13_1128.jpg

求人応募・面接の際は、保育士に限らずすべての職種において自己PRが求められます。自己PRでは「企業の利益や成長に、自分がいかに貢献できるか」を伝えられ、企業にとっては入社後にしっかりと活躍してくれる人材かどうかの判断材料となるでしょう。

また、保育士の自己PRにおいては、協調性をアピールすることが重要です。しかし、協調性をアピールするにはどのような自己PRをすればよいか分からないという方も多くいるのではないでしょうか。

そこで今回は、保育士が自己PRで協調性をアピールするための方法やポイントを徹底解説します。最後に、協調性をアピールできる自己PRの例文も紹介しているため、ぜひ参考にしてください。

保育士が自己PRで協調性をアピールするには?

自己PRとは、応募した企業に対して自分のよいところや強みをアピールして自分を売り込むことです。同じく保育士面接の際に求められる「自己紹介」とやや言葉が似ていますが、自己紹介は応募者自身の人柄や学歴・経歴、趣味を簡潔にまとめたものであり、自分を採用するメリットを訴えるための自己PRとは異なるものとなります。履歴書に記載するだけでなく、面接の際に改めて詳細を質問されるケースもあるため、徹底的に準備しておきましょう。

また、保育士の自己PR作成においては、協調性をアピールポイントにすることが重要です。協調性とは、自分とは異なる環境にいる方・考え方をもつ方の価値観を理解し、譲歩・協力のもと最適な関係性を構築しながら物事を進めていける性質を指します。協調性はあらゆる方と連携して業務を進める保育士の仕事において、自己PRは不可欠といっても過言ではないほど大切な能力です。

保育士の仕事で求められる協調性

個性の多様化が進む近年、協調性は保育士に限らずどの職種においても重要なスキルですが、保育士の仕事で求められる協調性は、その対象が多岐にわたることも特徴です。

保育園によっても細かに異なるものの、自分と異なる意見の先生や子どもに対して、意見を聞き歩み寄れるという能力は、保育士なら有しておくべき最も重要な強調性といえるでしょう。

また、昔ながらの保育園であれば、個人の作業よりも全体の作業や方針を優先させるような強調性が求められるケースもあります。さらに、自分の作業を進めるにあたっては、他の先生や業種の方と連携し、問題なく作業進行できるといった強調性も求められます。

保育士が協調性をアピールして面接官が感じること

保育士が自己PRで強調性をアピールすることによって、保育園側や採用担当者に次のような印象を与えられます。

    ●人間関係を円滑に行える
    ●他人の意見を聞くことができる
    ●他の先生と協力して業務に取り組める

「子どもと関わることが好き」という保育士さんは、ほぼ全員といっても過言ではないほど多くいます。自己PRではこのような当たり前のことではなく、会社組織において自分が活躍できる人材であることをしっかりアピールすれば採用率はアップするでしょう。

保育士が自己PRで協調性をアピールするときのポイント

協調性とひとくちにいっても、「他人の意見を尊重できるのか」「コミュニケーションを円滑に行えるか」「他業種との連携が容易か」などさまざまな要素があるため、自己PRでは具体的に話すことが重要です。

面接官に結果としてどのような点をアピールしたいのか疑問を感じさせないように、事前にしっかりと自己PR文を用意して面接に挑むとよいでしょう。

そこで次に、保育士が自己PRで強調性をアピールするときのポイントを紹介します。ぜひ自己PR文の用意に役立ててください。

協調性を他の言葉に言い換える

前述の通り、強調性にはさまざまな要素があるため、面接において「自分は協調性があります」と簡潔に伝えるだけでは、具体的にどのような強調性があるのかを理解してもらえません。

そのため、「チームワークを大切にしています」「傾聴力があり、相手のニーズを理解しながら適切な気配りをすることが得意です」など強調性があることを自然に伝えられるような言葉を出しましょう。他の言葉に言い換えることで、より具体的に伝えられるようになり、結果としてアピール内容の信頼度向上にもつながります。

自分が主体的に行動したことをアピールする

保育士にとって強調性は重要な能力ですが、強調性ばかりをアピールすると、かえって「主体性や行動力がなく、消極的な人」と思われる可能性があります。

そのため、強調性は「周囲の意見に合わせられる」という方向性ではなく、「周囲の意見を否定せず、異なる意見をうまくまとめたうえで1つの目標を設定できる」という方向性でアピールしましょう。より分かりやすく伝えるためにも、これまで自分が主体的に行動した経験を織り交ぜることがおすすめです。

協調性を発揮した内容を具体的に説明する

自己PRで強調性をアピールするときは、まず強調性があることが分かる自分のよいところや強みを伝えたのち、これまでの経験談を具体的に説明しましょう。強調性を発揮した経験談を具体的に説明することで、信頼性や説得力が大きく向上します。

経験談・エピソードを伝えるときは、話の前後がしっかり分かるよう、「背景・行動した内容・結果」を順序立てて述べましょう。話が長くなりすぎないよう、各構成の内容は簡潔にまとめることもポイントです。

保育士の自己PRで協調性をアピールするときの例文

自己PRは、保育園が求める人材に自分が合っているかをアピールする場となります。自己PRの基本的な構成は、次の通りです。

    1:自分の強みを説明する
    2:強みを裏付けるエピソードを説明する
    3:エピソードから学んだことを説明する
    4:保育園ではどのように強みが生かせるかを説明する

ここからは、保育士が面接官に対して強調性をアピールできる自己PRの例文を、新卒で応募したケースと転職で応募したケースに分けて詳しく紹介します。

【新卒】保育士の自己PRで協調性をアピールするときの例文

新卒保育士が自己PRで協調性をアピールする場合は、学生時代に取り組んだなかで協調性を発揮させた活動内容を挙げてから、「保育園で勤務する際は、この経験をどのように活かせるか」といった方向性につなげることがポイントです。

例文(1)
私の強みは、異なる価値観の人とともに物事を進められる点です。

高校の文化祭では、所属していた部活による出し物のリーダーに選定されました。部活メンバーは5人という少人数でしたが、出し物を考えるなかで数人の意見が対立し、ちょっとした揉め事にも発展してしまいました。

しかし、そんなときこそ誰かの意見を押し通すのではなく、一人ひとりのメンバーと向き合うことが大切と考え、全員の意見をまとめたうえで全員の希望を取り入れた出し物を作り上げました。文化祭当日は全員笑顔で出し物を成功させられ、メンバーからは「本当にありがとう」と感謝の言葉もかけてもらえました。 この経験を活かして、周囲の方の意見を傾聴し、お互いが協力できる体制を構築しながら仕事をしたいと考えています。
例文(2)
私の強みは、異なる意見をまとめて連携強化を図れる点です。

大学時代、私はなかなか成績を残せないサッカーサークルのマネージャーを務めていました。なんとか現状を改善させようと提案したミーティングにて、キャプテンと選手の間で成績を残したいという目標は一致しているものの、練習に対する意見や方向性が対立していることが分かりました。

そこで私は他のマネージャーも集めて、サークルメンバー全員の意見をノートにまとめたり、他サークルの練習方法を調べたりしたうえで、定期ミーティングを開くようにしました。定期ミーティングではお互いの意見をしっかりと共有しながら、全員が納得できる練習メニューを組み立てました。

結果として、全員が積極的に練習に取り組めるようになり、平均6位だった成績を2位まで上げることに成功しました。

この経験を活かして、貴園で努めてからも他の職員の方と定期的にしっかりと意見を交換し、かつ協力しながら質の高い保育を実践したいと思っています。

【転職】保育士の自己PRで協調性をアピールするときの例文

転職活動をする保育士が自己PRで協調性をアピールする場合は、前職の保育士経験の中で協調性を発揮した話を挙げてから、「保育園で勤務する際は、この経験をどのように活かせるか」といった内容につなげることがポイントです。また、たとえ前職が他職種の場合でも、保育士の仕事で生かせる協調性の内容を挙げましょう。

例文(1)
私の強みは、価値観の異なる方の意見を真摯に受け止められる点です。

前職の園では、他の職員の方はもちろん、保護者の方に対しても自分の意見を押し通さず、要望や意見を一度受け止めてから問題解決に努めることを心がけてきました。この姿勢を先輩や保護者の方から評価・信頼していただき、多くの方から保育に関する相談を受けられるようになりました。

この経験を貴園でも活かし、周囲にいる多くの方々から信頼してもらえる保育士を目指したいと思っています。
例文(2)
私の強みは、相手の立場になって行動し、かつ適切なサポートができる点です。

前職のWeb制作会社では、5名のデザイナーチームのリーダーを務めていました。大きなプロジェクトに参加した際、異なる部門同士で意見や要望の対立が起こり、方向性がまとまることに時間がかかっていました。

そこで私は、改めてプロジェクトの目的を整理したうえで、各部門の要望を集約し、解決策の考案および仕切り直しのミーティングを実施しました。このミーティングで各部門の意見や懸念点を出し合う機会も設け、結果として各領域の知見をバランスよく取り入れたサイトを完成する形でプロジェクトは成功しました。

この経験を活かし、貴園でも相手の立場から物事を考え、すべての人に対して適切なサポートのできる働き方がしたいと思っています。

まとめ

自己PRとは、応募した企業に対して自分のよいところや強みをアピールして自分を売り込むことです。保育士の自己PRでは、特に協調性をアピールすることが重要となります。協調性は、自分とは異なる環境にいる方・考え方をもつ方と協力しながら物事を進めていける性質を指します。

保育士が自己PRで強調性をアピールするときは、強調性を他の言葉に言い換える・自分が主体的に行動したことを、経験談・エピソードを加えて説明するとよいでしょう。

全国の保育士転職サイト「マイナビ保育士」では、あらゆる保育施設からの求人情報をチェックできるほか、保育業界に精通したキャリアアドバイザーによる転職サポートを受けられます。「面接の際はどのように自分をアピールすればよいのか分からない」という方は、ぜひ無料転職サポートサービスをご利用ください。

※当記事は2022年11月時点の情報をもとに作成しています