保育士の転職活動において、面接での自己PRは必須です。自分の強みを的確にアピールするためには「他己分析」が役立ちます。他己分析とは、周りの人の意見から自己理解を深める手法で、自己分析と共に行うことがおすすめです。
当記事では、保育士向けの他己分析の方法を詳しく解説します。他己分析を実際に行う際のポイントや、具体的な質問・解答例も紹介するため、ぜひ参考にしてください。これから他己分析を行う人だけでなく、人から他己分析の質問をされた人にも役立ちます。
目次
保育士が他己分析を行うメリット
他己分析とは、周りから見た客観的な視点で自分を分析することです。自分自身で行う自己分析とは反対に、周囲の人の意見を参考に行います。保育士が転職活動をするにあたり、他己分析は欠かせません。
ここでは、保育士が他己分析を行うメリットを3つ紹介します。
周囲から見た長所・短所を知ることができる
他己分析は周囲の意見を取り入れて行うため、客観的に自分の長所・短所を知ることができます。自己分析は客観性に欠けるデメリットがありますが、他己分析は自分では気付かなかったポイントを知ることが可能です。
「自分が周囲からどのような人間と思われているか」という視点からの考えは、自分一人ではわかりにくいものです。自己分析だけでは、世間の評価と自分の評価が大きく離れていても気付かない可能性があります。
転職活動の際には、自己分析と他己分析を両方行って結果を照らし合わせることが大切です。他己分析で得られる情報は社会的にニーズが高いため、自分のビジネス的価値をアピールするために役立ちます。
自己理解を深めることができる
自己分析を進める中で、自分の長所が思いつかない人は多いのではないでしょうか。他己分析を活用することで、新たな自分に気付くきっかけをもらえるメリットがあります。さらに、他己分析で得た情報をもとに、より自己理解を深めることができる点も見逃せません。
他己分析で周囲から言われた意見から「なぜ自分がそう思われているか」を考えると、仕事に対する考え方や行動理念に気付くことができます。自己分析では得られない情報から深掘りしてみると、新しい発見が得られるでしょう。
自己理解を深めることができる
他己分析を行うことで、面接時に自分の強みをアピールしやすくなります。自己分析だけでは主観的な主張しかできませんが、他己分析では家族や友人の評価に基づいた客観的な主張が可能です。面接官に対して説得力を与えられるため、好印象につながります。
他己分析を取り入れて客観的な視点から自己アピールすることで、物事に対してフラットな感覚で考えられる人材という印象を与えます。保育士の職場では特に子どもに対する客観的な視点が求められるため、他己分析が大いに役立つでしょう。
【保育士】他己分析のやり方|各ステップのポイント
他己分析は周囲の人の意見を参考にして行うものですが、誰かに漠然と質問をしても有効な答えは得られません。
ここでは、正しい他己分析のやり方を段階ごとに分けて解説します。他己分析を保育士の転職活動に役立てるためにも、正しい方法をぜひ知っておきましょう。
(1)自己分析をする
他己分析を行う前準備として、まず自己分析を行います。他己分析は、自己分析の答えとすり合わせることで、自分と周りのギャップに気付くという分析方法です。成功体験だけでなく、失敗体験からも気付く点は多くあります。自分史を作るつもりで、これまでの自分のキャリアや経験を深く掘り下げるとよいでしょう。
自己理解が深まると、自分の性格だけでなく、価値観や強みもわかります。自己分析の結果から「今の自分が何を大切にしているか」「就活で自分に足りないもの」などを見つけて、就活対策に役立てましょう。
(2)他己分析に使用する質問項目を考える
他己分析では、相手に聞く質問が非常に重要です。曖昧な質問では答えるほうも内容に困ってしまうため、まずは質問の目的を考えることをおすすめします。
例えば「私ってどんな感じ?」という漠然とした質問では、面接で役立つような答えは返ってきません。「第一印象」や「長所を感じたエピソード」など、具体的に答えられる質問項目にしてください。
他己分析では、ポジティブな質問だけでなく、ネガティブな質問もしっかり聞くことが大切です。客観的な考え方を取り入れることで、自分の視野も広がります。自分が掘り下げたい内容を中心に、具体的な質問項目を考えてみましょう。
(3)他己分析を依頼する相手を決める
他己分析は、サンプルとなる人数が多いほど分析の精度が上がります。解答が偏ることを防ぎ、意外性のある意見を得るためには、10人以上に依頼することがベストです。家族や友達、アルバイト先の仲間など、さまざまな属性の相手に依頼すると、得られる結果のバリエーションも広がります。
他己分析は短所や弱みなども聞くため、できるだけ正直に答えてくれる人が理想です。家族や友人など、距離の近い関係の人は、ネガティブな内容も率直に答えてくれることが多いでしょう。
また、自分と関係が浅い人に質問することも面接対策に効果的です。面接官は初対面であることがほとんどのため、交流があまりない人と同じ意見となる可能性があります。特に第一印象に関する質問などは、あえてコミュニケーションが少ない人に頼むと、有意義な意見が得られる場合が多いようです。
(4)自己分析と他己分析の結果を照らし合わせる
他己分析の最後のステップでは、自己分析と他己分析の結果を照らし合わせます。自分と他人の意見が一致している点と異なる点を把握することで、自分をより深く知ることができるでしょう。
自己分析と他己分析の結果を表して項目ごとに分類すると、比較しやすくなります。特に、自己分析では思いつかなかった新しい意見は、自己PRや志望動機のエピソードに役立つ可能性が高いため、よく精査することをおすすめします。
保育士の転職活動に役立つ!他己分析の質問例&解答例
最後は、保育園の転職活動に役立つ、他己分析の質問例と解答例を紹介します。質問を考えるときだけでなく、自分が答える立場になったときにも参考にしてください。
質問(1)あなたにとって私はどんな存在ですか?
【解答例】
「責任感が強く、常に場の中心に立って、周囲を引っ張ってくれる心強い存在です。」 「どんなときも寄り添ってくれる優しさがあり、癒し的存在です。」 「子どものころから目標に向かって努力を惜しまない人で、尊敬できる存在です。」 |
質問(2)私と接する中で印象に残った体験やエピソードは何ですか?
【解答例】
「大学の学園祭の企画を考えるとき、積極的にアイディアを出していて、知識と発想力が豊かな人だと思いました。」 「サークルの仲間で食事にいったとき、全員の飲み物や食事にさりげなく気を配っている姿が印象的で、気遣いのできる人だと思いました。」 「普段はあまり感情を表に出さない人だと思っていましたが、学校でお世話になった先輩が卒業するときに涙をこらえている姿が強く印象に残っています。」 |
質問(3)私の第一印象を教えてください
【解答例】
「とても姿勢がよく、清潔感のある服装をしていて、真面目そうな人だと思いました」 「初対面でも笑顔で気さくに話しかけてくれて、とても明るい学生という印象でした」 「あまり感情が顔に出るタイプではないので、何を考えているかわからず怖いと感じました」 |
他己分析の質問や解答は、できる限り具体例を交えると効果的です。簡潔な答えとならないよう、表現方法や内容を工夫してみましょう。
まとめ
他己分析は、面接での自己アピールに欠かせません。他人の意見を取り入れ、自分を客観的に見つめ直すことで、自己分析ではわからなかったアピールポイントが見つかります。
他己分析を行うためには、事前に自己分析を行うことと、質問内容を具体的に考えることが大切です。また、自分が答える立場でも、わかりやすいエピソードを盛り込むと効果的です。
当記事で紹介した内容を参考に他己分析を行い、就職・転職を有利に進めましょう。