学童保育の指導員とは、学童保育施設や放課後児童クラブで働く職員のことです。主に小学校に通う子どもを預かり、保護者にかわって生活のサポートを行います。
学童保育の指導員は、子どもたちの成長や地域社会に貢献できるやりがいのある仕事です。しかし、指導員のなかには学童保育で働くことがつらくなり、やめたいと感じている人もいます。
本記事では、学童保育をやめたいと感じる理由や、指導員に向いている人・向いていない人の特徴について詳しく解説します。あわせて、学童保育をやめるときのポイントも紹介するので、学童保育の仕事につらさを感じている人はもちろん、学童保育の指導員に興味のある人もぜひ参考にしてください。
目次
学童保育の仕事をやめたいと感じる主な理由
人間関係のストレスや労働環境、仕事の大変さ......。学童保育の仕事をやめたいと感じる理由はさまざまですが、やめたいと感じたときは「なぜそう思ったのか」を明確にしておくことが大切です。
理由を明確にすれば、「いま自分が感じている課題は何なのか」や、「それはいまの職場で働きながらでも解決できるのか、転職が必要なのか」といった判断がつきやすくなります。また、学童保育の仕事をやめて次の仕事を探すときも、どのような条件で探せばよいかが見えやすくなるでしょう。
以下では、学童保育の仕事をやめたいと感じる主な理由を3つ紹介します。
同僚や保護者との関係にストレスを感じる
学童保育は少人数で運営するケースが多く、職場の人間関係にストレスを感じやすい傾向にあります。例えば、同僚の指導員と不和状態になった場合、少人数であるがゆえに険悪な雰囲気がなかなか解消できません。狭い職場では相手と何度も顔を合わせることになるため、その都度ストレスを感じてしまうでしょう。
保育園で働く保育士と同じように、保護者との良好な関係が築けずにストレスを感じるケースもあります。保護者にもさまざまなタイプがおり、なかには学童保育の指導方針や活動内容に、理不尽なクレームを入れる人もいます。そうした場合、学童保育の仕事は好きでも、保護者対応につらさを感じてしまい、やめたくなるようです。
人手不足により体力的に勤務がきつい
学童保育は、共働き家庭の保護者から支持されているサービスですが、実際のところ学童保育の指導員数は不足しています。1人で多くの子どもをサポートしたり、一緒に遊んだりしなければならない職場も多く、その場合は体力的にきつくなってしまうでしょう。
また、学童保育では、子どもたちが安全に過ごせるように見守るのも大事な仕事です。しかし、遊び盛りの子どもたちを相手に、気を張り続けるのは想像以上に大変なもの。長期休暇の期間などは1日が終わると疲れ切ってしまいます。
学童保育の指導員のなかには、そうやって日々体力を使うことに限界を感じ、「仕事をやめたい」と考える人も多く見られます。
給料や待遇が仕事量に見合っていない
学童保育は自治体の補助金によって運営されていることが多く、指導員の給料や待遇はけっしてよいとは言えません。
学童保育の指導員は「放課後だけの仕事」「子どもと遊ぶだけの仕事」と見られることも少なくありませんが、実際は前述したように心身が疲弊する仕事です。学童保育でも、管理職になることで給与や待遇がよくなりますが、少人数の学童保育では管理職の人数も限られており、勤続年数を重ねたからといって管理職になれるとは限りません。
そうしたことから、給料や待遇などに不満を感じたり、仕事へのやりがいがなくなったりして、学童保育をやめる人もいます。
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学童保育の仕事に向いている人・向いていない人の特徴
学童保育がつらいと感じる背景には、「学童保育に向いているかどうか」が関係している可能性があります。以下に、学童保育の仕事に向いている人・向いていない人の特徴を紹介するので、自分が学童保育に向いているかどうかを分析してみましょう。
学童保育の仕事に向いているかどうかを知ることで、職場を変えるべきか、別の職種に転職すべきかも判断しやすくなるはずです。
学童保育の仕事に向いている人
子どもと接する学童保育の仕事には、以下の特徴を持つ人が向いています。
●学童保育の仕事に向いている人 |
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・子どもが好きな人 学童保育は、子どもが好きでなければつとまりません。子どもがわがままを言っても、それを個性として受け止められる人が向いています。 ・体力がある人 学童保育では、屋外で子どもと一緒に遊ぶことがあります。夏や冬の長期休みには子どもを連日預かるケースもあり、学童保育の指導員には体力が必要です。 ・コミュニケーション能力がある人 学童保育では、子どもの情報を同僚と共有したり、保護者に説明をしたりする機会も多くあります。そうしたなかで円満な人間関係を築くためには、コミュニケーション能力が不可欠です。 ・観察力がある人 子どもを安全に預かるには、1人ひとりの様子に注意を払う観察力が必要です。表面的なことだけでなく内面にも気を配れれば、気持ちの表現が苦手な子どもとも接しやすくなるでしょう。 |
学童保育で働くにあたっては、子どもが好きなことが大前提となります。体力やコミュニケーション能力、観察力といった要素は、働きながらでも伸ばせるでしょう。
学童保育の仕事に向いていない人
一方、以下の特徴を持つ人は、学童保育の仕事に向いていないかもしれません。
●学童保育の仕事に向いていない人 |
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・相手を思い通りに動かしたい人 学童保育では、子どもの個性を把握し、ありのままに受け止めることが大事です。自分の考えを押しつけたい人や、相手を思い通りに動かしたい人は学童保育に向いていないでしょう。 ・感情的になりやすく怒りっぽい人 子ども同士がけんかをしたり、トラブルを起こしたりしたとき、指導員は冷静に対処する必要があります。感情的になりやすい人では、トラブルにうまく対応できない可能性があるでしょう。 ・臨機応変に対応できない人 子どもは自由気ままに遊び、ときには大人が思いもよらないことをします。指導員は柔軟な思考を持つことが大切であり、臨機応変に対応できない人は向いていません。 ・潔癖な人 子どもは泥だらけで遊んだり、おもらしをしたりします。それを不快に感じるほど潔癖な人は、学童保育の仕事に向いていません。 |
向いていない人に共通しているのは、子どもを尊重する意識が足りていない点です。子どもと接していてストレスを感じる人は、上記に当てはまっていないか確認してみてください。
学童保育の仕事をやめる・転職するときのポイント3つ
学童保育とやめたいと感じたときは、学童保育以外の仕事に目を向けてみるのもよいでしょう。
ただし、何の準備もなくいきなり仕事をやめるのはおすすめできません。学童保育の仕事をやめて転職するときは、転職準備を入念に進めつつ、円満に退職することが大切です。
以下の3点を押さえることで、スムーズな転職が実現できるでしょう。
相談ベースで退職を申し出る
転職を決意したときは、直属の上司に退職の意志を伝えましょう。退職の意向を伝えるときは、1対1で話すのがマナーです。事前に「お話があるので、お時間をいただけますか」とアポを取り、退職したい旨を話しましょう。
その際は、一方的に退職の意思や退職希望日を伝えるのではなく、相談ベースで話を進めるのがポイントです。
また、退職の話をするときは、職場への不満を表に出さないように注意してください。職場への不満を伝えると、「改善するから退職は思いとどまってほしい」と慰留されるケースがあります。
施設見学をして雰囲気などを確認してから応募する
転職先を探すときは、できるだけ施設見学をしましょう。施設見学では、職場の雰囲気や環境、スタッフの様子などを確認できます。また、仕事の内容や職場の特徴、力を入れていることなどについて、質問することも可能です。
施設見学をしておくことで、転職先で働く自分の姿をイメージしやすくなるため、転職後のミスマッチが防げるでしょう。
保育士資格の取得に挑戦してみる
「学童保育はやめたいけれど、子どもにかかわる仕事は続けたい」という人は、退職を機に保育士の資格取得に挑戦してみるのも1つの方法です。学童保育は無資格でも働けますが、保育関連の職場では有資格者を求めるケースも少なくありません。保育士資格を取得することで保育園や福祉施設、企業内保育所、ベビーシッターなど、転職の選択肢はぐんと広がるでしょう。
また、国家資格である保育士資格は、保育に関する確かな知識・技術を有することの証明にもなるため、職場選びがよりスムーズになるはずです。
まとめ
学童保育をやめたいと感じる主な理由には、人間関係のストレスや体力的なきつさ、給料や待遇への不満などが挙げられます。学童保育をやめたいと感じたときは、やめたい理由を明確にした上で、転職すべきかどうかを判断しましょう。「学童保育をやめても、子どもにかかわる仕事を続けたい」という人は、保育士の資格取得に挑戦してみるのもおすすめです。
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