大分県の保育士事情｜求人状況と県が進める保育士支援策を紹介

国内トップクラスの温泉処・多彩な食文化・豊かな自然で知られる大分県は、国内外から多数の人々が訪れる地域です。子育て・移住者支援に積極的な側面を持ち、生活拠点としても人気が高まっているため、大分県で働きたいと考える保育士の方は少なくないでしょう。

当記事では、大分県の保育士事情から、大分県が独自に実施する保育士支援・補助、大分県で保育士求人を探す際のポイントまでを詳しく紹介します。ぜひ参考にしてください。

大分県の保育士事情

これから、大分県で保育士として活躍したいと考えている方は、エリアの保育士事情をふまえて就職・転職活動を行うことで、より満足度の高い結果を得られるでしょう。

ここでは、大分県で働く保育士の勤務時間・給料相場・求人状況について、それぞれ詳しく解説します。

勤務時間

下表は、厚生労働省の資料に基づく、大分県の保育施設における1ヶ月あたりの平均勤務時間です。

（出典：厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」/ https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2020/index.html ）

上記はあくまで平均であり、実際の給料は残業時間・勤務形態・勤務する保育施設によって異なります。

大分県では、男女計の平均勤務時間が169時間となっており、全国平均の勤務時間168時間を約1時間上回ります。男女別で見ると、男性の勤務時間は女性より約21時間少ない傾向です。ただし、令和2年賃金構造基本統計調査で挙げられている、大分県の男性保育士の数は女性に比べて大幅に少ないため、あくまで参考数値としてください。

給料相場

これから大分県で保育士として働く方にとって、給料は最も重要なチェックポイントでしょう。下表では、厚生労働省の統計調査を参考に、大分県と全国における保育士の給料相場（平均給与）を比較しました。

（出典：厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」/ https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2020/index.html ）

大分県で働く保育士の平均給料は、全国平均を約30万円下回ります。しかし、物価や家賃が比較的安い地域であるため、一般的な生活水準を保つことは十分に可能です。

給料は、勤務先・キャリア・スキルといった諸条件に左右されるため、平均以上の収入を得ている方も少なくありません。

求人状況

大分県は、かつて大分市を中心に多くの待機児童が発生していた地域です。大分県では「子育て満足度日本一」を掲げ、さまざまな施策・支援に取り組んだ結果、平成29年4月時点で505人であった待機児童数が、令和2年4月時点で10人まで減少しました。

（出典：厚生労働省「保育所等関連状況取りまとめ（全体版）」（令和2年4月1日）/https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_13237.html）
（出典：厚生労働省「保育所等関連状況取りまとめ（全体版）」（平成30年4月1日）/https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000176137_00002.html）

現在でも、大分県では待機児童数ゼロに向けて、保育の受け皿整備や保育人材の充足に積極的な姿勢を見せています。

マイナビ保育士の求人情報を見ると、大分県の保育士求人状況は大分市に集中しており、定員数の多い大規模な保育園の求人募集が多いことが特徴です。大規模保育園は同時に複数名を採用するケースがあるほか、人材確保に積極的なため、今後も安定的な求人ニーズが見込めるでしょう。

大分県が進める保育士への補助・取り組み

保育士に対する支援制度や補助制度を活用することで、保育士資格の取得や就職のハードルが下がり、働きやすさも大きく改善される可能性があります。大分県で保育士を目指す方や、保育士として働きたい方は、県が実施する制度や取り組みを事前に把握し、積極的に利用するとよいでしょう。

ここでは、大分県が独自に進める保育士への支援・補助制度を3つ紹介します。

保育士修学資金貸付事業

大分県が実施する「保育士修学資金貸付事業」は、保育士養成施設に在籍して保育士資格を取得し、県内での就職を目指す方を対象に、修学・就職に必要な資金の貸付を行う制度です。

これから保育士を目指す方を金銭面から支援して、将来の保育士人材の充足を目指すことを目的としています。

（出典：大分県社会福祉協議会「各種資金貸付事業」/https://www.oitakensyakyo.jp/kashitsuke/）

保育士修学資金貸付事業は、毎月の修学に必要な資金だけでなく、まとまった資金が必要となる入学時・就職時の準備金の貸付も受けられる、非常に充実した制度です。

養成施設卒業後に5年間継続して保育士として従事すれば返還も免除されるため、大分県で腰を据えて保育士として働きたい方は、積極的に利用するとよいでしょう。

保育士就職準備金貸付事業

大分県が実施する「保育士就職準備金貸付事業」は、県内で保育士として従事する予定のある潜在保育士に対して、転居費用・研修費用などの就職に必要な経費の貸付を行う制度です。潜在保育士が就職する際の金銭負担をサポートし、大分県内の保育士人材の確保・充足を推進することを目的としています。

（出典：大分県社会福祉協議会「各種資金貸付事業」/https://www.oitakensyakyo.jp/kashitsuke/）

貸付金は、被服費・通勤に使用する自転車購入費など幅広い目的で使用できます。転居にかかる費用にも使用できるため、県外から移住する方にもメリットの大きな事業です。

なお、詳しい人数などは明示されていませんが、募集人数に限りがあるため、なるべく早く申請することがすすめです。

保育士試験による保育士資格取得支援事業

「保育士試験による資格取得支援事業」は、保育士資格を取得した方、もしくは取得を目指している方を対象に、保育士試験受験講座の受講にかかった費用を助成する制度です。

保育士資格の取得支援を通じて、将来の保育の担い手を確保するという目的があります。

（出典：大分県「保育士試験合格のための講座受講料を助成します」/https://www.pref.oita.jp/soshiki/12470/hoikushi-shikenhojo.html）

保育士試験に合格するためには、養成学校に通うなど相応の学習が必要です。保育士資格の取得を目指す方は、助成制度を利用することで試験に向けた学習環境を整えることが可能となります。

ただし、補助対象となる費用に、書店で購入した参考書代は含まれません。

【大分県】保育士求人を探す際のポイント

ここでは、求人媒体から読み取れる大分県の保育士求人の特徴と、保育士求人を探す際のポイントを紹介します。

〇求人が集中している大分市で仕事を探す
大分県は、県内全体で見ても求人数が少ないため、求人を探す際にはどのエリアを選ぶかによって求職活動の難易度や成否が分かれます。大分県内の求人数はエリアによる偏りが大きく、大分市に求人が集中していることが特徴です。

マイナビ保育士を見ると、大分県全体の保育士求人31件のうち、大分市の求人は25件にのぼります。数が多いだけでなく、施設規模や雇用形態も多様であるため、希望する働き方を実現しやすいと言えるでしょう。求人数が少ないエリアでの勤務を希望する場合、頻繁に情報収集を行うことが必要です。

〇仕事と育児を両立させたいなら子育て支援を積極的に行っている求人を選ぶ
大分県で子育てをしながら保育士として働きたい方は、「育児休暇取得実績あり」「託児所付き」など、子育て支援制度が整っている施設を選ぶことがおすすめです。
ただし、子育て支援のある求人には、パート・契約社員など正社員以外の求人も少なくありません。正社員にこだわらず、他の雇用形態にも目を向けるとよいでしょう。

大分県で保育士求人を探す際は、「マイナビ保育士」を活用することがおすすめです。「マイナビ保育士」に登録すると、専門のキャリアアドバイザーのサポートを受けられるほか、サイトに掲載されていない非公開求人の紹介を受けることもできます。

求人数が比較的少ない大分県では、就職活動が難航することが少なくありません。一人で悩んでいる方はぜひご利用ください。

まとめ

大分県では、全国に比べて給料相場が低いものの、勤務先によっては高い給料や高待遇を期待できます。また、保育士を支援する公的事業も充実しているため、これから県内で保育士として働きたい方は事前に把握しておくことがおすすめです。

大分県で保育士として働きたい方は、今回紹介した保育士事情を参考にして、希望条件を満たす職場への就職・転職を目指しましょう。求人情報を探す際はぜひ「マイナビ保育士」をご利用ください。

※当記事は2021年6月現在の情報を基に作成しています