保育士は、子どもの成長に関わる貴重な体験ができることから、やりがいを感じやすい仕事です。一方で、保育施設によって給与や労働環境に違いがあり、希望していた働き方ができないために、中途採用を受けようと考えている保育士もいるのではないでしょうか。
この記事では、保育士の中途採用の現状や適切なタイミング、保育士が中途採用を受けるメリット、転職活動を進めるスケジュールを紹介します。新卒採用と中途採用の違いを知りたい人や、ブランク明けで復職を検討している人も、ぜひ最後まで読んでみてください。
目次
【保育士】中途採用の現状
保育士の転職活動がどの程度の難しさなのかは、保育業界における中途採用の現状から推測できます。
令和3年1月時点で、全国的な保育士の有効求人倍率は2.94倍であり、保育士1人あたり約3件の求人がある状況です。全職種の有効求人倍率1.15倍と比較すると、保育士は売り手市場にあるため、転職しやすいといえます。
(出典:厚生労働省「令和2年及び令和3年における保育士の各都道府県別有効求人倍率等の比較」/ https://www.mhlw.go.jp/content/R2.11..pdf )
また、少子高齢化に伴う労働力不足を背景に、共働き世帯は増え続けています。父親と母親が仕事の間は子どもを預ける必要があるため、保育士は今後も高い需要を保ち続けるでしょう。
(出典:内閣府男女共同参画局「「共同参画」2020年9月号」/ https://www.gender.go.jp/public/kyodosankaku/2020/202009/202009_02.html )
中途採用で狙い目のタイミング
転職するにあたって、いつが最適なタイミングなのか気になる人は多いでしょう。保育士の転職時期は、下記2つのタイミングが狙い目です。
●12月~1月
12月~1月は、1年の中でも中途採用の求人数がピークを迎えるタイミングです。年度の切り替えとなる3月末で退職する従業員が多いことから、4月入社を狙った募集が増えます。2月後半から3月にかけては求人が減り始めるため、12月のうちから転職活動を進めれば、転職が成功する可能性は高まるでしょう。 |
●7月~9月
7月~9月も、中途採用の求人数が増えやすい傾向にあります。多くの保育施設が6月に賞与を支給しているため受給後に転職する人が多いこと、下半期となる10月の人事異動に伴い不足する人材を補充する必要があることが、7~9月に中途採用が多くなる理由です。 |
転職活動のタイミングに迷っている人は、「12月~1月」「7月~9月」を狙うことをおすすめします。ただし、上記はあくまで狙い目であるだけであり、ほかのタイミングでもポイントを押さえて入念な対策を練れば、転職活動を成功させることは可能です。
保育士が中途採用を受けるメリット
保育士が中途採用を受けることには、新卒採用にはないメリットがあります。特徴的なメリットは、下記の3点です。
●新卒採用に比べて給与アップが期待できる
中途採用の場合、新卒採用と違って保育士としてのスキルや経験が考慮されるため、給与が高く設定されているケースが多くあります。給与額は求人情報から簡単に確認できるため、自分の経験・スキルが活かせるかどうかも踏まえて、応募前に目を通すとよいでしょう。 |
●即戦力人材として待遇交渉ができる可能性がある
中途使用をかける企業や保育施設の多くは、人材不足に悩んでいます。そのため、即戦力として活躍できることをアピールできれば、給与や勤務時間などに関する待遇交渉が可能です。ただし、最初から待遇交渉を行う姿勢が全面に出ていると、マイナスイメージを持たれる可能性があります。応募先の様子を見ながら待遇交渉に入りましょう。 |
●自分の希望する働き方を実現できる
平均残業時間や休日、福利厚生などに着目して求人を選べば、自分にとって働きやすい環境の保育園で勤務できます。子育て・介護など、家庭と仕事を両立させたい人にとって、業務内容や勤務時間から理想的なワークライフバランスとなる保育士求人を選べることは、大きなメリットでしょう。 |
保育士の転職活動におけるスケジュール
では、保育士の転職活動はどのように進めるとよいのでしょうか。ここからは、保育士の具体的な転職スケジュールを解説します。
(1)自己分析 | 自己分析では、自分の強みや弱み、保育士として重視していることなどを明確にします。自分なりの軸を持って転職活動を進めるためには、自己分析が重要です。 |
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(2)転職の目的や方針の決定 | 自分が転職で実現させたいことを整理します。給与アップやキャリアアップ、職場環境の改善などが一例です。目的が多すぎると転職活動の方向性が定まらないため、優先順位を決めてください。 |
(3)中途採用の求人情報収集 | 求人サイトや転職エージェントを利用し、保育士の中途採用を行っている求人を集めます。自己分析の結果や転職の目的を踏まえて、気になる保育施設をピックアップしてください。 |
(4)履歴書・職務経歴書の作成 | 求人に応募するための履歴書や職務経歴書を作成します。書類作成時は、保育士としての経歴や活かせるスキル・取得資格などをアピールすることが重要です。年齢制限が設けられている場合があるため、応募資格をしっかり確認してください。 |
(5)書類選考・面接 | 気になった求人に応募し、書類選考を通過したら、ついに面接です。合否にもっとも関係するステップであるため、面接対策が重要となります。質問を想定したうえで、回答内容を事前に準備するとよいでしょう。 |
(6)内定、退職・入社 | 内定をもらったら、現在勤めている保育施設を退職します。円満に退職するためには、十分な時間を確保して引き継ぎを実施することが大切です。退職にあたっての詳しい手続きは、自社の制度を確認してください。 |
転職活動は、焦って進めると失敗につながりやすくなります。余裕のあるスケジュールを立てれば、理想の勤務先に転職できるでしょう。
保育士の中途採用を成功させるポイント
保育士の中途採用を成功させるためには、余裕のあるスケジュールを立てるだけでなく、いくつかのポイントを押さえる必要があります。特に、中途採用時は新卒採用のようなサポートはなく、内定が決まればすぐに入社となるパターンがほとんどです。
保育士の中途採用を成功させるためには、余裕のあるスケジュールを立てるだけでなく、いくつかのポイントを押さえる必要があります。特に、中途採用時は新卒採用のようなサポートはなく、内定が決まればすぐに入社となるパターンがほとんどです。
園見学などで実際の雰囲気を確かめる
中途採用では、基本的に即戦力としての活躍が前提であるため、事前研修がありません。内定から入社までの期間が短いケースもあります。そのため、応募先について詳しく調べずに転職活動を進めると、入社後に理想と違っていることに気づく可能性があるでしょう。
こうした入社後のミスマッチが起きないよう、中途採用では事前に園見学をお願いしましょう。保育施設を見学する際は、必ず施設側の許可をもらってください。保育施設の職員は子どもへの対応や自分の業務で忙しいため、いきなり訪問しても受け入れられない可能性があります。園見学に訪れたときには、実際の働き方や連携の仕方など、気になることを積極的に質問するとよいでしょう。
コミュニケーション能力をアピールする
求人に応募する際や面接を受ける際は、説得力のあるエピソードを交えてコミュニケーション能力があることを伝えると効果的です。コミュニケーション能力があるとアピールできれば、施設側に「採用したらすぐに保育現場に馴染んでくれそう」と思ってもらえます。一緒に働きたいと感じてもらえれば、内定を獲得できる可能性はさらに高まるでしょう。
中途採用と新卒採用の決定的な違いのひとつが、業務経験の有無です。保育士としてこれまで経験したことをベースに、自分にしか話せないエピソードを伝えれば、競争相手と差別化を図れます。採用側に自分が応募先で働くイメージを具体的に持ってもらえるよう、自分だけのエピソードで説得力を高めてください。
効率的に中途採用の求人情報を探す方法
中途採用の求人情報を探す方法には、無料のフリーペーパーや求人サイトを使う方法があります。最近は、保育業界に特化した転職サイト・転職エージェントもあるため、保育士という専門職であっても中途採用入社を成功させることが可能です。
「マイナビ保育士」には、保育分野に精通したキャリアアドバイザーが揃っており、相談内容に応じた条件の求人をご紹介できます。自己分析から求人紹介、面接練習、入社時の補助まで、すべてサポート内容に含まれているため、1人で転職を進めるよりも安心です。利用料は完全無料であり、簡単な項目を入力するだけで登録可能です。中途採用で転職を考えている場合は、マイナビ保育士をぜひご利用ください。
まとめ
保育士の有効求人倍率は2.94倍であり、ほかの職種に比べると転職しやすいといえます。特に「12月~1月」「7月~9月」は中途採用の狙い目です。保育士の中途採用には「給与アップが期待できる」「待遇交渉ができる」「希望する働き方を実現できる」という3つのメリットがあります。転職活動のスケジュールやポイントを押さえて、中途採用にチャレンジしてみましょう。
自分に合う転職先を見つけたいときは、保育分野に精通したプロのキャリアアドバイザーがいる「マイナビ保育士」をぜひご活用ください。