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東京都は、日本の中心地でもっとも多くの人が集まることから、全体的に家賃が高い傾向にあります。東京都内で保育士として働くうえでも、家賃面を不安に思っている人は多いでしょう。しかし、東京都の保育園における、住宅関連の支援制度を詳しく知っている人は少ないのではないでしょうか。

そこで今回は、東京都における「家賃補助・社宅制度・住居手当」の保育士求人について解説します。また、東京都で実施する家賃補助・社宅制度の支援策や、求人状況も紹介するため、保育士としての就業を検討している人はぜひ参考にしてください。

東京都における「家賃補助・社宅制度・住宅手当」の保育士求人状況

下記は、東京都における「家賃補助・社宅制度・住居手当」の保育士求人状況をまとめた表です。

東京都における保育士の求人状況
全求人数 5,332件
「家賃補助・社宅制度・住宅手当あり」の求人数 約5,047件

(出典:マイナビ保育士/ https://hoiku.mynavi.jp/

全求人数である5,332件のうち、約5,047件が、福利厚生として家賃補助・社宅制度・住宅手当を設けています。東京都は、全体的に住宅関連の支援制度が充実している傾向であると言えるでしょう。

東京都における「家賃補助あり」「社宅制度あり」「住宅手当あり」の保育士求人の傾向や相場は、以下のとおりです。

●東京都における「家賃補助あり」の保育士求人の特徴
東京都が独自に実施している宿舎借り上げ支援事業との兼ね合いで、補助額を8.2万円と設定している求人が多い傾向です。会社が独自に家賃補助を設けている場合、補助額は数千円~約8万円と幅広く設定されています。

また「最大3万円として実費負担の2分の1を補助する」「今年度は7万円、翌年度以降は5万円」など、条件を細かく設定している求人も多くあります。そのため、求人内容から家賃補助について確認するときは、単に金額だけ注目するのではなく、条件の詳細まで確かめるようにしてください。

●東京都における「社宅制度あり」の保育士求人の特徴
東京都では、借り上げ社宅制度を設けている保育園が多い傾向です。

社宅制度の負担額は保育園によって異なり、自己負担なしで利用できる場合もあれば、一定の自己負担額を設けている場合もあります。また、単身者のみ社宅が利用できる場合や、勤続1年以上が利用できる場合など、特定の条件を設定している求人もあります。

求人上には「社内規定による」と記載されているのみで、詳細がわからないことも多いため、転職エージェントなどを通して事前に確認するか、面接時に質問すると良いでしょう。

●東京都における「住宅手当あり」の保育士求人の特徴
住居手当は、8万円を超える額を支給しているケースもあり、全体的に支給額が高いことが特徴です。一方で、支給額が5千円などの場合もあり、求人ごとの金額差が大きいと言えます。そのため、住居手当をなるべく多く受け取りたい場合は、応募先の見極めが重要です。

また、「家賃の2分の1かつ月3万円が上限」など、細かく条件を設定している求人もあります。情報を見落とさないよう、求人内容の隅々まで目を配ると良いでしょう。

【保育士向け】東京都が実施する家賃補助・社宅制度の支援策

東京駅

保育士の現状としては、全体的に給与が高いとは言えません。そのため、保育士の生活支援などを目的として、家賃補助・社宅制度の支援策を設けている自治体もあります。

ここでは、東京都が実施している家賃補助・社宅制度の支援策を2つ取り上げて紹介します。

保育従事職員宿舎借り上げ支援事業

保育従事職員宿舎借り上げ支援事業は、事業者が職員用の宿舎を借り上げるにあたって、市区町村から支給される補助金の一部を東京都で負担する制度です。

保育士が住居にかける負担を減らすことで、人材の確保や定着を目的としています。

保育従事職員宿舎借り上げ支援事業の詳しい制度内容は、下記のとおりです。

対象者 下記の施設で常勤として働いている職員

・認可保育所
・認定こども園
・認証保育所
・認可を受けた小規模保育事業等
補助金 月額8.2万円
負担割合 ・国および東京都:4分の3
・市区町村:8分の1
・事業者:8分の1

(出典:東京都福祉保健局「保育人材確保の取組について」/ https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/kodomo/hoiku/jinzaikakuho_torikumi.html

東京都が実施する保育従事職員宿舎借り上げ支援事業は、月額8.2万円と高い補助額が特徴です。補助が支給されるケースは勤務先が借り上げた宿舎に限定されるものの、対象者の条件は広く、使い勝手の良い制度だと言えるでしょう。

ただし、保育従事職員宿舎借り上げ支援事業を利用していない保育園もあるため、求人を探す段階で確認するようにしてください。

潜在保育士の再就職支援事業

潜在保育士の再就職支援事業は、保育士資格を持っている人の再就職にかかる経費を補助する制度です。東京都内における保育士の確保を目的として設けられています。

潜在保育士の再就職支援事業の詳しい制度内容は、下記のとおりです。

対象者 下記のすべての要件を満たしている人

・保育士養成施設の卒業または保育士試験の合格日から1年以上経過して再就職する
・対象施設での勤務経験がない、または離職している
・令和元年8月1日以降に、新たに東京都内の対象保育所で週20時間以上の勤務を開始している
補助金 40万(1人1回限り)
対象となる費用 ・再就職にあたって引っ越しが発生する場合の引っ越し費用
・引っ越し先の賃貸契約にかかる礼金や仲介手数料
・再就職先で使用する被服費用
・再就職にあたっての研修費用
・通勤に使用する自転車などの購入費用
・再就職者の子どもを保育所などに預ける場合の費用
・子どもの預け先を探す際の費用

(出典:東京都福祉保健局「保育人材確保の取組について」/ https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/kodomo/hoiku/jinzaikakuho_torikumi.html

当制度の補助金は、引っ越しにかかる費用に限らず、研修の受講費用や被服の購入費用としても使えるため、再就職にあたって金額面の悩みがある人におすすめです。東京都では「ブランク可」の求人も多くあるため、保育士の経験者にとってもおすすめの制度だと言えるでしょう。

さらに、正社員やパートなどの雇用形態にかかわらず利用できることも特徴です。年齢や定員の制限もないため、応募要件に該当する人は、積極的に申請を検討してください。

なお、当制度の補助金は2年間保育士として勤務することで返還が免除されます。

【市区町村別】東京都の保育士求人状況と家賃相場

東京都では、市区町村によって保育士求人や家賃相場に違いがあります。希望する家賃に対して十分な補助を受けるためには、家賃相場と保育士求人数のバランスを考慮することが重要です。

下記は、東京都における家賃相場と保育士求人数をまとめた表です。なお、家賃相場は不動産サイト・住宅サイト、保育士求人数はマイナビ保育士に掲載している求人数をもとに作成しています。

1K/1DKの家賃相場 保育士求人数(※)
大田区 約8.4万~約10万円 405件
世田谷区 約8.8万~11.2万円 336件
江東区 約9.6万~11.7万円 311件
練馬区 約7.2万~8.7万円 276件
杉並区 約8万~10.8万円 260件

(※出典:マイナビ保育士/ https://hoiku.mynavi.jp/

東京都の家賃相場と保育士求人数は、エリアごとの差が大きいことが特徴です。家賃相場だけ見ると江東区がもっとも高く、次に世田谷区となっています。大田区と杉並区は同程度であり、上記の中で練馬区がもっとも安くなっています。

また、保育士求人数が多い区は、大田区・世田谷区・江東区など、東京の中でも就学前児童数が多いエリアです。

(出典:東京都「都内の保育サービスの状況について」/ https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2020/07/29/08.html

保育士求人数が多いほど、住宅関連の支援制度が設けられている求人を見つけやすくなります。ただし、家賃相場が高い場合もあるため、エリアを限定し過ぎずに、幅広い視野で勤務地や居住地を探すと良いでしょう。

まとめ

東京都では、約5,047件の求人が家賃補助・社宅制度・住居手当を設けています。住宅関連の支援制度は、種類によって内容が大きく異なります。また、保育園によって制度の規定は変わるため、保育園に直接問い合わせるなどして確認することが大切です。

東京都が実施している家賃補助・社宅制度の支援策としては、「保育従事職員宿舎借り上げ支援事業」と「潜在保育士の再就職支援事業」があります。いずれも条件さえクリアできれば、経済的な負担を軽減することが可能です。金銭面で援助を受けたい場合は、積極的に活用しましょう。

東京都では、大田区や世田谷区など、就学前児童数が多い区の保育士求人が多い傾向です。一方で同エリアは家賃が高い傾向にもあるため、バランスを考えて勤務地や居住地を探す必要があります。

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※当記事は2021年3月現在の情報を基に作成しています