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保育士として働く方法には、保育士資格を取得して民間の保育園で働く以外に、公立の保育園で公務員として働く方法があります。公務員保育士の試験に合格することが必須となりますが、試験の概要について詳しく把握していない方もいるでしょう。

今回は、公務員保育士試験の概要について、年齢制限や難易度などを含めて解説します。試験の内容や、試験に向けた勉強方法も併せて解説するため、公務員保育士を目指したいと考えている方は参考にしてください。

公務員保育士になるための公務員試験とは?

公務員保育士試験とは、公立の保育園に勤めるための保育士試験です。公務員保育士は保育士であると同時に地方公務員でもあり、私立保育園に勤める保育士よりも待遇や条件が恵まれていることから、高い人気を誇っています。

公務員保育士になるためには、自治体ごとに設けられた試験に合格しなければなりません。試験に合格すると公立保育園の採用候補者として登録され、保育園側から採用の申し出があれば公務員保育士として勤務することができます。

公務員保育士の場合、試験に合格しても必ず採用されるとは限りません。採用がないまま1年経過した場合は、再度試験を受ける必要があります。

ここでは、公務員保育士試験の概要について詳しく解説します。

受験資格・年齢制限

公務員保育士試験を受験するためには、受験資格・年齢制限を満たしていなければなりません。受験資格や年齢制限は自治体により異なりますが、一般的には下記のような条件が定められています。

受験資格 現に保育士資格を有している、または次年度までに保育士資格取得見込みの方
年齢制限 23~35歳までなど
その他条件 自治体によって、市内在住などの居住制限を設けている場合がある

年齢制限や居住制限は自治体によって異なるケースが多いため、受験前にしっかりと確認しておきましょう。

募集時期・試験日程

公務員保育士試験の募集時期は、各自治体によって大きく異なります。一般的な募集の時期は下記のとおりです。

・3~4月
・6~8月
・8~9月

6~8月に募集を行う自治体が最も多い傾向にあります。

一次試験の約1ヶ月前から募集が開始され、一次試験の合格発表は半月~1ヶ月後に実施されることが一般的です。二次試験は一次試験の合格発表の半月~1ヶ月後に実施され、二次試験の合格発表も同じく半月~1ヶ月後に行われます。

公務員保育士試験の受験を希望する方は、勉強期間のスケジュールを確保する必要があるため、募集時期と試験日程は必ず確認しましょう。

難易度・合格倍率

公務員保育士を希望する方は非常に多く、人気も高くなっているため、どの自治体でも試験の難易度は非常に高い状態です。

上野法律セミナーの資料によると、合格倍率は1倍から15.2倍まで幅広く分布しています。居住地として人気が高い自治体ほど、合格倍率も高い傾向です。1倍という数字は稀であり、ほとんどの自治体では数名に1人しか試験を突破することはできません。

(出典:上野法律セミナー「平成30年度公務員試験試験結果一覧(保育)」/ https://www.ueno-semi.com/H30hoikukekka.pdf

また、公務員保育士は離職者が少ないため、人員補充の必要性がない自治体では、公務員保育士試験自体が実施されない場合もあります。

試験の難易度や合格倍率などを考慮すると、希望する地域で公務員保育士となることは非常に狭き門です。公務員保育士になりたい方は、倍率が低めの地域へ移住することもひとつの選択肢となります。

公務員保育士試験の内容

虫眼鏡と本と保育園のおもちゃ

公務員保育士試験は一次試験・二次試験に分かれており、採用資格を得るためには両方の試験を突破する必要があります。試験の内容は自治体によって異なり、三次試験まで行われる自治体も存在するため、幅広い分野の知識を習得することが欠かせません。

ここでは、公務員保育士試験の一次試験・二次試験の科目や内容について、詳しく解説します。

一次試験:筆記試験

公務員保育士の一次試験は筆記試験です。試験の内容は教養試験と専門試験に分かれており、通常の保育士試験よりも幅広い範囲が出題されます。筆記試験の詳細は以下のとおりです。

〇教養試験
高校卒業程度の一般教養知識を確認するための試験です。一般的に下記の分野から、主に能力を図る分野と知識を図る分野に分けて出題されます。自治体により出題傾向が異なるため、事前の確認と対策が必要です。

・5科目(国語・数学・英語・理科・社会)
・現代文・物理・化学・政治・経済など
〇専門試験
専門試験は、保育士養成学校で学ぶ下記のような専門分野が出題されます。基本的には通常の保育士試験と同じような内容です。

・社会福祉
・子ども家庭福祉
・子どもの保険
・保育原理
・保育内容
・保育心理学
・障害児保育
※上記いずれかの分野から出題

二次試験:面接・実技・体力試験

二次試験は、自治体により内容が大きく異なる傾向がありますが、多くの自治体では面接と実技試験が行われます。適性検査・小論文(作文)・体力測定などが追加される場合もあります。

二次試験の詳細は以下のとおりです。

〇実技試験
保育園業務に必要な「音楽」「言語」「造形」の能力・適性を見るための試験です。ピアノ演奏・手遊び・絵本の読み聞かせなどの実技を行います。実技試験の課題については、事前に指定される場合と受験者が自分で選定する場合があります。
〇面接
公務員保育士は、子どもや保護者と直接コミュニケーションを行う仕事であるため、面接試験が重要視されます。面接の形式は個別面接・集団面接・集団討論などさまざまです。

質問される内容は各自治体によって異なりますが、おおむね下記の内容が問われます。

・志望動機
・保育士の仕事に対する仕事観や熱意
・自己PR
・ロールプレイング

面接においては、回答の内容だけでなく態度などもチェックされるため、明るくハキハキと話すことがポイントです。

公務員保育士試験に向けた勉強方法

公務員保育士試験は難易度が高いため、試験に合格するためには十分な勉強をしなければなりません。公務員保育士試験の勉強方法には、独学または塾・予備校に通う2種類があります。

それぞれの詳細は以下のとおりです。

〇独学で勉強する場合
参考書を活用して勉強する方法です。試験の出題内容は自治体によって傾向が異なるため、参考書だけでなく過去問にも取り組み、出題の傾向を把握することが重要なポイントとなります。

費用は安く済むメリットがある一方、1人で勉強を進めていくことになるため、モチベーションの維持が難しい点がデメリットです。
〇塾・予備校に通う場合
公務員保育士試験に合格するためのコースに参加し、講座を受講して勉強する方法です。
筆記試験はもちろん面接対策を実施するところもあるため、より実践的な対策ができるでしょう。

独学よりもコストは掛かりますが、教材や過去問を用意してくれたり、仲間と一緒にモチベ―ションを保ちながら取り組めたりするといったメリットがあります。

それぞれで進め方やメリット・デメリットが異なるため、自身に合うと感じたほうを選択しましょう。

まとめ

公務員保育士試験は、通常の保育士試験よりも科目や内容が多いことから、突破するためには相応の努力が必要です。倍率も高くなっているため、簡単に合格することはできません。

試験を受験する場合は、まず試験内容を把握することが必須です。そのうえで、独学で勉強する方法もあれば塾や予備校で勉強する方法もあるため、よく検討してどちらかを選びましょう。

公務員保育士試験を突破できなかった場合も、学んだ知識は他の公務員試験や通常の保育士試験に活用できるため、費やした努力は無駄になりません。公務員保育士に興味がある方は、視野を広く持ちつつチャレンジしてはいかがでしょうか。