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「勤務先の保育園では業務の忙しさや職場の雰囲気から、有給休暇を満足に取得できていない」という保育士は少なくありません。しかし、他の業種と同じく、保育士も福利厚生の一環として有給休暇を取得する権利は当然あります。

当記事では、保育士の有給休暇の実態や保育士が有給休暇を取得するポイント、有給休暇を取得しやすい保育園の特徴を紹介します。有給休暇の取得で悩んでいる保育士や、有給休暇を取得してワークライフバランスを保ちたい方は、ぜひ参考にしてください。

保育士は有給休暇を取得できる?

有給休暇を取得できていない保育士で、保育士は有給休暇の取得はできないと思い込んでいる方も多いでしょう。

有給休暇は、正式名称を「年次有給休暇」と呼び、勤続期間に応じた休暇を有給で取得することができる制度です。2019年4月より労働者の有給休暇の取得は義務化されており、業種にかかわらず年5日以上の有給休暇を取得することができます。もちろん保育士も例外ではないため、有給休暇を取得することができます。

続いて、保育士の有給休暇取得の実態について解説します。2016年の全国保育協議会の資料によると、正規職員として働く保育士の有給休暇の平均取得日数は、下記のとおりです。

有給休暇の取得日数 有給休暇の取得率
2日以内 2.9%
3~6日 31.3%
7~9日 28.8%
10~15日 25.3%
16~20日 6.8%
21日以上 1.4%

(出典:厚生労働省「社会福祉法人全国社会福祉協議会全国保育協議会」/ http://www.zenhokyo.gr.jp/cyousa/h29_06/201706.pdf

上記の表から、3~9日という少ない日数が多くを占めているものの、ある程度の有給休暇は確保できていることがわかります。

ただし、上記は保育園全体の平均であり、公設公営・公設民営・民設民営すべてを含んだデータです。民間になるほど、有給取得実績は少なくなる傾向にあります。極端に有給休暇の取得率が低いわけではありませんが、保育士が満足に有給を取得できる状況となるためには、改善の必要があると言えます。

保育士が有給休暇を取得するためには?

カレンダー

有給休暇は法令で義務付けられていますが、保育士が有給休暇を取得する際は、自分本位で取得せず園のスケジュールや周囲に配慮することが重要です。

ここでは、保育士が有給休暇をスムーズに取得するためのポイントを紹介します。有給休暇をなかなか取得できずに悩んでいる保育士は、ぜひ参考にしてください。

年度末や行事前以外で有給休暇を申請する

保育園では、複数の保育士が役割分担をして日々の仕事を行っているため、年度末や行事前などの忙しい時期に有給休暇を申請すると、周囲からの反発を招く可能性があります。

忙しい時期を避けて有給休暇を申請することで、周囲からの反発を回避できるうえ、休暇を取得しやすくなります。

保育士の仕事を長く続けるためには、周囲との円滑な人間関係を保つことも重要であるため、有給休暇の取得においても保育園のスケジュールや状況には留意しましょう。

お盆やお正月などの長期休暇に有給休暇を申請する

保育園が忙しい時期を避ける反対の考え方として、世間的な長期休暇に合わせて有給休暇を申請することもおすすめです。

お盆やお正月といった長期休暇の時期は、保護者も休みであることが多いため、保育園で預かる子どもの人数も少なくなる傾向があります。有給休暇を取得したとしても、周囲への負担も少なくて済むでしょう。

また、長期休暇に合わせて有給休暇を取得することで、まとまった休みを確保できるメリットもあります。

勤務先に有給休暇の計画的付与を提案する

保育園業務の負担が大きく有給休暇の申請が難しい場合は、勤務先の保育園に有給休暇の計画的付与を提案してみることもひとつの方法です。

保育園側も有給休暇の付与は法律で義務付けられているため、保育士側から申し出があった場合は安易に断ることはできません。忙しい時期を避ける方法や、業務負担が少ない時期を選ぶ方法を併せて提案することで、状況の改善に応じてくれる可能性が高まるでしょう。

他の保育士と協力したり、園のスケジュールを考慮したりするなど、保育園側にとってもメリットのある提案を行うことがポイントです。

有給休暇を取得しやすい保育園で働く

有給休暇の取得難易度は、働いている保育園の方針や雰囲気によって大きく左右されます。有給休暇の取得に否定的な保育園では、長年有給休暇を取得しない風土が根付いている場合もあります。

有給休暇を気軽に取得したい場合は、有給休暇の取得を推進している保育園や、有給休暇の取得実績が豊富な保育園で働くことも重要なポイントです。有給休暇が取得できないことに悩んでいる方は、有給休暇の取得に対して前向きな保育園への転職することもひとつの選択肢となります。

有給休暇を取得しやすい保育園の特徴

有給休暇の取得のしやすさは、実際には保育園の経営方針や職場環境により大きく異なります。そのため、有給休暇の取得で悩んでいる方は、有給休暇を取得しやすい保育園へ転職することもひとつの方法です。

では、有給休暇を取得しやすい保育園とは、どのような保育園を指すのでしょうか。ここでは、有給休暇を取得しやすい保育園の特徴について解説します。

有給休暇の取得率が高い

有給休暇を取得しやすい保育園を希望する方は、有給休暇の取得率が高い保育園を選ぶことがおすすめです。有給休暇取得の実績が多い保育園は、園の方針として有給休暇の取得を推進している可能性が高い傾向にあります。

近年では、業務負担の大きさや休日の少なさを理由に退職する保育士を減らすため、働きやすさを重視する保育園が増えています。

有給休暇取得の実績は求人情報や園のホームページに掲載されている場合もあるため、有給休暇の取得を重視する保育士は、園の実績を優先的にチェックしましょう。

保育士の人手が足りている

保育士の人手が足りており、有給休暇を取得しても配置上の問題や周囲への負担が少ない保育園は、有給休暇を取得しやすいと言えます。

保育園で働く保育士は多くの仕事を抱えており、業務負担が大きい傾向です。そのため、人手不足の保育園で有給休暇を希望すると、周囲から大きな反発を受けたり、暗黙の雰囲気で休暇を取得ができなかったりするケースも珍しくありません。

また、規模の大きい保育園は、有給取得時の配置も融通が利きやすいと考えられます。

職場環境は有給休暇の取得のしやすさに大きく影響するため、有給休暇をスムーズに取得したい方は保育園の規模についてもチェックしておきましょう。

業務効率化に取り組んでいる

有給休暇を取得しやすい保育園は、保育士の業務負担を軽減するために業務効率化に取り組んでいる傾向が見られます。一人ひとりの保育士の働きやすさまで考えている保育園は、保育士の権利である有給休暇の取得に対しても前向きである可能性が期待できます。

また、業務効率化に取り組んでいる保育園では、有給休暇取得の阻害要因である周囲への負担も軽減されるため、有給取得に対する反発も少ないでしょう。

業務効率化は、有給休暇の取得のしやすさの目安となります。有給休暇の取得を重視する方は、業務負担の改善に取り組んでいる園であるかも併せてチェックしておきましょう。

有給休暇を取得しやすい保育士求人を探すなら「マイナビ保育士」

保育士

有給休暇を取得しやすい保育園で働きたい保育士は、「マイナビ保育士」で求人を探すことがおすすめです。

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まとめ

保育士は、業務の負担が大きいことや配置の事情があることから、有給休暇の取得が難しい業種です。しかし、近年では有給休暇の付与が事業者側に義務付けられたことや、保育士の待遇改善に取り組む保育園が増えたことから、有給休暇を取得しやすい環境となりつつあります。

現在の職場で有給休暇の取得が難しい方も、時期やスケジュールを工夫したり、保育園側に前向きな提案を行ったりすることで、状況が改善できる可能性も大いにあります。状況の改善が難しい場合は、有給休暇の取得に前向きな保育園へ転職することもひとつの方法です。

有給休暇の取得で悩んでいる方は、ぜひ当記事の情報を参考に、ワークライフバランスの改善を目指してください。