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山形県は、置賜・村山・最上・庄内の4つの地方に分かれており、それぞれのエリアが独自の風土や文化を持った、個性豊かな県です。地域内での結びつきも強く、子どもへの支援が生活に密着している特徴もあります。環境や人々が豊かな山形県で、保育士として働くことを検討している人は多いのではないでしょうか。

そこで今回は、山形県の保育士事情を解説します。県で実施している補助・取り組みや、求人を探す際のポイントも紹介するため、山形県で保育士として働くことを検討している人は参考にしてください。

山形県における保育士事情

山形県は、少子高齢化により子育て世代が減少しているものの、保育施設の求人数は多く、保育士の需要も依然として高いエリアです。経験者歓迎から年齢・経験不問の求人まで、幅広く保育士を募集しています。

まずは、山形県における保育士の平均勤務時間や給料相場、さらに求人状況などを、具体的なデータ数値とともに解説します。

勤務時間

下記の表は、山形県の保育士における、1ヶ月あたりの勤務時間を男女別にまとめたものです。

男性 185時間
女性 170時間
男女計 170時間

(出典:「令和元年賃金構造基本統計調査」/https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2019/index.html

保育士の勤務時間の全国平均は163時間であるため、山形県の保育士の勤務時間はやや長い傾向にあります。また、男女別に見ると、男性保育士が女性保育士を15時間上回っていることが特徴です。

なお、勤務時間は、勤務する施設や地域によって異なります。長時間の勤務を避けたい場合は、求人情報や転職エージェントを通して事前に情報を収集すると良いでしょう。

給料相場

次に、山形県と全国の給料相場を比較します。

山形県 約314万円
全国 約363万円

(出典:厚生労働省「令和元年賃金構造基本統計調査」/https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2019/index.html

山形県の保育士における給料相場は、全国平均と比べて低い水準にあることがわかります。

ただし、同調査における賞与額のみで比較すると、山形県と全国平均はともに70万円となっています。

また、給料額は就業先によって大きく異なるため、収入面を重視して求人を選ぶことで、全国平均以上の収入を得ることが十分に可能です。

求人状況

各都道府県において、保育士の需要の高さは、そのエリアの待機児童数に比例する傾向にあります。

山形県での待機児童数は、令和2年4月時点で0人でした。前年度である令和元年4月時点と比べると45人も減少しており、唐突に待機児童ゼロを実現しています。

(出典:厚生労働省「保育所等関連状況取りまとめ(令和2年4月1日)」/https://www.mhlw.go.jp/content/11922000/000678692.pdf​

待機児童ゼロの地域は、保育所や保育人材が充実している傾向にあるため、求人数は比較的落ち着く傾向です。しかし、山形県は令和2年で待機児童ゼロを実現したことから、待機児童ゼロの継続を目指すべく、今後も保育士の需要は高いままだと言えるでしょう。

山形県が進める保育士への補助・取り組み

保育施設での働きやすさは、保育士に対する補助や取り組みを利用することで大きく変わります。

特に、山形県は保育士の勤務時間が長く、一方で給料の水準は低い傾向にあるため、利用できる補助・取り組みを知っておくことが重要です。

ここからは、山形県が進める保育士への補助・取り組みを解説します。

保育士修学資金貸付

保育士修学資金貸付は、山形県における保育士の定着や育成を目的とした制度です。

対象者 下記の4つの要件すべてに該当する人
対象年度の4月に保育士施設に入学もしくは在学し、卒業後に山形県内で保育業務に就く意思がある保育士養成施設の入学前1年間において、本人・配偶者・親族(一親等)の誰かが山形県内に住民登録をしている世帯の経済状況などから、修学資金の貸付を受ける必要がある優秀な学生山形県外で保育士修学資金貸付を利用していない
補助金 修学資金:月5万円まで入学準備金:20万円(一度きり)就職準備金:20万円(一度きり)
返還免除の条件 養成施設の卒業日から1年以内に保育士登録を行い、県内の施設で5年間継続して保育業務などに従事すること※過疎地域自立促進特別措置法で定められた過疎地域に勤務する場合、3年間で返還免除となります

(出典:山形県福祉人材センター「保育士修学資金等貸付制度のご案内」/https://www.ymgt-shakyo.or.jp/jinzai/hoikushi-kashitsuke/

※令和2年度の応募は終了

保育士修学資金貸付は、山形県内で保育士として勤務する予定の人であれば、返還免除の要件を満たすことは決して難しくありません。また、仮に返還免除となる要件を満たせない場合でも、貸付は無利子であるため、負担を最小限に抑えることができます。

潜在保育士就職準備金貸付

潜在保育士準備金貸付は、山形県における保育士の確保を目的とし、保育士資格所有者の就職・再就職を支援する制度です。

対象者 下記の(1)と(2)に該当する人
(1)下記の施設を離職または勤務経験がない児童福祉法第7条に規定する保育所及び幼保連携型認定こども園児童福祉法第6条の3第9項に規定する家庭的保育事業児童福祉法第6条の3第10項に規定する小規模保育事業児童福祉法第6条の3第12項に規定する事業所内保育事業学校教育法(昭和22年法律第26号)第1条に規定する幼稚園
(2)対象年度の4月1日以降に、山形県内の保育施設などに保育士として新たに勤務する(週20時間以上)
補助金 最大40万円(一度きり)
返還免除の条件 山形県内の保育施設などで2年間継続して業務に従事すること

(出典:山形県社会福祉協議会「保育士修学資金等貸付制度のご案内」/https://www.ymgt-shakyo.or.jp/jinzai/hoikushi-kashitsuke/

※令和2年度の応募は終了

潜在保育士準備金貸付は、通勤用の車や被服の購入、就業にあたっての研修費など、幅広く利用できることが特徴です。

また、対象者や返還免除の条件が難しくないため、利用しやすい制度だと言えます。ただし、定員はおおむね10名程度であるため、応募が開始された際は早めに申し込みましょう。

山形県では、「ブランク可」や「経験や資格に応じて給与を設定」とする求人が多くあります。保育施設などへの就職・再就職を検討している資格所有者は、ぜひ潜在保育士準備金貸付を活用してください。

保育士等キャリアアップ研修

保育士等キャリアアップ研修は、専門的な知識や技術の向上を目的とした研修を行い、保育現場でのリーダー的な役割を担う職員を育成する制度です。

対象者 山形県内で下記の保育施設に勤務中または勤務予定であり、受講を希望するコースの要件を満たす人民間の保育所民間の認定こども園地域型保育事業所公立の保育所、認定こども園および認可外保育施設
【専門分野研修】保育現場において、下記の専門分野のリーダー的役割を担う、または見込まれる人幼児教育食育、アレルギー対応保健衛生・安全対策保護者支援・子育て支援
【マネジメント研修】保育現場におけるリーダー的役割の経験があり、主任保育士の指示に従いながらミドルリーダーとしての役割を担う、またはその役割が見込まれる人

(出典:公共財団法人 総合健康推進財団「令和2年度 山形県 保育士等キャリアアップ研修」/https://zaidan-kensyu.com/training/nur05/

※令和2年度の応募は終了

保育や子どもに関連した専門知識を有していることは、良質なサービス提供だけでなく、利用者の安心にも繋がります。職場におけるマネジメントも学べるため、保育士としてのキャリア設計を考えている人は、ぜひ利用してください。

【山形県】保育士求人を探す際のポイント

山形県で保育士としての就職を成功させるためには、求人を探す際のポイントを把握しておくことが重要です。特に、下記3つのポイントを押さえておきましょう。

高収入を狙うなら山形市の求人を選ぶ

高年収を狙いたい人は、山形市を中心に保育士求人を探すと良いでしょう。山形県の中でも、山形市は特に給料が高い傾向にあります。山形市は山形県の県庁所在地であり、最も多くの人が集まる街です。

また、家賃や物価もほかの市町村と比べて高いことから、保育士の給料が高水準に設定されている求人が多くあります。

効率良く転職を進めたい場合は、先に地方を絞る

山形県は全国9位の大きさを誇っており、縦長の形をした県です。そのため、エリアを絞らずに就職活動を始めると、移動のコストや負担が大きくなります。

効率良く転職を進めるためには、まず希望する地方をある程度限定した方が良いでしょう。

福利厚生の内容を事前にしっかり確認する

働きやすい職場を選ぶためには、勤務時間だけでなく、福利厚生に注目することも重要です。特別休暇や手当、柔軟な勤務体系などが導入されていることで、仮に労働時間が長めの職場であっても、ワークライフバランスを実現させることが可能となるでしょう。

また、山形県で保育士の求人を探す際は、「マイナビ保育士」の転職サポートの利用がおすすめです。

マイナビ保育士では、選考への対策から入職後のアフターフォローまで、担当のアドバイザーが転職のすべてをサポートします。初めて保育士求人を探す人でも、安心して転職活動を進めることができるでしょう。

さらに、マイナビ保育士のアドバイザーは、保育の分野に特化していることも特徴です。専門的な知見から求人を探すため、自分の希望に合致した、理想の職場に転職することができます。

まとめ

山形県の保育士事情としては、勤務時間が長く、給料は低めの水準となっています。しかし、就職先によって条件は異なるため、事前に求人情報をしっかり確認することで、好待遇の職場に就職することが可能です。

また、山形県では、独自に保育士へのさまざまな補助・取り組みを実施しています。いずれの取り組みも、山形県内で働く保育士の大きな助けとなるため、要綱を確認したうえで利用を検討しましょう。

山形県で保育士の求人を探す際は、「マイナビ保育士」がおすすめです。本記事の最後に紹介した「保育士求人を探す際のポイント」も、専門のアドバイザーがしっかりご紹介します。完全無料で利用できるため、まずはお気軽にご相談ください。

※当記事は2021年2月現在の情報を基に作成しています

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