幼稚園教諭は、子どもたちの園生活をサポートする中で、日々子どもの成長を間近で見られるやりがいの多い仕事です。子どもたちの言動から新しい気付きをもらえたり、子どもらしい発想に感心したりするなど、自分自身の成長にもつながる仕事と言えます。現在幼稚園教諭として働いている方の中には、「やりがいを再確認したい」という方もいるでしょう。
当記事では、幼稚園教諭のやりがいや魅力、苦労しやすい部分などを紹介します。幼稚園教諭の魅力を知りたい方や、自分自身の適性を確認したい方は、ぜひご覧ください。
目次
幼稚園教諭のやりがいや魅力・楽しさを6つ紹介!
幼稚園教諭の主な仕事内容は、幼稚園に通う子どもたちへの幼児教育を行うことです。幼稚園教諭が行う教育活動としては、会話や読み書き・計算、情操、運動、音楽などの指導が挙げられます。
教育以外にも、児童心理に寄り添って子どもたちの園生活をサポートしたり、保護者対応をしたりすることも、幼稚園教諭の大切な仕事です。幼稚園教諭として働くと、子どもたちの笑顔に接しながら、成長を間近で見られるやりがいがあります。
以下では幼稚園教諭のやりがいや魅力、働く楽しさを6つ紹介します。
子どもたちの笑顔に癒やされる
幼稚園教諭は子どもたちの笑顔に接する機会が多い仕事です。幼稚園教諭として忙しく働いているときに、子どもたちの笑顔に癒やされた経験がある方も多いのではないでしょうか。
中には、最初のうちは笑顔を見せてくれない子どもや、すぐ泣き出してしまう子どももいます。声かけをしたり一緒に遊んだりして親しみを持ってもらい、子どもの笑顔を引き出せるようになったときが、幼稚園教諭にとって大きなやりがいを感じられる瞬間です。
子どもたちの成長を間近で見られる
幼稚園教諭が受け持つ3歳~5歳の子どもたちは、身体的にも精神的にも大きく成長・発達する時期にあります。昨日はうまく読めなかった文字が、今日はすんなり読めるようになっているなど、子どもたちの成長を間近で見られる点が幼稚園教諭の魅力です。
子どもたちの成長は、子ども自身もきちんと感じ取っています。自分の成長を先生に見てもらいたがったり、嬉しそうに報告したりする姿に、「幼稚園教諭をしていてよかった」という楽しさを感じられるでしょう。
自分自身の成長にもつながる
幼稚園教諭として子どもたちと接する中で、子どもたちの行動から新しい気付きを得られたり、子どもならではの発想に感心したりすることがあります。幼稚園教諭は子どもたちを成長させるだけではなく、自分自身の成長にもつながる仕事です。
また、子どもが学習に取り組む姿勢から、自分の普段の言動や生活習慣について振り返る機会もあるでしょう。子どもならではのひたむきさ・真面目さに日々刺激を受けることができる点も魅力です。
保護者から感謝の言葉をもらえる
幼稚園に通う子どもたちは日々多くのことを学び、成長していきます。我が子の成長を実感した保護者から感謝の言葉をもらえたときは、幼稚園教諭にとってやりがいを感じられる瞬間です。
「先生が担任でよかった」「いつもありがとうございます」といった言葉をもらえると、幼稚園教諭になってよかったと実感できる方が多いでしょう。子どもたちの成長という形で仕事ぶりが評価されることは、今後の励みにもなります。
卒園した子どもたちが訪問してくれる
幼稚園に通っている子どもたちは、小学校への就学に合わせて卒園します。子どもたちの中には、卒園後に幼稚園を訪問してくれる子どももいます。自分が担当していた頃よりも、大きく成長した子どもの姿を見て、感動を覚える幼稚園教諭の方は多いでしょう。
卒園後に訪問してくれる子どもたちは、幼稚園で忘れられない思い出を作っています。現在も幼稚園に通う子どもたちに楽しい思い出を作ってあげることは、幼稚園教諭ならではのやりがいです。
イベントを子どもたちに楽しんでもらえる
幼稚園では春の遠足や夏の七夕祭り、秋には運動会をして冬はクリスマス会と、さまざまなイベントを実施します。イベントを準備する立場である幼稚園教諭は、イベントを子どもたちに楽しんでもらえることがやりがいにつながります。
幼稚園のイベントは準備が大変で、何か月も前からスケジュールを組んで事前準備をするケースも少なくありません。時間をかけて準備したイベントが無事に成功し、子どもたちや保護者の方が楽しんでいる姿を見られると、「準備を頑張ってよかった」と達成感が得られます。
幼稚園教諭はやりがいが多い一方で苦労する部分もある?
幼稚園教諭は、子どもたちの教育を受け持つことによる多くのやりがいがあります。一方で、慣れないうちは苦労する部分もある仕事です。
ここでは、幼稚園教諭が感じやすい仕事での苦労を3つ紹介します。
責任感が求められる
幼稚園教諭の職員配置は、国の配置基準にもとづき1学級(35人以下)あたり幼稚園教諭1人となっています。
(出典:厚生労働省「幼稚園と保育所の基準の比較【職員配置・施設設備等】」/ https://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/10/s1024-11d.html )
しかし実際の教育現場で、幼稚園教諭1人が最大35人の子どもたちを担当することは簡単ではありません。ケンカをしたり、危ない遊びに興味を持ったりする子どももいるため、幼稚園教諭には子どもたちの様子に十分な注意を払う責任感が求められます。
「子どもたちに目を配っていなければ」と仕事中はずっと緊張していて、終業後に大きな疲れを感じる方もいるでしょう。
クラス担任になると仕事量が増える
一般的に、新人の幼稚園教諭はクラス副担任になって、子どもたちとの関わり方や基本的な業務の流れを学びます。
一方で、クラス担任になると仕事量が増えます。クラス担任は子どもたちと関わりながら、指導の内容を決めたり園行事に携わったりする必要があり、すべての仕事を自分で判断して行わなければなりません。
慣れないうちは判断を間違えたり、簡単なミスを繰り返したりして、つらい気持ちや悩みを感じることもあります。
子どもとの関わり方に悩む
幼稚園教諭は子どもの教育に携わる仕事であるものの、子どもとの関わり方に悩むこともあります。子ども一人ひとりが異なる性格や感性を持っているため、全員にまったく同じ対応をすればよいわけではありません。幼稚園教諭は子どもたち一人ひとりをよく観察して、子どもに合った接し方をする必要があります。
先輩の幼稚園教諭がうまく子どもと関わっている姿を見ていると、「自分とはどこに差があるのだろう」と自信をなくしてしまうこともあるでしょう。
幼稚園教諭に向いている人とは
幼稚園教諭には求められる適性がいくつかあります。幼稚園教諭のやりがいや魅力が分からなくなった方は、自分自身に幼稚園教諭の適性があることを再確認しましょう。
最後に、幼稚園教諭に向いている人に共通する3つの適性を解説します。
子どもが好きな人
子どもと接する幼稚園教諭として働く上で、最も大切な適性が「子どもが好きな人」であることです。子どもたちの成長を考えて教育内容を考えたり、子どもたちと積極的に会話をしたりできる人は、幼稚園教諭に向いています。
もちろん、子どもが好きな人でも、自由奔放な子どもたちの行動に手を焼かされることはあります。しかし、子どものことをよく理解できていれば、子どもたちの行動も笑って受け止められるでしょう。子どもが好きな人は、子どもからも好かれる傾向があり、円滑なクラス運営をしやすくなります。
真面目でコツコツと仕事ができる人
幼稚園教諭の仕事には、連絡帳への記入や印刷物製作、指導案の作成など多くの事務作業があります。事務作業はクラス運営に欠かせない業務であるため、「真面目でコツコツと仕事ができる」ことが求められます。
事務作業は仕事量が多いものの、基本的には1年サイクルで同じ作業の繰り返しです。経験を積むほど事務作業のコツが分かるようになり、仕事をスムーズに進められます。
コミュニケーション能力がある人
幼稚園教諭は子どもたちはもちろん、保護者の方や同僚の職員とも関わりを持ちます。子どものことで保護者の方と話し合いをしたり、同僚の職員と情報共有をしたりするため、「コミュニケーション能力があること」は重要な適性です。
コミュニケーション能力と言っても、高度な話術や接遇スキルは必要ありません。例として、保護者の方との話し合いであれば、保護者の方が知りたい「子どものこと」を丁寧に伝える話し方ができれば十分です。
コミュニケーション能力がある人は良好な人間関係を築きやすく、周囲から信頼される幼稚園教諭になれます。
まとめ
幼稚園教諭は、子どもたちの成長を間近で見られたり、子どもたちの笑顔に癒やされたりしたときに、やりがいを感じやすい仕事です。卒園した子どもたちが訪問してくれたときや、企画・準備したイベントが成功したときに「幼稚園教諭になってよかった」と実感する方もいます。
幼稚園教諭は、日々子どもたちと接し、複数の子どもたちに目を配る必要があるので、子どもが好きな人や、責任感がある人に向いている仕事です。真面目でコツコツと仕事ができる人や、コミュニケーション能力がある人も、幼稚園教諭に向いているでしょう。
※当記事は2023年8月時点の情報をもとに作成しています