【4月のぬりえ②】花見

日本で花を観賞する行事がはじまったのは、奈良時代だといわれています。しかし、そのころの花見は「桜」ではなく「梅」を鑑賞するのが定番でした。その証拠に、奈良時代末期に成立したとされる『万葉集』には、梅を詠んだ歌が百首以上あるのに、桜を詠んだ歌は40首ほどしかありません。 花見において、桜を鑑賞するようになったのは平安京遷都のころから。都大路には桜と柳が交互に植えられ、京都御所の内裏の梅も桜に植え替えられました。また、平安時代前期の『古今和歌集』にも、桜を詠んだ歌が数多くおさめられており、梅と桜の人気は完全に逆転しています。 鎌倉時代になると、貴族の行事だった花見が武士にも広まっていきますが、実は農民の間でも「豊作祈願の行事」として花見…