保育士を目指している、あるいは保育士として働いているものの、「保育士に向いているのだろうか」と不安に感じている人は多いでしょう。子どもが好きだったとしても、仕事として保育士が向いているのかどうかは別問題です。どのような仕事にも向き・不向きがあるように、保育士に向いている人もいれば、向いていない人もいます。
今回は、保育士に向いている人の特徴を7つ紹介します。保育士に必要とされる適性や資質について知りたい人は、保育士に向いている人の特徴に自分の性格が当てはまるかどうか確認してみましょう。
目次

保育士に向いている人の7つの特徴
保育士に向いている人には、いくつかの特徴があります。保育士に向いている人の特徴を知った上で、自分に備わっている能力、足りていない能力を明確にすることは、「保育士に向いていないのでは」という不安の解消へ向けた第一歩となります。ここからは、保育士に向いている人の特徴を7つ挙げるため、自身と照らし合わせながら読み進めてみてください。
子どもの成長に必要なことを考えられる人
保育士を目指すきっかけとして「子どもが好きだから」と答える人は多いでしょう。もちろん、子どもたちと接することに喜びを感じられなければ、保育士の仕事は務まりません。しかし、保育士は教育者の一面もあるため、子どもの成長をサポートすることが何よりも求められます。
たとえば、子どもが誤った行動をした場合には叱ることも重要です。保育士は「何がダメなのか」を丁寧に説明し、子どもの悪い部分を直す必要があります。子どもの笑顔が見たいからとただ甘やかすだけでは、子どもの健全な発育を促すことはできません。また、子どもの成長度合いは一人ひとり異なるため、画一的な保育では子どもの成長をサポートできないでしょう。それぞれの子どもに向き合い、その子の成長にとって必要な支援を考えられる人は、保育士に向いています。
見通しを立てて行動ができる人
保育士業務にはイベント行事の企画やプラン立ても含まれます。室内の飾り付けをする季節行事や、ルート確認も入る園外保育など、準備に多くの時間が必要となるケースもあります。円滑に準備を進めるためには、あらかじめ何が必要になるのかを考え、計画を立てなければなりません。
また、子どもの安全を確保する点でも、先を予測することは大切です。「子どもが走り回ったときに机や椅子にぶつかるのではないか」「子どもの頭や目にハサミの刃先が当たらないか」など、保育所では子どもにどのような危険が及ぶのか想像した上で、安全な行動を取る必要があります。そのため、保育士には先を見通して行動する力が求められます。
健康意識が高く体力に自信がある人
風邪を引いた保育士が出勤すると、園内にウイルスが拡散しかねません。特に、インフルエンザの流行期には注意が必要です。子どもに風邪などを移さないよう、保育士は日頃から健康を意識することが求められます。
また、元気いっぱいの子どもたちと一緒に遊ぶには体力が問われます。子どもをおんぶ・抱っこする機会も多いため、腰痛などは保育士の代表的な職業病です。実際に、「健康上の理由(体力を含む)」で保育所を退職する人は20.6%に上ります。
(出典:東京都福祉保健局「平成30年度東京都保育士実態調査」/ https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/kodomo/shikaku/30hoikushichousa.html )
保育士は体力勝負となる一面もある仕事です。そのため、日頃から健康的な生活を送り、体力維持に努めることが苦にならない人は、保育士の適性があると言えるでしょう。
感受性が豊かで気持ちを感じ取れる人
子どもは好奇心旺盛です。毎日小さな発見をしては「見て見て!」と報告に来てくれます。子どもは何事にも素直に反応を示す分、人に伝えたときには相手にリアクションを求める傾向にあります。そのため、子どもの気持ちを感じ取り、大きな反応を示せる人は、保育士に向いています。
また、少しでも疑問に感じたときには「なんで?」「どうして?」と保育士に尋ねることもめずらしくありません。子どもの感じる不思議について一緒に考えてあげることは、子どもの好奇心をさらに広げることにつながります。子どもと同じ目線に立って世界を見てみると、新たな発見も多く見つかるでしょう。保育士の仕事では、子どもの感性に共感できる豊かな感受性も必要です。
コミュニケーションを苦に感じない人
保育士が接するのは子どもたちだけではありません。同じ保育所に勤める園長先生や主任、先輩保育士のほか、保護者や地域の人とも保育士は深く関わります。安心して子どもを保育園に預けたいと思っている保護者と信頼関係を築くためには、気持ちの良い挨拶などの適切な保護者対応が必要です。連絡帳などを通し、子どものことを介してコミュニケーションを取ることも求められます。
また、園内で外遊びをする声やイベント行事の音が原因となり、付近の住民からクレームが来てしまうこともあります。トラブルを大事に発展させないためには、日頃から地域の住民とも交流することが大切です。したがって、性別や年齢を問わず明るくコミュニケーションができる人は、保育士に向いています。
粘り強く取り組める忍耐力がある人
保育士は子どもが好きな人にとってやりがいに満ちた仕事です。一方で、苦労を経験することも少なくありません。たとえば、保育士の言うことを素直に聞かない子どもには、辛抱強く言い聞かせる必要があります。また、子ども同士のケンカに関して保護者にうまく理解してもらえずトラブルが起きたり、保育方針をめぐって勤務先の人間関係に悩まされたりすることもあるでしょう。
子どもや保護者、同僚と信頼関係を築くのに長い時間を要することもあります。そうしたつらい時期が訪れても、粘り強く仕事に邁進できる人は、保育士の適性があると言えます。
前向きな気持ちに切り替えられる人
保護者からクレームを受けたり、保育士同士で意見が食い違って揉めたりするなど、保育士の仕事では困難にぶつかることもあります。だからといって、いつまでも落ち込んでいることは望ましくありません。保育士が暗い表情をしていると、その気持ちは子どもたちにも伝染します。子どもたちを笑顔にするためには、まず保育士が明るく振る舞うことが大切です。
時には、良かれと思って取った行動が子どもたちを傷つける結果になることもあるでしょう。そのような場合でも気持ちを切り替えて、同じ失敗を繰り返さない解決策を考えることが求められます。ただ後悔するばかりではなく、何事もポジティブに捉えて気分を切り替えられる人は、保育士に向いています。
保育士の適性がないと仕事は長続きしない?
仕事が長続きするかどうかに、保育士の適性の有無はそれほど関係しません。実際に、保育士の退職理由で多いのは、職場の人間関係(38%)、仕事量が多い(27.7%)、給料が安い(27.4%)など、いずれも保育士の適性と関係性のない要素となっています。
(出典:東京都福祉保健局「平成30年度東京都保育士実態調査」/ https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/kodomo/shikaku/30hoikushichousa.html )
また、保育士に向いている人に当てはまらないからといって、保育士を諦めることは早計です。保育士としての適性はこれから身に付けることが可能です。たとえば、コミュニケーションに苦手意識を持つ人は、出会った人に明るい挨拶をしたり、先輩や後輩への気配りを意識したりするとよいでしょう。体力に自信がない人は、10分程度のウォーキングから始めるなど、体力づくりに励むことも有効です。
保育士に向いていない=適性がないとは必ずしも言い切れません。保育士として必要なスキルや能力を身に付けられるよう、今日からできる範囲で実践してみましょう。
まとめ
保育士に向いているのは、子どもと真剣に向き合って成長に必要な支援を提供できる人や、計画力・体力・忍耐力がある人、感受性の豊かな人、ポジティブ思考に切り替えられる人です。ただし、保育士に向いている人の特徴に該当しなくても、保育士の適性がないわけではありません。自分に足りない部分を補うためには何をすればよいのか考え、行動に移しましょう。
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