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認定こども園法は、教育と保育を一体的に提供する「認定こども園」の認定基準や手続きを定めた法律です。本記事では、認定こども園法の概要や認定基準、保育園・幼稚園との違い、法改正のポイントについて解説します。 本記事では、認定こども園法がどのような法律かを詳しく解説します。あわせて、認定基準を「配置基準」「職員資格」「教育や保育の内容」「子育て支援」の観点から説明します。認定こども園の詳細を理解したい方は、ぜひご一読ください。
目次
認定こども園法とは?
認定こども園法とは、教育と保育を併せて行う施設が「認定こども園」として、都道府県などから認定を受けるための基準や手続きを定めた法律です。正式名称は「就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律」です。
認定こども園法が制定された背景には、日本で進行する少子化や家庭や地域の多様化があります。子どもを取り巻く現状を踏まえ、適切な教育と保育の提供や子育て支援などを通して健やかに成長できる環境を整えることを、認定こども園法は目的に掲げています。
具体的には、「教育と保育の目標・内容」「設置主体」「職員の資格や配置といった認定基準」「認定の申請や取消しに関する手続き」などが定められています。施行以来、社会の需要などに応じて改正も行われ、現在に至っています。
(出典:厚生労働省「就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律」/ https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=36aa8229&dataType=0&pageNo=1)
(出典:文部科学省「幼保連携型認定こども園、幼稚園型認定こども園」/ https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2014/07/22/1350046_03.pdf)
認定こども園と保育園・幼稚園の違い
認定こども園は、保育園や幼稚園と比べて、運営目的や設置者、入園年齢、教育・保育内容などに違いがあります。
例えば、認定こども園は個々の事情に応じて0歳または3歳から、保育園は0歳から、幼稚園は3歳から入園できます。1日の教育・保育時間については、認定こども園や保育園では標準的に11時間を想定しています。一方、幼稚園の教育時間は原則として4時間とされていますが、実際の運営時間は施設によって異なります。
所管する省庁や関わる法律も異なります。 認定こども園と保育園は、制度上はこども家庭庁が所管しています。一方、幼稚園は文部科学省の所管です。 なお、認定こども園については、文部科学省や厚生労働省が関与する法令・通知も引き続き参照されています。 また、認定こども園の運営は認定こども園法に基づいているのに対し、保育園は児童福祉法、幼稚園は学校教育法に基づいています。
(出典:こども家庭庁「子ども・子育て支援新制度」/ https://www.cfa.go.jp/policies/kokoseido/outline)
認定こども園の認定基準
認定こども園は、「幼保連携型」「幼稚園型」「保育所型」「地方裁量型」の4類型に分かれています。認定基準は類型によって共通点と相違点があります。大きく分けると、「幼保連携型」と「それ以外の類型(幼稚園型・保育所型・地方裁量型)」の2つに分けて整理できます。 以下では、認定基準のポイントについて解説します。
(出典:内閣府「認定こども園制度の概要」/ https://www.cao.go.jp/bunken-suishin/kaigi/doc/senmon138shi02_8.pdf)
配置基準
認定こども園は、職員の配置基準や学級編成の基準に沿って運営されています。保育に従事する職員を常時2人以上配置し、1学級は原則として園児35人以下で編成する、といった基準です。園児の年齢や利用時間に応じ、必要となる職員数は異なります。
園児の年齢ごとの職員配置基準は、以下のとおりです。
| 園児の年齢 | 園児の人数に対する職員数 |
|---|---|
| 満4歳以上の園児 | おおむね30人につき1人 |
| 満3歳以上満4歳未満の園児 | おおむね20人につき1人 |
| 満1歳以上満3歳未満の園児 | おおむね6人につき1人 |
| 満1歳未満の園児 | おおむね3人につき1人 |
認定こども園法および内閣府・文部科学省・厚生労働省令では、幼保連携型の認定こども園について、園長・保育教諭・調理員の配置を原則として必要としています。 ただし、施設の規模や運営形態によっては、兼務などが認められる場合もあります。加えて、副園長または教頭、養護教諭、事務職員などの配置も推奨しています。
(出典:e-Gov法令検索「幼保連携型認定こども園の学級の編制、職員、設備及び運営に関する基準」/ https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=426M60000182001)
(出典:e-Gov法令検索「就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律」/ https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=418AC0000000077_20230916_505AC0000000058)
職員資格
職員資格の種類は、認定こども園の類型や担当する園児の年齢によって異なります。幼保連携型認定こども園では、原則として、幼稚園教諭免許状と保育士資格の両方を有する保育教諭を配置することが求められています。
一方、幼保連携型以外の類型(幼稚園型・保育所型・地方裁量型)では、満3歳未満児の保育を行う職員に保育士資格が必要です。また、満3歳児以上の保育を行う職員には、幼稚園教諭免許状と保育士資格の両方を持つことが原則的として求められています。
ただし、幼稚園教諭免許状と保育士資格の片方しか保有していない方も、担当する役職などによって満3歳児以上を保育できるケースがあります。
(出典:こども家庭庁「認定こども園概要」/ https://www.cfa.go.jp/policies/kokoseido/kodomoen/gaiyou)
(出典:e-Gov法令検索「就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律」/ https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=418AC0000000077_20230916_505AC0000000058)
教育や保育の内容
認定こども園は基本的に、園児が健康で安全な生活を送れる環境を整え、心身の成長をサポートすることを目的とした施設です。いずれの類型においても、卒園後にスムーズに小学校教育へと移行できることを念頭に置いた教育や保育の内容が盛り込まれています。
ただし、教育や保育の内容に関するガイドラインは、認定こども園の類型によって異なります。幼保連携型は「幼保連携型認定こども園教育・保育要領」、幼稚園型は「幼稚園教育要領」、保育所型は「保育所保育指針」に基づくことが前提です。
(出典:こども家庭庁「認定こども園概要」/ https://www.cfa.go.jp/policies/kokoseido/kodomoen/gaiyou)
(出典:e-Gov法令検索「就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律」/ https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=418AC0000000077_20230916_505AC0000000058)
子育て支援
子育て支援とは、教育や保育に携わる施設としての専門性を活かし、保護者が育児の実践力を培えるように支援を提供することです。親子交流会の開催や保育相談、一時的な保育の代行、地域の子育て支援に関する情報提供なども子育て支援の一環です。
子育て支援を行う際は、認定こども園が所在する地域の保育ニーズや保護者の要望を反映させる必要があります。併せて、子育てサークルやボランティアといった地域の人材やサービスなどの社会資源を活用することも求められています。
(出典:こども家庭庁「認定こども園概要」/ https://www.cfa.go.jp/policies/kokoseido/kodomoen/gaiyou)
(出典:e-Gov法令検索「幼保連携型認定こども園の学級の編制、職員、設備及び運営に関する基準」/ https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=426M60000182001)
認定こども園法と保育所保育指針・幼稚園教育要領の違い
認定こども園法と保育所保育指針・幼稚園教育要領は、いずれも未就学児の幼児教育に関する文書である点が共通しています。一方で大きな違いは、認定こども園法は法律であり、施設で行う教育や保育の詳細な内容までは定めていない点です。
法律としての認定こども園法には、認定こども園の認定基準や申請手続きなどが示されています。具体的な教育や保育の内容に関するガイドラインとしては「幼保連携型認定こども園教育・保育要領」が活用されています。
幼稚園教育要領は、幼稚園教育の狙い・内容や、卒園までに育てたい資質・能力などを明確化した要領です。各幼稚園は、幼稚園教育要領と「幼稚園教育要領解説」を併用して具体的な教育課程の組み立てなどを行います。
保育所保育指針は、子どもの年齢に応じた保育のあり方や保育所の運営などを示した指針です。保育所保育指針は保育の内容に重点を置いていますが、満3歳児以上の対応に関しては幼稚園教育要領との整合性を図った内容となっています。
(出典:厚生労働省「幼稚園教育要領と保育所保育指針の関係」/ https://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/01/s0131-6f.html)
(出典:厚生労働省「保育所保育指針の概要」/ https://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/12/dl/s1206-9f.pdf)
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認定こども園の法改正
幼保連携型認定こども園で働く保育士の方を対象に、幼稚園教諭免許状の取得要件を緩和する特例が、2023年4月から適用されています。幼保連携型認定こども園での就業に必要となる、幼稚園教諭免許状と保育士資格の併用を促進する狙いです。 幼稚園教諭免許状か保育士資格の1つを保有する方に対しては、2024年3月末までの経過措置として、未保有の資格の取得要件を緩和する特例があります。2023年4月開始の特例は、保育士資格を保有する方が幼稚園教諭免許状を取得する場合に適用されます。 特例適用の条件は、認定こども園などでの保育士経験が「3年かつ4,320時間以上」であること、さらに幼保連携型認定こども園での保育教諭経験が「2年かつ2,880時間以上」であることです。条件を満たすと、大学などで幼稚園教諭免許状の取得に必要な単位数が2単位軽減されます。 2026年2月時点では、厚生労働省において、幼稚園教諭免許状のみを保有している方を対象とした保育士資格取得要件の緩和について、検討が行われています。
(出典:文部科学省「幼稚園教諭の普通免許状に係る所要資格の期限付き特例」/ https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kyoin/1339596.htm)
認定こども園に関するよくある質問
認定こども園と保育園の違いを教えてください。
認定こども園と保育園の主な違いは、教育と利用認定区分です。 保育園は保育(養護と生活サポート)が主な役割ですが、認定こども園では3歳児以上は幼稚園と同じように教育を行います。また保育園の利用には保育の必要性(2・3号認定)が必須ですが、認定こども園はすべての保護者が利用できます。認定こども園と幼稚園の違いを教えてください。
認定こども園と幼稚園の主な違いは、管轄省庁・対象年齢・開所時間・教諭資格です。| 認定こども園 | 幼稚園 | |
| 管轄 | こども家庭庁 | 文部科学省 |
| 対象年齢 | 0歳〜就学前 | 3歳〜就学前 |
| 開所時間 | 4〜11時間 | 4時間 |
| 教諭資格 | 保育士資格と幼稚園教諭免許 | 幼稚園教諭免許のみ |
認定こども園はなぜできたのですか?
認定こども園ができた理由は子育て環境の変化です。共働き家庭が増え、幼稚園の利用者が減る一方で、保育園には待機児童が生まれました。また少子化で一人っ子が増え、集団生活や異年齢交流の機会も減少しています。社会が変化する中で適切な教育と保育の提供、家庭の支援をするために、様々な家庭状況に応えられる認定こども園が生まれました。認定こども園のメリットを教えてください
認定こども園の主なメリットは次のようなものがあげられます。- 保育の必要性に関係なく利用できる
- 親の就労状況が変わっても同じ園に通い続けられる
- 保育と教育の両方のカリキュラムによる質の向上
- ニーズに合う柔軟な利用時間
- 異年齢交流による社会性の向上
認定こども園のデメリットとは何ですか?
認定こども園には次のようなデメリットもあげられています。- 教育と保育のバランスが難しい
- 画一的な教育方法が合わない子どももいる
- 保育教諭を確保する難しさ
- 職員の能力にバラつきがある
- 保育料が高めで経済的負担になる
まとめ
認定こども園と保育園・幼稚園には、さまざまな違いがあります。とりわけ、配置基準・職員資格・教育や保育の内容・子育て支援というような認定基準の違いが大きいです。認定こども園の形態によって異なりますが、保育士と幼稚園教諭の両方の資格が職員に求められる場合があります。 認定こども園では「幼保連携型認定こども園教育・保育要領」を活用して、教育や保育に関するガイドラインを設けています。幼稚園教育要領や保育所保育指針とは異なるため、これまで幼稚園・保育園に勤めてきた方で、認定こども園への転職を希望する場合は、事前に確認しておくとよいでしょう。
※当記事は2026年2月時点の情報をもとに作成しています





