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「社会保険完備」は、保育士の求人票でもよく目にする記載です。しかし、実際はどのような制度なのかよく知らないまま、求人に応募している人は多いのではないでしょうか。社会保険には4種類があり、すべてが揃っていないと「社会保険完備」とはいえません。

今回は、保育士求人における「社会保険完備」の意味と、社会保険完備の職場がおすすめの理由を解説します。各種保険の種類や条件もまとめているため、これから保育業界への就職や転職を考えている人は、ぜひ参考にしてください。

「社会保険完備」の意味と種類

保育士の求人において「社会保険完備」と記載している求人情報は少なくありません。「社会保険完備」とは、その保育園に入社したときに、雇用保険・健康保険・労災保険・厚生年金保険のすべてに加入できることを指します。

ここでは、4つの社会保険の概要を解説します。

雇用保険

雇用保険は、労働者の雇用の安定を助けるための保険で、いわゆる失業保険のことです。正社員だけでなく、パートやアルバイトなどの非正規雇用でも、同じ職場で31日以上継続して週20時間以上勤務する人は、雇用保険への加入が義務付けられています。

雇用保険に加入していた場合、離職から一定期間は失業手当が支給されます。早期に再就職が決まると再就職手当が支払われるほか、雇用保険には育児休業給付や介護休業給付などの制度もあるため、育児や介護などの理由で休業する場合も手当を受け取ることが可能です。

健康保険

健康保険とは医療保険制度のことで、病気や怪我の治療を受ける際に治療費の一部を保険でカバーできます。健康保険に加入していないと治療費が高額となりますが、健康保険の加入者は比較的安価に治療を受けられます。健康保険は加入者の扶養家族も対象です。

また、健康保険に加入していれば、出産手当金や出産一時金なども受け取れるため、医療以外にも大きなメリットを得られます。いずれ出産を考えている保育士であれば、健康保険に加入できる職場を選ぶと安心でしょう。

労災保険

労災保険は労働者災害補償保険の略称で、就業中や通勤中など、業務中における何らかのトラブルによって病気や怪我をした際に治療費が給付される保険です。後遺症が発生し、長期にわたって休業を余儀なくされた場合も補償が出ます。

ただし、労災の認定を受けるためには条件があります。 基本的には業務内に起きた事故に対して補償が出るため、保育士の職業病ともいえる腰痛などは労災の適用外です。職場に申請しているルート以外の通勤経路で事故に巻き込まれた場合も、労災として認められない可能性があります。

厚生年金保険

厚生年金保険は、国民年金をベースに、さらに年金額を上乗せすることができる制度です。厚生年金保険料の半額は会社側が負担してくれるため、金銭的な負担を軽減したうえで将来受け取る年金額を増やせます。

保育士の場合、私立の保育施設や企業に属している人は厚生年金保険に加入します。公立の保育園や認定こども園などに勤務している保育士は公務員扱いとなるため、厚生年金保険の代わりに共済組合への加入が必要です。

社会保険に加入できる条件とは?

ノート

保育士が社会保険に加入できる条件は、保険の種類や雇用形態により異なります。そのため、労働形態によってはすべての社会保険に加入できるとは限りません。

下記は、保育士が社会保険に加入するための条件をまとめた表です。

雇用形態 正社員またはフルタイム勤務の契約社員
すべての加入条件を満たしているアルバイトやパート
労働時間 週20時間以上
給料 月給8.8万円以上
雇用期間の見込み 1年以上
従業員数 501人以上
※500人以下の場合は、労使間の合意が必要
その他 条件を満たしていても、学生は社会保険に加入不可

上記の条件は職種や勤務地を問わず、全国共通です。社会保険の加入目安は、週3日勤務の場合で1日7時間以上、週5日勤務の場合で1日4時間以上働いている人となります。常勤の正社員はもちろん、条件さえ満たせばアルバイトやパートでも社会保険に加入することはできます。社会保険の加入を希望している人は、応募要件をよく見て「社会保険完備」の求人を選びましょう。

ただし、社会保険の種類によって細かな加入条件が異なります。

・労災保険
社会保険の中で労災保険は、正社員・アルバイト・パートなどの雇用形態は関係なく、基本的に全員が加入する必要があります。

・健康保険と厚生年金保険
健康保険と厚生年金保険はさらに加入条件が高く、約30時間以上働く場合に加入することができます。勤務時間が週30時間未満でも、従業員501人以上の事業所で週20時間以上働いているなどの諸条件を満たせば、健康保険と厚生年金保険に加入することは可能です。
ただし、毎月の給与から保険料が天引きされることから、保険に加入すると手取り額は減ります。加入は必須ではないため、毎月の手取りを優先するか、将来年金を多く受け取るか、自分の生活に合わせて選択することをおすすめします。

社会保険を完備している保育園の特徴

社会保険を完備している保育園や幼稚園は、福利厚生が充実している傾向にあります。具体的には、下記のような特徴が挙げられます。

・年間休日が多い
社会保険完備の勤務先は、年間休日が多めに設定されている場合がほとんどです。週休2日や土日祝休みとしているだけでなく、年末年始やゴールデンウイークには長期休暇があり、年間休日が120日を超えるところもめずらしくありません。持ち帰り仕事や残業も少なければ、ゆとりのある働き方が実現するでしょう。

社会保険を完備していることは、法令を守る意識があることを意味します。有給休暇制度もきちんと整えていることが多く、「忙しくて有給休暇を消化できない」という職場環境ではないため、初年度から安心して有給休暇を取れるでしょう。

・育休・産休の取得実績がある
福利厚生が充実している職場は、職員が働きやすい環境が整っている傾向にあります。育休や産休の取得実績が多く、子育てのブランク明けに復帰する割合も高めです。産休や育休だけでなく介護休暇を備えている職場も増えており、仕事とプライベートを両立しながら活躍できるでしょう。

ただし、求人票には「産休・育休あり」と記載していても、事業所によっては取得実績がなく、実際には休暇を取得できないこともあります。本当に産休や育休を取得できるのか不安に感じたときは、産休・育休の取得率をチェックしてみましょう。

このように、社会保険を完備しているかどうかは、その保育園が働きやすい職場なのかチェックする指標としても役立ちます。保育園の求人を探す際は社会保険の有無だけでなく、福利厚生の各種制度も併せて確認しましょう。

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まとめ

保育士の仕事を長く続けたい場合は、社会保険完備の職場がおすすめです。社会保険には4種類があり、すべての保険を備えていなければ「社会保険完備」とはいえません。健康保険や厚生年金保険などに加入すれば、多数のメリットが受けられます。また、社会保険完備の職場は福利厚生も充実していることが多いため、応募の際は求人票をしっかり確認しましょう。

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