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幼稚園教諭の経験を生かせる就職先は、幼稚園以外にも多岐にわたります。たとえば保育園や認定こども園では、幼稚園教諭としての勤務で培った子どもへの教育経験や保護者とのコミュニケーションスキルなどが生かせるでしょう。

また、幼稚園教諭の経験は、保育・教育分野だけでなく、介護職、事務職、接客業など、さまざまな職種で生かせます。そのため、自身の興味やスキル、価値観に合った転職先を見つけられるでしょう。

当記事では、幼稚園教諭の経験を生かせる転職先の例として、合計11個紹介します。

幼稚園教諭の経験が生かせる転職先におすすめの職種

幼稚園教諭の方の主な転職理由としては、キャリアアップ、労働環境や給与面の改善、ライフスタイルの変化などが挙げられます。ここでは、幼稚園教諭の方が活躍しやすい、幼稚園以外の転職先について7つ紹介します。

認定こども園

認定こども園は、幼稚園と保育園の機能を一体化した施設で、0歳から就学前(5歳)までの子どもたちが通う施設です。幼稚園教諭の経験がある方にとっては、子どもたちとの関わり方や教育のスキルを最大限に生かせる職場となります。

幼稚園型・保育所型・地方裁量型認定こども園であれば、満3歳以上の子どもの場合は幼稚園教諭の免許のみでも働けます(ただし、保育士資格の併有が好ましいとされています)。一方で、幼保連携型認定こども園では、保育教諭として幼稚園教諭免許+保育士資格が必要です。

認定こども園は、保育と教育の両方の側面を持っているため、幼稚園教諭の方にとっては新しい保育のスキルを学びながら、既存の教育のスキルも生かせます。

認定こども園の数は、年々増加傾向にあり職員の需要も高いことから、幼稚園教諭の方の転職先としてもおすすめです。

(出典:内閣府「認定こども園に関する状況について(令和4年4月1日現在)」/ https://www8.cao.go.jp/shoushi/kodomoen/pdf/kodomoen_jokyo.pdf

保育園

保育園は、主に0歳から就学前の子どもたちを対象とした保育施設です。保育補助スタッフであれば保育士資格がなくても働けますが、正規の保育士として勤務するには保育士資格が必要です。

幼稚園教諭免許をお持ちの方は、特例制度が用意されているため、幼稚園教諭免許がない方と比較して保育士資格が取りやすくなっています。具体的には、保育士資格の取得に必要な単位数が軽減されます。

(出典:厚生労働省「幼稚園教諭免許状を有する者における保育士資格取得特例」/ https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/hoiku/tokurei.html

また、保育園は幼稚園よりも一般的に保育時間が長いため、子どもたちとの関わりがより深くなります。一人ひとりの子どもとより密接に関わりながら、その成長をじっくりと見守れるのも特徴です。

児童養護施設

児童養護施設は、家庭の事情などで一時的または長期的に保護が必要な子どもたちを支援する施設です。保護者とは暮らせない子どもたちの生活の場として、できる限り家庭に近いような、落ち着いた雰囲気が整備されています。

児童養護施設において、過去に虐待を受けた子どもは53.4%、何らかの障害を持つ子どもが23.4%と増加傾向にあり、専門的なケアの必要性・重要性が増しています。

(出典:厚生労働省「社会的養護の施設等について」/ https://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/syakaiteki_yougo/01.html

児童養護施設で働くにあたって、特定の資格は不要です。食事や睡眠、衛生管理など、生活面でのサポートを提供することが仕事なので、幼稚園教諭としての経験も生かせる部分があるでしょう。子どもたちの健康を保ちながら、子どもたちの感情のケアや社会性の育成支援も行います。

託児所

託児所とは、一般的に認可外保育施設を指します。そのため、託児所は分類としては保育園の一種です。具体的には、事業所内託児所やベビーホテル、院内託児所などが挙げられます。月極制や一次的な利用ができる施設も多い傾向です。

認可外保育施設は、職員の1/3が保育士であればよいため、保育士資格を取得しなくても働ける場合があります。

託児所では、子どもたちと短期間で信頼関係を構築することが求められます。子どもたちとの信頼関係を迅速に築くことで、一時的な保育であっても、保護者の方や子どもたちに安心感を提供し、楽しい時間を過ごしてもらえます。

ベビーシッター

ベビーシッターは、利用者の家庭で子どもたちのお世話をする仕事です。ベビーシッターとして働くにあたって、特定の資格は不要です。

ベビーシッターの仕事では、各ご家庭の環境に合わせた柔軟な対応が求められます。子どもとの1対1の関わりが中心であり、親御さんとの密接なコミュニケーションも重要です。

働き方としては、パートやアルバイト、もしくは個人事業主(フリーランス)として働くことが一般的です。お給料はそこまで高くない反面、時間に融通を利かせながら働けます。

保育ママ

保育ママとは、家庭的保育事業のことで、家庭的保育者(保育ママ)の自宅などで、乳児や幼児(0〜2歳)の保育を行う仕事です。家庭的保育者として働く際には、各区市町村の認定を受ける必要があります。なお「ママ」とありますが、男性・女性問わず働けます。

ベビーシッターとの違いは、ベビーシッターの保育場所は主に子どもの自宅となること、対象年齢が0〜12歳の子どもであることなどが挙げられます。

保育ママとして働く場合は、正社員やパート・アルバイトなどのように雇用されるのではなく、個人事業主として働くことが基本です。

保育ママとは|メリット・デメリットや開業の条件・必要な資格を解説

学童保育

学童保育は、放課後や長期休暇中の小学生を預かる施設です。学童保育で働くために特定の資格は必要ありませんが、放課後児童支援員の配置が必須となっています。

子どもが安全に遊んでいるかを確認したり、宿題など自主学習の場を提供したりと、小学生の成長を支えるのが職員の役割です。学童保育は、保護者だけでなく、時には小学校や地域の方々とも連携して保育にあたります。

幼稚園教諭から異業種に転職する際のおすすめの職種

幼稚園教諭から、異業種に転職したいと思う方も中にはいるでしょう。基本的には職種未経験での転職となるので、転職理由や志望動機をしっかりと整理し、転職活動に励む必要があります。また未経験の場合は、転職サイトで求人を閲覧するだけでなく、転職エージェントに相談すると、自分に合った職場が見つかりやすいでしょう。

ここでは、幼稚園教諭から異業種に転職する際に、これまでのスキルが生かしやすい仕事・職種を紹介します。

子どもに関連する事業を行う会社

幼児教育に関連する企業や、おもちゃ・子ども製品のメーカー、子どもが多く利用するアミューズメント施設・テーマパークなどが挙げられます。幼稚園教諭の方は、子どもや保護者のニーズを理解するのに長けています。そのため、直接子どもと関わらない仕事に就いても、これまでの経験を生かせる場面が多くあるでしょう。

介護職

幼稚園教諭として培ったコミュニケーション能力や相手の気持ちに立って支援する能力は、介護の仕事にも役立ちます。高齢化が進む中で、介護士の需要は非常に高まっているので、未経験OKの募集も比較的多くみられる職業です。

働きながら介護福祉士やケアマネージャーなどの資格取得も目指せるので、キャリアアップもしやすい業界と言えるでしょう。

事務職

幼稚園教諭の仕事では、子どもの支援だけでなく、保護者との関係構築や、子どもたちの成長記録の管理、書類作成、イベントの企画など、さまざまな業務をこなす必要があります。これらの経験は、事務職で求められるコミュニケーション能力や事務処理力、柔軟な対応力にも生きるでしょう。

事務職はパソコンスキルや仕事の処理スピードなどが重要と思われやすいです。しかし、同僚や他部署、取引先との円滑なコミュニケーションができることや相手に対するホスピタリティも同様に大切となります。

接客業

飲食店や小売店などの接客をする仕事も、幼稚園教諭の経験が生かしやすい仕事です。接客業において、お客さんの気持ちを理解し、心地よいサービスを提供するための感受性や思いやりは非常に重要となります。

子どもや保護者の方の思いを理解して働いてきた幼稚園教諭であれば、お客さんの気持ちに寄り添った接客ができ、即戦力として働けるでしょう。

まとめ

幼稚園教諭が転職を考える理由として、労働環境、キャリアアップ、給与・年収、人間関係、ライフスタイルの変化など、多岐にわたる理由が挙げられます。幼稚園教諭免許を取得するためにした勉強や、幼稚園教諭としての経験はほかの仕事にも生かすことが可能です。

幼稚園教諭からの転職を考えている方は、まずは自分がこの先どのような仕事をしていきたいのか、どのような価値観を大切に生きていきたいのかを整理してみましょう。その上で、現在の仕事では叶えられないことが、実現できるような職場を選ぶことが大切です。

※当記事は2023年8月時点の情報をもとに作成しています