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保育士は、子どもたちの成長を間近で見守れる魅力的な仕事です。そのため、まわりからも「素敵な仕事」「楽しそうな仕事」と思われがちですが、ほかの仕事と同様、保育士にもデメリットやつらいことはあります。事実、子どもや保護者と真剣に向き合う人ほど、命を預かることへの責任を感じやすく、心身ともに疲弊してしまう傾向にあります。

当記事では、保育士の仕事を「つらい」と感じる理由について、詳しく解説します。あわせて、仕事がつらいときの対処法も紹介するので、理想に近い働き方を実現したい保育士の方は、ぜひ参考にしてください。

保育士の仕事をつらいと思う7つの理由

子どもの成長が実感できたり、とびきりの笑顔が見られたり、保護者から感謝の言葉がもらえたり......。保育士は、とてもやりがいのある仕事です。しかし、その一方で保育士の仕事をつらいと感じる人も少なくありません。

ここでは、保育士が仕事に対してつらいと感じる主な理由を紹介します。

保育中は気を張る必要がある

保育士は、子どもの命を預かる仕事です。そのため、保育士によっては、自分の不注意がけや事故につながりかねないことにプレッシャーを感じ、つらいと思ってしまいます。

子どもはときに予想外の行動をとるため、保育士がけがや事故を完全に回避するのは困難です。保育園において、「十分に注意していたのに、室内遊びの最中に子どもがけがをしてしまった」といったケースは、けっして珍しくないでしょう。そうした場面では、誠実に仕事に取り組む保育士ほど自分を責め、つらいと感じてしまう傾向にあります。

ただし、けがや事故を避けたいからといって、リスクヘッジにばかり気をとられると本来の保育活動に支障が出る可能性があります。その場合も、思うような活動ができずにつらさを感じやすくなるので、注意が必要でしょう。

仕事が多く帰りが遅くなる

保育園では、運動会、発表会、音楽会などさまざまなイベントを開催します。そして、イベントの前なると、保育士は日常的な保育業務に加えて、出し物の企画立案や衣装・小道具の準備を行わなければなりません。

場合によっては、残業したり家に仕事を持ち帰ったりすることもあり、そんなときは「生活が不規則になる」「しっかりと休養がとれない」などのつらさを感じてしまいます。

慢性的に人手不足状態の保育園では、より事態が深刻です。多くの仕事を抱えて、残業することが常態化してしまうと、プライベートの時間が確保できない状況も起こり得ます。

ただし、近年は厚生労働省が保育士の労働環境改善に向けた取り組みを積極的に行っており、働きやすさを重視する保育園も増えています。仕事量の多さや残業を「つらい」と感じる人は、労働環境整備に前向きな保育園への転職を検討してみるのもよいでしょう。

(出典:厚生労働省「保育士確保」/ https://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/osirase/140131-1.html

体力的についていけない

元気いっぱいの子どもたちと、走ったり踊ったりして体を動かすため、保育士には体力が必要です。保育活動でエネルギーを消耗し、帰宅後や休日にプライベートを楽しむ体力が残っていないときは、つらさを感じやすくなるでしょう。

乳幼児クラスを担当している場合は、子どもをおぶったり抱き上げたりする機会が多くなります。また、イベントや行事のときは、重い荷物を運ぶことも少なくないでしょう。そうした影響で腰痛や肩こりが発生し、それがつらさにつながることもあります。

保育士のなかには、ランニングをしたりジムに通ったりして、体力強化に努める人もいますが、それでも体力的な負担を感じてしまうのが現実のようです。

頑張りが給与に反映されない

保育園の経営状況によっては、定期的な昇給が期待できないケースもあります。そして、自分自身の頑張りが給与に反映されない状況は、つらいと感じる原因になりかねません。実際、給与の安さは、過去に保育士として働いていた人が退職した理由の上位に入っています。

(出典:東京都福祉保健局「平成30年度東京都保育士実態調査結果(報告書)」/ https://www.fukushi.metro.tokyo.lg.jp/kodomo/shikaku/r4hoikushichousa.html

前述したように、厚生労働省の取り組みによって保育士の待遇は改善されつつありますが、すべての保育園において改善が進んでいるとは言いがたい状況です。そのため、「頑張りが給与に反映されない」「満足のいく給与が得られない」などの不満を持つ保育士も、一定数存在します。

(出典:厚生労働省「保育士の現状と主な取組」/ https://www.mhlw.go.jp/content/11907000/000672997.pdf

また、保育園によって福利厚生の整備状況が異なることも、保育士が不満を感じる原因です。例えば、資格手当がない保育園で働く保育士は、「上位資格を取得したにもかかわらず、給与に反映されない」と不満を持つケースがあります。いまはインターネットなどで、福利厚生が充実した施設の状況が確認できるため、ほかの園と比較して不満を感じることもあるでしょう。

人間関係でトラブルが起こる

保育観や仕事の進め方は、保育士によって異なります。保育士は担任と副担任でクラスを持つことが多いため、ペアの先生と意見がぶつかったり、関係がうまくいかなかったりすると精神的につらさを感じてしまうでしょう。

また、下記のような職場で働く場合も、つらさを感じやすくなります。

  • 園長先生の一存で、保育方針が頻繁に変更される
  • 保育園のなかに、グループや派閥が存在する
  • クラス担任を担当する保育士や主任保育士が、部下の意見を聞き入れない

保育士はチームプレーが重要なため、人間関係のトラブルを抱えてしまうとクラス運営に支障が出てしまいます。特に、小規模の施設は保育士の数も少なく、一度関係が崩れると修復するのが大変です。

これから就職・転職を予定している人は、事前に職場見学を行うことで園全体の雰囲気を確認し、リスクヘッジに努めましょう。

理不尽なクレームに悩まされる

保護者対応も保育士の重要な役割です。しかし、保護者のなかには自分の子育てルールを押しつけてきたり、理不尽な要求をしたりする人が存在し、「どうやってクレームに対応すればよいのか?」で悩んでいる保育士も多く見られます。

以下は、保護者の理不尽なクレームの一例となります。

  • 子ども同士のけんかの理由を聞かず、相手が悪いと決めつける
  • 発熱したとき、病院に連れていくように要求する
  • 子どもの好き嫌いに応じて、給食のメニューを変更するように要求する

対応が遅れると、保育園や保育士に対する不信感・不満感が強まる恐れがあるので、クレームを受けた際は、早急に園長や主任保育士に報告しましょう。

クレームを回避する方法としては、保護者と日常的にコミュニケーションをとり、関係性を良好に保つことが挙げられます。

シフト制で生活リズムが崩れる

保育士のシフトは、早番・遅番の二交代制もしくは早番・中番・遅番の三交代制で組まれるのが一般的です。そのため、月に何回かは朝早く出勤したり、遅くまで仕事をしたりすることがありますが、きつめの勤務シフトよって生活のリズムが崩れると、仕事のつらさを実感してしまいます。

特に、既婚者の保育士の場合、家庭と仕事の両立を目指している人がほとんどです。シフトの組み方によって、仕事あるいは家庭に支障が生じたときは、つらさを感じるでしょう。

保育士の仕事がつらいときの対処法

保育士の仕事がつらいときには自分1人で抱え込まず、同僚や先輩に相談しましょう。信頼できる相手に悩みを打ち明け、客観的なアドバイスを受けることで、状況改善のヒントが見つかったり、ストレスが軽減したりすることもあります。

周囲の人に相談してもつらさが軽減しない場合は、環境を変えるために転職を検討するのもよい方法です。人間関係や待遇面につらさを感じているケースでは、よりよい環境の保育園に転職することで、前向きに働ける可能性があります。保育士として働いてきた経験・スキルを生かして転職する場合は、給与交渉やスキル・資格のアピールなどによって、収入アップを目指すことも可能でしょう。

また、保育士が活躍できる職場は、保育園以外にも存在します。仕事量の多さや保護者との距離感につらさを感じている人は、保育園以外の職場への転職を検討するのもおすすめです。

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まとめ

保育士はやりがいの大きい仕事です。しかし、一方で子どもの命を預かることにプレッシャーを感じたり、保護者からの理不尽なクレームに悩んだりして、「仕事がつらい」と思う場面も少なくありません。加えて、職場の人間関係の悪さや給与水準の低さなども、保育士が仕事に対してネガティブになってしまう原因です。

保育士の仕事をつらいと感じるときは1人で抱え込まず、信頼できる相手に相談するのがおすすめです。つらさを解消するための手段として、転職を検討している人はぜひマイナビ保育士にご相談ください。経験豊富なキャリアアドバイザーが、二人三脚で状況の改善をサポートいたします。