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乳児クラスで取り入れられることの多い「担当制保育」は、1人ひとりの子どもに対して、担当の保育士を決めて保育を行う方法です。集団保育よりもきめ細やかな保育を提供できる点や、高い保育効果が期待できる点に特徴があり、導入する施設も少しずつ増えています。

みなさんのなかにも、担当制保育に興味を持っている方がいるかもしれませんが、担当制保育に携わるにあたっては、事前に実施方法や実施のポイントに対する理解を深めておくことが大切です。

そこで本記事では、担当制保育の概要や担当制保育の実施方法、メリット・デメリット、働く際のポイントなどを詳しく紹介します。担当制保育に興味がある方、担当制保育について幅広く理解したい方はぜひご覧ください。

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担当制保育とは?

担当制保育とは、子どもの保育や身のまわりの世話を、特定の保育士が受け持つ保育方法です。一般的に、1人の保育士が3~4人の子どもを長期的に担当します。

前述したように、集団保育よりも子どもとの信頼関係を築きやすいことや、きめ細やかな保育を提供できることが担当制保育の大きな特徴です。担当制保育は、成長スピードに個人差が見られるケースや、個別の対応が求められるケースに適しており、乳児や未満児の保育に用いられることが多くなっています。

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担当制保育のやり方

担当制保育を実践するときは、下記のような形で保育士の担当を割り振ります。

■10人のクラスを3人の保育士で見る場合(割り振り例)
・保育士A:4人の子どもを担当
・保育士B:3人の子どもを担当
・保育士C:3人の子どもを担当

基本的には、各保育士に同程度の人数を割り振りますが、子どもの年齢や保育士の経験などを考慮して、人数のバランスを変える場合もあります。子どもを均等に割り振れない場合や、子どもの年齢が低い場合などは以下の方法を取ることが少なくありません。

・経験の多い保育士が多めの人数を担当する
・メインの担当だけでなく、副担当も決めてフォローし合える体制をつくる
・0歳児はマンツーマンにするなど、子どもの年齢が低い場合は担当人数を少なくする

各保育士とも、自分が担当する子どもの保育がメインとなりますが、他の保育士の状況や子どもたちの様子に応じて、連携したり協力したりとフレキシブルに進める必要があるでしょう。


担当制保育の内容と仕事の流れ

ここでは、担当制保育の内容と仕事の流れについて紹介します。

(1)登園
子どもたちの登園後、保育士は担当するグループの子どもの受け入れを行います。受け入れの際は、保護者から家での様子や体調などを聞き、その日の保育に役立てます。
(2)遊ぶ
室内・屋外にかかわらず、遊ぶときは基本的にグループで行動します。天気がよく園庭で遊ぶ場合は、保育士が担当の子どもを連れて1グループずつ移動します。
(3)おむつ交換や着替えをする
順番を決めて、1人ずつおむつ交換や着替えを行います。おむつ交換や着替えを行っている間は、別グループの保育士に、他の子どもの見守りをしてもらいます。
(4)食事をする
グループごとに食事をします。食事は、担当制保育の仕事のなかでも特にきめ細やかに見る必要があるため、別グループの保育士と連携しながら進めるのが基本です。
例えば、保育士3人で担当制保育を行っている場合は、下記のような役割分担をします。

・保育士A:食事の準備
・保育士B:担当の子どもたちの食事を見守る
・保育士C:担当の子どもたちと、保育士Aの担当の子どもたちを見守る


このように、手が離せない保育士のクラスを別の保育士がフォローし、ローテーションで食事を進めていきます。
(5)お昼寝をする
食事のときと同じように、各グループの保育士がローテーションでお昼寝用の寝具を用意します。

寝かしつけは、子どもたちが安心するように、各グループの担当保育士が行います。

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担当制保育のメリット・デメリット

保育士と子供

近年は、担当制保育を取り入れる保育園も増えていますが、担当制保育はけっして万能な方法ではなく、メリットもあればデメリットもあります。

担当制保育の主なメリット・デメリットは、以下のとおりです。

○メリット
・子どもの性格や状況に応じて保育できる
担当制保育は、1人の保育士が担当する人数が少ないため、子どもの性格や状況に応じた柔軟な保育ができます。集団保育では行き届かない部分まで対応できるため、子ども1人ひとりの成長につながる、質の高い保育を提供できるでしょう。

・子どもの生活習慣が身につきやすい
幼児期の子どもに生活習慣を身につけてもらうには、丁寧に何度も教えることが必要です。担当制保育であれば、担当の保育士が毎日同じやり方でお世話や指導ができるので、生活習慣が身につきやすいでしょう。

・保護者との関係を築きやすい
担当の保育士が、遊びや食事、睡眠などの様子を日々チェックしているため、1人ひとりの成長や変化に気づきやすいのも担当制保育の特徴です。健康面や体調面で気になることがあれば、その点に留意した保育を実践できるため、保護者も安心して子どもを任せられるでしょう。また、そうした細やかな対応を積み重ねることで、保護者との信頼関係が築きやすくなります。
○デメリット
・担当外の子どもを知る機会が少ない
担当制保育では、1人の保育士が少人数をきめ細やかに見られる反面、担当外の子どもを知る機会が少なくなります。シフト変更や相互フォローで他の子どもを見るケースもあるため、対応に困らないように、普段から他の保育士との情報交換や申し送りを行っておくことが重要です。

・担当の子どもや保護者との相性に悩むケースもある
担当制保育の場合、継続的に同じ子どもを担当するため、子どもや保護者と相性が合わないと、思うような保育ができなくなる可能性があります。 保育士の都合で担当を変更することはできないため、他の保育士と相互フォローを行ったり、こまめに保護者とコミュニケーションを取ったりして、関係の構築に努める必要があるでしょう。

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担当制保育で働く場合のポイント

担当制保育には、一般的な集団保育とは違った特性があります。「担当制保育を実施する保育園で働きたい」と考えている方は、担当制保育のポイントをきちんと押さえた上で、質の高い保育の提供を目指しましょう。

ここでは、担当制保育で働く場合のポイントを2つ紹介します。


担当の子どもを観察し性格や好みを把握する

担当制保育では、子ども1人ひとりとじっくり向き合えます。その際、担当する子どもたちをよく観察して、性格・特徴・好みを把握することが、質の高い保育を提供するためのポイントとなります。

1人ひとりに寄り添って理解を深めていけば、子どもからの信頼や安心(あるいは愛着)も得やすくなるでしょう。


職員とコミュニケーションを取り連携して保育する

担当制保育において、1人の保育士が担当する子どもは少人数ですが、他の保育士と連携を取らないとスムーズな保育活動ができません。

子どもはセオリー通りに対処できないことも多いため、担当制保育では他の保育士の力を借りなければならない場面や、ヘルプに回らなければならない場面も数多くあります。そのため、自分が担当している子どもに注意を払いつつも、全体を俯瞰して柔軟に対応する姿勢が求められるでしょう。

また、保育中は忙しくて情報交換をする時間が持てないため、意識して他の保育士とコミュニケーションを取ることも重要です。特に、新人のうちは自分の担当で手一杯で、先輩保育士の保育方法を見る機会が少ないため、自分から積極的に質問をしたり、レクチャーを受けたりすることが大事です。

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まとめ

近年は社会の多様化にあわせて、さまざまな保育サービスが見られます。そのため、これから保育士を目指す方や転職を検討している方は、「自分はどのような保育を行いたいのか?」を明確にしておくことが重要です。

担当制保育は、少人数の子どもにきめ細やかな保育を提供できることから、子どもとじっくり向き合いたい方や、質の高い保育を提供したい方にはおすすめの保育形態といえます。興味がある方は、担当制保育を導入している保育園を就職・転職の選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。

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