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近年、女性の社会進出や待機児童問題などから、保育施設の重要性が再認識されています。そのため、佐賀県をはじめ各都道府県で、保育士の労働環境の見直しが行われている状況です。

そこで本記事では、佐賀県の保育士事情について、勤務時間・給料相場・求人状況を解説します。佐賀県が進める保育士への補助・取り組みや、佐賀県で保育士求人を探す際のポイントも紹介するため、これから保育士を目指す人はぜひ参考にしてください。

佐賀県における保育士事情

佐賀県で保育士として働くことを考えている場合、佐賀県の保育施設が自分に合った労働環境か判断するためにも、保育士事情を把握することが大切です。

以下では、佐賀県における保育士事情について、勤務時間・給料相場・求人状況の3つの視点から解説します。勤務時間では「男女別の比較」に触れつつ、給与相場では「全国平均との比較」・求人状況では「佐賀県の待機児童問題」を取り上げながら紹介するため、ぜひ参考にしてください。

勤務時間

佐賀県における保育士の勤務時間数は、下記の通りです。

男性 169時間
女性 166時間
男女計 166時間

(出典:厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」/ https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2020/index.html

佐賀県で働く保育士の労働時間は、男女で大きな差はありません。厚生労働省の統計で示されている佐賀県のデータでは、保育士として働く人数が男女合計で約720人であり、そのうち約60人が男性です。女性が全体の約9割を占めることから、男女計の労働時間は女性の労働時間と同じ数値が出ています。

なお、同じ厚生労働省のデータによれば、佐賀県における幼稚園教諭の勤務時間は167時間です。統計上では、保育士・幼稚園教諭ともに残業時間が1時間程度であることから、佐賀県には労務管理がきちんとされた施設が多いといえます。

給料相場

下記は、佐賀県で働く保育士の給料相場と全国平均を比較した表です。

佐賀県 約328万円
全国 約374万円

(出典:厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」/ https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2020/index.html

佐賀県の給料相場は、全国平均と比べて約40万円低い金額です。全国平均の給料は、東京都や大阪府といった大都市の給料も含まれているため、高くなる傾向にあります。

ただし、人口が同等である和歌山県・山梨県の給与相場を見ると、約320~330万円のボリュームであることから、佐賀県の給料相場が極端に低いわけではありません。

また、上記の表で紹介した金額は、あくまでも平均の給料相場です。そのため、経験年数・働き方などによっては、佐賀県で働く保育士であっても、全国平均以上の給料を貰うことができるでしょう。

求人状況

佐賀県の待機児童数は、令和2年4月1日時点で49人であり、前年と比べ待機児童数が倍近く増加しています。また、佐賀県は共働き世帯が全国に比べ多い傾向です。そのため、待機児童は今後も増加する可能性があります。

(出典:厚生労働省「保育所等関連状況取りまとめ(令和2年4月1日)」/https://www.mhlw.go.jp/content/11922000/000678692.pdf
(出典:平成29年就業構造基本調査結果(佐賀県概要)/https://www.pref.saga.lg.jp/toukei/kiji00369496/3_69496_142917_up_0ypi0qci.pdf

一方で佐賀県では、待機児童ゼロに向けた取り組みが積極的に行われており、保育士求人が多くある傾向です。待機児童問題はすぐに解決できる問題ではないため、保育士求人は今後も安定した数が見込めるでしょう。

佐賀県が進める保育士への補助・取り組み

佐賀県が進める保育士への補助・取り組み

保育士に対する補助や取り組みを利用することで、働きやすさは大きく変わります。そのため、佐賀県で保育士として働く場合は、佐賀県が進める制度などについて把握することが大切です。

以下では、佐賀県の保育士が利用できる、独自の補助・取り組みを解説するため、ぜひ参考にしてください。

保育修学資金貸付事業

佐賀県では保育士養成学校等に入学した人を対象に、修学資金の貸付を行っています。下記では、保育修学資金貸付事業の詳細情報について紹介します。

対象者 以下の条件をすべて満たす人
・佐賀県内の保育士養成施設へ在学または、佐賀県出身で県外の保育士養成施設へ在学する人
・養成施設等の卒業後、佐賀県内で保育士として勤務する人
・学業の成績が優秀である人(評定平均値または成績3.0以上)
・家庭の経済状況から貸付が必要と認められる人
補助金 月額5万円以内(総額120万円以内)
(入学準備金20万円、就職準備金20万円を別途加算可能)
貸付利子 無利子
連帯保証人 原則1名(状況によって2名)
返還免除の条件 養成施設卒業1年以内に保育士登録を行い、佐賀県内の保育施設にて5年間継続して保育士として勤務した場合

(出典:佐賀県社会福祉協議会「保育士修学資金貸付事業」/http://sagaken-shakyo.or.jp/blog/syugaku1.html

保育修学資金貸付事業を受けるためには、対象者の要件を満たす必要があります。また、提出書類の審査もあるため、申請時には記載事項に漏れがないかなど、十分に確認してください。

返済免除の条件に含まれる保育施設は、保育園や幼稚園の他にも、認定こども園や放課後児童クラブといった事業所も対象となります。対象となる養成施設などの詳細は、「佐賀県社会福祉協議会のホームページ」で確認してください。

なお、令和3年度「保育修学資金貸付事業」の募集受付は終了しており、令和4年度以降の実施は未定となっています。しかし、基本的には毎年実施される傾向にあるため、詳しい状況を知りたい場合は、同じく「佐賀県社会福祉協議会」に確認しましょう。

保育士就職準備金貸付事業

保育士就職準備金貸付事業は、保育士の資格を持っているものの、保育関連の仕事をしていない潜在保育士を対象とした制度となります。

保育士就職準備金貸付事業の詳細情報は、下記の通りです。

対象者 佐賀県の保育士として週20時間以上勤務する人で、以下の条件をすべて満たす人

・保育施設に勤務経験のない人、または離職した人
・新たに県内保育施設に勤務する人
補助金 40万円以内(一人1回限り)
利子 無利子
連帯保証人 1名
返還免除の条件 県内の保育施設において保育士として2年間業務に従事した場合

(出典:佐賀県社会福祉協議会「保育士就職準備金貸付事業」/http://sagaken-shakyo.or.jp/blog/syugaku2.html

就職準備金として利用できる費用は、就職準備のために要した経費が対象です。ここでは、就職準備金として認められる経費の例を紹介します。

・保育施設への就職による転居の必要経費(引越費用・礼金・仲介手数料)
・保育士として働く際に必要な被服・通勤用自転車などにかかる費用
・子どもの預け先を探す際にかかる費用
・「佐賀県社会福祉協議会会長」が適当と認める経費

潜在保育士向けの制度ではありますが、最大で40万円もの補助金が出るため、復職にかかる費用負担を軽減することが可能です。

また、佐賀県内の保育施設で2年間業務に従事すれば、保育士就職準備金貸付事業は返済免除になります。そのため、佐賀県内の保育士として長期間働くことを視野に入れている人におすすめの制度です。

2021年4月時点では、「令和3年度保育士就職準備金貸付事業」の受付が実施されています。ただし、100名程度の定員数に達し次第で募集受付が終了になるため、留意してください。

【佐賀県】保育士求人を探す際のポイント

保育士求人を探す際のポイント

ここでは、佐賀県で保育士求人を探す際のポイントを紹介します。佐賀県の保育士求人数は九州地方の中では若干少なめですが、「福利厚生が手厚い」「相場より給料が高い」など、保育士にとって魅力的な施設が多数存在します。

下記では、保育士求人を探す際のポイントについて詳しく解説するため、ぜひ参考にしてください。

●福利厚生を重視する場合は、企業主導型保育事業からの求人を選ぶ
施設形態が企業主導型保育事業であれば、福利厚生が手厚く、休暇取得率も明示してある施設が多いため、安定して長く働くことができるでしょう。

仕事とプライベートを重視したい人・育児との両立を考えている人は、企業主導型保育事業の求人がおすすめです。

●園児を保育するやりがいを重視する場合は、小規模保育施設を選ぶ
佐賀県は、小規模保育園からの求人がやや多い傾向にあります。小規模保育園では子ども達一人ひとりとしっかりと関わることができ、保育士としてのやりがいを感じられるでしょう。

一方で、小規模保育園では保育士の人数も少ない場合があるため、職場で働く人の人数も確認すると安心です。

●就職・転職に不安があるなら相談できる転職サイトを活用する
佐賀県で、保育士として就職・転職することについて不安がある場合は、転職サイトを活用することがおすすめです。

「マイナビ保育士」では求職者様向けに、履歴書・職務履歴書の添削から、ご入植後のアフターフォローまでのサービスを無料で実施しています。また、数多く抱える保育士求人の中から、求職者様に合った求人をご提案することも可能です。ぜひ、お気軽に「マイナビ保育士」へお問合せください。

まとめ

近年、佐賀県では待機児童数が増加傾向にあるため、保育士求人数が多くあります。全国平均と比べ佐賀県の給料は少ないものの、経験年数・働き方などによって、相場以上の給料を貰うこともできるでしょう。

「マイナビ保育士」では、さまざまな保育士求人を取り揃えており、転職に関する相談を無料で受け付けています。また、数ある保育士求人の中から、求職者様の要望に合った求人を提案することも可能です。保育士として就職・転職を検討している人は、ぜひ「マイナビ保育士」をご利用ください。

※当記事は2021年4月現在の情報を基に作成しています