【実態調査】保育園留学の利用人数が累計1,000家族を突破!その満足度は?

【実態調査】保育園留学の利用人数が累計1,000家族を突破!その満足度は?

1-2週間家族で地域に滞在するこども主役の暮らし体験「保育園留学」を展開する株式会社キッチハイク(本社:東京都台東区、代表取締役CEO:山本雅也)が、保育園留学の実績および利用動向を公開しました。本調査によると、保育園留学は全国40地域に広がり、累計35,000人泊を突破。リピート希望率99%と高い支持を得ています。地域経済にも大きな影響を与え、北海道厚沢部町では年間推計3,300万円の経済効果を創出しているようです。保育園留学にはどのような魅力が詰まっているのでしょうか?(ほいくらし編集部)

保育園留学とは

「保育園留学」は1-2週間家族で地域に滞在する、こども主役の暮らし体験です。保育園での一時預かり、宿泊、ワークスペース、地域体験などをパッケージ化。こどもには、幼少期に大自然に触れて心身ともに健やかに育つ環境を。ご家族には、仕事も子育てもしながら多様な選択肢を。地域には、家族ぐるみの超長期的関係人口の創出や地域経済への貢献をもたらします。2021年、世界一素敵な過疎の町・北海道厚沢部町の認定こども園はぜるに、当時2歳の娘と留学した子育て当事者キッチハイクCEO山本雅也・1家族の原体験より事業が生まれました。

課題先進地域における、「こどもと家族中心」官民連携の最先端事例として、内閣府「地方創生SDGs官民連携プラットフォーム」優良3事例、内閣府「2023年度地方創生テレワークアワード・地域課題解決プロジェクト参画部門」、国土交通省「令和5年度地域づくり表彰」国土交通大臣賞(最高賞)、GOOD DESIGN AWARDなど多数受賞。全国へと広がっています。

背景

1)子育て家族:理想の子育てと仕事の両立難しさと、こどもの経験と教育ニーズ

子育て世代の共働き率は年々増加し、東京都では過去最多の66.7%に達しました(*1)。このような状況下で、子育てと仕事の両立が重要な課題となっています。特に都市部では、日常的にのびのびと過ごせる環境が減少しており、東京23区内では保育園で園庭を持つ割合が約50%に低下(*2)。さらに、教育の早期化が進む中、学力だけでなく多様な経験から育まれる「非認知能力」への関心が高まり、こどもに多様な経験をさせたいというニーズも増しています。

*1 日経新聞. (2023/11/29). 東京都の子育て世帯、共働き66.7%と過去最多.
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC295WS0Z21C23A1000000/

*2 普光院亜紀. (2016). 『100 都市保育力充実度チェック』 のデータに見る 保育の現状と課題. 保育通信, (730), 12-17.

2)課題先進地域:人口減少と持続可能性な子育て環境づくりの懸念

一方地域には、自然や文化豊かな環境がありながらも、人口減少・少子化が差し迫るなか子育て環境の持続性などに課題が現れています。人口3500人の過疎地域である北海道厚沢部町の場合、複数保育所を合併したこども園でも定員率は75%を下回り、さらに減少傾向にありました。

保育園留学は、子育て家族の課題/ニーズと地域の課題の双方をつなぎ、未来をつくる新しいアプローチとして広がりを見せています。

利用動向

留学先:サービス開始2年半で、約40地域へ拡大

2021年11月に北海道厚沢部町から開始し、2年半で約40地域に拡大。北海道、東北、関東、中部、近畿、四国・中国、九州、日本全域に留学先が増えています。2024年度もさらに連携地域が拡大する予定です。海、森など自然の中で遊べる、北国での雪遊び、米どころの食育や酪農地域での動物のふれあいなど、家族はその地域ならではの体験で選んでいます。また、インターナショナルスクールでの英語教育、発達支援に特化した園、森のようちえん活動など、さまさまな保育スタイルを行うのこどもにフィットする体験を探す目線でも選ばれています。

留学数:予約留学数が前年比5倍に拡大

2021年11月のサービス開始から、24年6月までの予約留学数は1,000組、大人とこどもを合わせると、約3,500人となりました(前年比5倍に拡大)。地域の宿泊数に換算すると、35,000人泊を突破。「こどもと家族中心」の取り組みによって、地域によっては全く無かった子育て家族の人流を生み出し、1-2週間という中期滞在を生み出しています。

リピート希望率:99%、1年で同じ地域に3回リピートするご家族も

「同じ地域にまた行きたい」「違う地域にまた行きたい」を合わせて99%と、多くの家族がリピートを希望。こどもを地域の保育園に通わせることでの家族と地域の強いつながり、現地の園や地域の丁寧な受け入れ体制が体験満足度及びリピート希望に反映されていると考えられます。旅行や観光、家族同士の交流を目的に再度留学地域を訪れる家族もおり、一過性の観光ではなく、超長期的な家族ぐるみの関係人口創造につながっています。

*2024/6現在過去1年間の利用者アンケート結果(n=138) 

利用者層:30-40代の親世代、関東首都圏在住がメイン

利用者の約9割が都市部からの参加ですが、昨年度から関東首都圏以外の利用が15ポイント増加し30%にとなりました。留学先が東西全国に増えたことにより各地からアクセスしやすいエリアがそれぞれ増え、利用層の全国に拡大に貢献していると考えられます。

年齢は0歳児クラスから5歳児クラスまで参加しており、年齢による大きな差はなく、幅広い年齢の子どもが留学しています。4歳以下の留学生が次の年にリピートするなど、低年齢での参加がリピートにつながるケースも見られています。

北海道厚沢部町の事例:年間推計3,300万円の地域経済効果

保育園留学を開始した北海道厚沢部町では、宿泊費、一時預かり費用、現地出費(レンタカー代、食費、レジャー費用など)を含めると保育園留学を通じて年間推計3,300万円の地域経済効果をもたらしていると考えられます。

厚沢部町では、保育園留学の費用や地元加盟店で使用可能なふるさと納税の返礼品として受け取れる「留学先納税」の活用が進んでおり、自治体への還元も行われています。

子育て世帯の「やわらかな定住」による園児増加、生活者増加、交流増加。

北海道厚沢部町では、約2週間の「保育園留学」の受け入れにより、常時4~8家族が滞在し、園児と生活者の実質的な増加が実現しています。さらには留学をきっかけに「まずは保育園児の期間住んでみる」という移住事例も誕生。従来、地域への滞在は観光の数日間のみ、移住=永住のイメージが強いものでした。しかし保育園留学では家族がライフステージやライフスタイルに合わせて適した地域に弾力的に住む「やわらかな定住」(1-2週間の留学〜未就学児の間の定住まで)ともいえる選択肢が生まれています。暮らしをよりこどもと子育て家族を中心に捉え直した際に、より現代の子育てにフィットし、地域にとってもプラスになる新しい住まい方が生まれています。

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