海の日とは?意味や由来から子どもと楽しむアイデアまでを解説
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海の日は、毎年7月に訪れる国民の祝日の一つです。7月の第3月曜日であることは決まっているものの、他の祝日とは異なり、日付の指定・伝統・特別行事などは特にありません。そのため、海の日になにをすればよいかわからない人もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、海の日の意味・由来を解説するとともに、子どもと一緒に海の日を楽しむアイデア5つを紹介します。子どもにわかりやすく海の日を教えたい人は、ぜひ参考にしてください。
海の日とは?海の日の意味・由来を解説!
海の日とは、7月の第3月曜日が対象となる、国民の祝日の一つです。「国民の祝日に関する法律」では、海の日を「海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う」という日だと定めています。
(引用:内閣府「「国民の祝日」について」)
祝日として1996年に定められた当初は、7月20日が海の日でした。しかし、祝日法によって「ハッピーマンデー制度」が導入されたため、2003年以降の海の日は7月の第3月曜日となりました。
〇ハッピーマンデー制度とは
ハッピーマンデー制度とは、国民が余暇を取れる機会を増やし、観光業・運輸業が活性化される経済効果を狙った制度です。国民の祝日のうち、日付との結び付きが弱い日を月曜日に移動させ、土日祝日と連結させることによって3日以上の連休を確保します。
ただし、東京オリンピック開催予定の令和2・3年に限り、海の日はそれぞれ7月23日木曜日と7月22日木曜日に移動します。これはあくまでも、「東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会特別措置法」に基づいた措置です。そのため、東京オリンピック・パラリンピック閉会以降の海の日は、再び7月の第3月曜日となります。
(出典:内閣府「「国民の祝日」について」)
海の日の由来
海の日の由来は、海の日が国民の祝日と定められる前にあった「海の日記念日」がルーツです。「海の日記念日」は、1876年に行われた東北地方巡幸(じゅんこう)のおり、明治天皇が軍艦ではなく燈台巡視船「明治丸」に乗船し、7月20日に無事到着したことに由来します。
横浜へ帰港した史実にちなみ、1941年に村田省蔵逓信大臣が7月20日を「海の日記念日」として提唱しました。当初はあくまでも記念日の一つであったものの、祝日化を望む国民の声に応える形で制定されたのが「海の日」です。
四方八方を海に囲まれた島国である日本は、昔から海の恩恵を受けて、さまざまな文化が発展してきました。そのため、海の日は大いなる海の恵みにあらためて感謝し、これからも海とともに生きるために、海を大切にしようと誓う日でもあります。現状、海の日を国民の祝日として設けている国は世界に類を見ず、日本ならではの祝日です。
【保育士・保護者向け】子どもと一緒に海の日を楽しむアイデア
海の日の意味や由来は、小さな子どもにとって少し理解しにくい内容です。そのため、下記のような内容に絞り、簡単な言葉で海の日を説明するとよいでしょう。
- 日本は海に囲まれた島国である
- 海のおかげで魚介類などの食料をたくさん獲ることができる
- 海は私たち日本人にとって、なくてはならない存在である
- 海を大切にし、「ありがとう」と感謝する日である
また、子どもと一緒に海の日を楽しむためには、遊びの中で海の日・海の生物に関する事柄へと興味を持たせる工夫が大切です。
以下では、子どもと一緒に海の日を楽しむためのアイデアを5つ紹介します。
1. 海の日や海に住む生物に関するクイズを出す
子どもはクイズ・なぞなぞ遊びが大好きです。海の日・海に住む生物のクイズを出すことで、海に関する興味を引き出せます。
【海に住む生物にまつわるクイズの例】
- 逆立ちをすると軽くなる生物の名前はなに?
答え:イルカ - 9時になると会える大きな生物の名前はなに?
答え:クジラ - いつも急いで到着したがる生物の名前はなに?
答え:イソギンチャク - 逆立ちをすると家に変身する生物の名前はなに?
答え:エイ - じゃんけんでチョキばかり出す生物の名前はなに?
答え:カニ
クイズを行う際には、ただ答え合わせをするだけでなく、「なぜその答えになるのか」といった理由を教えることも大切です。海に住む生物に関する、ちょっとした豆知識なども添えると、より子どもの好奇心を刺激し、海に興味を持つきっかけとなります。
2. 海に関する絵本の読み聞かせをする
海をテーマにした絵本の読み聞かせを通じて、海に馴染みがない子どもにも親近感・興味を持たせることができます。
【海に関する絵本の例】
- 「うみのいきものかくれんぼ」:ポプラ社
対象年齢:0~2歳
【内容】
海に住む生物がカラフルに描かれた絵本です。名前のあてっこで遊ぶこともできます。 - 「かにこちゃん」:くもん出版
対象年齢:0歳~
【内容】
海辺に住む可愛い「かにこちゃん」の一日を、リズミカルな文章とともに追いかける絵本です。子どもが喜ぶオノマトペがたっぷり使われています。 - 「てのひら すいぞくかん」:瑞雲舎
対象年齢:2歳~
【内容】
スタンプした手形を魚に見立てた絵本です。絵本としてだけではなく、手のひらスタンプを子どもと一緒に真似して楽しむこともできます。 - 「おすしの さかな」:ひさかたチャイルド
対象年齢:4歳~
【内容】
子どもが大好きなお寿司が、どのようにしてできるのかを写真で教えてくれる図鑑絵本です。食育にも使えます。 - 「ぐりとぐらのかいすいよく」:福音館書店
対象年齢:4歳~
【内容】
子どもに馴染み深い、ぐりとぐらが海水浴に行く絵本です。子どもが水泳に興味を持つ可能性があるでしょう。
海に関する絵本は、知育以外にも夏のすてきな思い出作りに有効な方法です。
3. 海にちなんだ歌を歌う
お歌の時間には、海にちなんだ歌を歌いましょう。リズム・メロディーに合わせて楽しみながら、海・海に関する生物に親しむことがきます。
【海にちなんだ歌の例】
- 海
ゆったりとした曲調で、歌詞も「海の日」のイメージとリンクします。 - くじらのとけい
クジラと9時をかけた歌です。クイズと組み合わせてもよいでしょう。 - 浦島太郎
おとぎ話として有名な浦島太郎の歌です。絵本とセットにすれば、より子どもに喜ばれます。 - 南の島のハメハメハ大王
自然と身体を動かしたくなる陽気で楽しい歌です。「ハメハメハ」の語感は子どもが好みやすい傾向にあります。 - おさかな天国
歌って踊りながら魚の名前をたくさん覚えられる歌です。鮮魚コーナーでよく流れているため、馴染み深い子どもも少なくありません。
ただ海にちなんだ歌を歌うだけでなく、絵本・クイズなどと組み合わせると楽しさが倍増します。
4. 魚や釣り竿を工作し部屋で釣りをする
室内でできる簡単な釣り遊びも、子どもに人気があります。下記では、魚・釣り竿を作る際に必要な材料・必要な道具、作り方を紹介します。
【必要な材料・必要な道具】
- 牛乳パック:5個程度
- クリップ:作りたい魚の数に合わせる
- ラップの芯:作りたい竿の本数に合わせる
- ひも
- 磁石:作りたい竿の本数に合わせる
- 油性ペン
- クレヨン
- はさみ
- テープ類
【魚の作り方】
牛乳パックに魚などのイラストを描いて色を塗る
魚のイラストに沿ってハサミで切り抜く
(2)で切り抜いた魚のイラストの口元にクリップを挟む
【釣り竿の作り方】
ラップの芯の先に、テープでひもを貼り付ける
ひもの先端にテープで磁石を貼り付ける
ラップの芯を自由に装飾する
釣り竿の磁石を魚に挟んだクリップにくっ付け、釣り上げて遊びます。海らしさを演出したい場合は、青いビニールシート・ビニールプールを準備することがおすすめです。
5. 水族館へ行く
近所に水族館があれば、遠足の行き先に加えてみましょう。水族館では絵・写真だけでは伝わり切らない、海の生物のリアルな生態を観察できます。
水槽を泳ぐ魚の群れに圧倒されたり、ふれあいコーナーで初めての感触に驚いたりすることも子どもにとってよい経験です。上手く時間を調整すれば、さまざまな生物が食事するシーンを見学できる可能性があります。
子どもからの質問に答えられるよう、水族館に行く前日までに、海の生物に関する知識をある程度身に付けることが大切です。また、パンフレットを事前に見せておくと、子どもの期待を膨らませることができます。
まとめ
7月の第3月曜日に設けられている海の日は、海の恵みに感謝しつつ、島国である日本が海とともに繁栄することを願う日です。元々は、明治天皇が無事に巡幸から帰ってきたことを記念した日でしたが、現在は海に親しみ感謝する日として国民の祝日の一つとなっています。
海の日に子どもと一緒に楽しむ際は、クイズ・絵本などを使って海の生物に関する知識を深めるとよいでしょう。マイナビ保育士が運営する「ほいくらし」では、海の日以外にもさまざまな祝日の由来、保育の知識・情報を紹介しているため、ぜひ参考にしてください。
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