があり、前職の保育施設と転職先の双方に迷惑をかけないためには、早めに依頼することが大切です。特に前職の保育施設が人手不足の場合や、行事が多く忙しい時期は在職証明書の発行に時間がかかります。郵送依頼はできるだけ早いタイミングで行いましょう。

もし、依頼後しばらく時間が経過しても在職証明書が送られてこないときは、転職先の保育施設スタッフや転職エージェントなどに仲介を依頼することも手段の1つです。

事前に電話連絡を入れる

郵送で在職証明書の発行を依頼する際は、退職した保育施設に対して事前に電話連絡を入れておくと、スムーズに手続きができます。

事前の電話連絡で伝えるべき内容は次の通りです。

・新しい勤務先が決まったこと
・在職証明書の発行をお願いしたいこと
・郵送で発行依頼の書面が入った封筒を送ること
・電話を切るにあたっての丁寧な挨拶

郵送で送る封筒には、在職証明書の返送用封筒を同封した旨も伝えると、より親切な印象となります。また、電話を切る際の挨拶では、「お手数をおかけしますが、宜しくお願い申し上げます」などの言葉を伝えましょう。

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まとめ

在職証明書は企業に在職していることを証明するための書類で、保育士が転職活動を行う際に必要となる場合があります。

在職証明書は正社員だけでなく、非常勤やパートでも請求できる書類です。退職が決まった時点で在職証明書の発行を依頼して退職日に受け取るほか、退職後に郵送で受け取ることもできます。

在職証明書を郵送請求する際は、依頼書の作成が必要です。時間がかかる場合があるため早めに依頼し、郵送以外に電話でも事前の連絡を行いましょう。