一歩目を踏み出す勇気をくれる8つの名言【子どもと関わるあなたへ贈る魔法の言葉】#05

一歩目を踏み出す勇気をくれる8つの名言【子どもと関わるあなたへ贈る魔法の言葉】#05

失敗して落ち込んだ時や人間関係に悩んだ時、ふと目に止まったひと言で心が軽くなったり、勇気がわいてきたりした経験はありませんか?このコーナーでは、仕事や人間関係などで迷いが生じた際に、みなさんの心の道しるべとなるような「名言」を集めて紹介していきます。今の気持ちに寄り添ってくれるようなひと言が見つかれば、明日からも笑顔でいられるはずですよ!

何事もやってみなくちゃわからない!まずは一歩目を踏み出しましょう

やってみたいと思っていた習い事や趣味、スポーツ、仕事……。新しいことに挑戦している自分の姿を想像すると、なんだかわくわくしますよね。でも、いざはじめようとすると、「私にうまくできるのかな?」とか、「このやり方でいいのかな?」といった不安な気持ちが芽生えてきて、前に進めなくなるのも事実。やろうとしているのが、いままでやったことのないことであればなおさらです。

そんなときは、一度冷静になって、こう考えてみてはどうでしょう。何事もやってみなくちゃわからない、とにかく一歩目を踏み出してみよう。たとえ失敗しても、チャレンジを精一杯楽しもう、と。それでも、勇気が出ない人は、先人たちが残した「勇気をくれる名言」に耳を傾けてみるのもよい方法です。偉人とか成功者と呼ばれる人たちだって、最初からいろいろなことができたわけじゃありません。だからこそ、彼らの言葉にはきっと「学ぶべきもの」があります!

いつからはじめようか、などと考えているときには、すでに遅れを取っている。
――クインティリアヌス

紀元1世紀頃のローマ帝国で活躍した学者。皇帝子息らの家庭教師や、法廷での弁護活動などに携わり、晩年に修辞学についてまとめた『弁論家の教育』全12巻を執筆した。ちなみに修辞学とは、主張や説得に使うレトリックについて研究する学問のこと。

「いい加減、ダイエットしなくちゃ」と思いつつ、つい「明日からがんばればいいや」と先送りにしてしまい、結局何もしないまま終わってしまった……。みなさんは、そんな経験ありませんか? 身に覚えのある人には、ローマ帝国の修辞学者・クインティリアヌスのこの言葉を贈りましょう。日本にも「思い立ったが吉日」という言葉がありますが、何かをはじめるなら、すぐに実行するのが得策です。例えば、仕事中に面白いアイデアを思いついたとして、悠長に構えていたら、別の誰かが同じアイデアで大成功をおさめてしまうかもしれませんよ? そもそも、早くスタートしたほうが経験をたくさん積める分、自身の成長にもつながります。「明日からがんばる」は、もう卒業しませんか?

できると決断しなさい。方法などは、後から見つければいい。
――エイブラハム・リンカーン

アメリカ合衆国の政治家、弁護士。1809~65年。共和党選出の第16代合衆国大統領として南北戦争を戦い、南軍に勝利してアメリカを再統一。直後に暗殺されるが、彼による「奴隷解放宣言」が奴隷制の廃止を決定付けた。

難しい課題や壁にぶつかったとき、あるいはできるかどうかわからないことにチャレンジするとき、取り組む前から「できない理由」を探してしまうことって、ありますよね? でも、リンカーンは違います。「物事を達成しようと思ったら、まずはやりぬく意志を固めることが大切。気持ちさえ決まれば、後はどうにかなる」と考えるのが彼の流儀。なんて楽観的なんでしょう。でも、何かを成し遂げようとするとき、前向きな気持ちは確実に「力」になりますよね。弁護士から政治家に転身し、最後は大統領にまで上り詰めた人物の言葉だけに、説得力があります。やりたいことがあるときは、リンカーンにならって、「できる」と信じて突っ走ってみるのもいいかもしれません。何をするにも、勢いは大事ですから!

一歩踏み出せるなら、もう一歩も踏み出せる。
――トッド・スキナー

アメリカの登山家。1958~2006年。人工的手段の助けをできるだけ借りず岩壁を登る「フリークライミング」の世界的第一人者で、数々の断崖で初登に成功。ビジネスパーソンを鼓舞する講演活動にも注力した。

何かをはじめようとするとき、最初の一歩を踏み出すのはとても勇気がいります。「失敗したらどうしよう」「立ち直れないかもしれない」。そんなふうに考えると、なかなか前に進めなくなりますよね。しかし、トッド・スキナーは言います。一歩踏み出してしまえば、そこから先はすんなり進むものだ、と。どんなにすばらしい夢やアイデアがあっても、何もしなければ何も起こりません。逆に、一歩踏み出してしまえば、それが自信となって二歩目、三歩目と進んでいけるでしょう。そして、描いていた夢やアイデアが、実現へと近づいていくはずです!

人生とは自分を見つけることではない。人生とは自分を創ることである。
――バーナード・ショー

アイルランドの劇作家、評論家。1856~1950年。シェイクスピア作品などの批評分析とあわせて多数の戯曲を執筆し、1925年にノーベル文学賞を受賞。代表作である『ピグマリオン』は、後に『マイ・フェア・レディ』のタイトルでミュージカル化・映画化された。

以前、「自分探しの旅」という言葉が流行しましたが、人生に迷ったときほど「本当の自分ってなんだろう」「本当は何がしたいのだろう」などと考えてしまいますよね。けれどバーナード・ショーは、自分というのは「見つけるもの」ではなく、「創るもの」だと説きます。なるほど……。見つけるもの=すでに出来上がっているもの、創るもの=まだ完成されておらず、無限の可能性を秘めているものと考えると、後者のほうが圧倒的にわくわくします。そして、「人生を自分の手で創ってくんだ」と考えると、普段の行動の一つひとつを「より大事にしなくては」と思えてきます。挑戦や失敗を繰り返し、ときにひと休みしながら、素敵な人生を創り上げていきたいものですね。

翼を持たずに生まれてきたのなら、翼を生やすためにどんなことでもしなさい。
――ココ・シャネル

フランスのファッション・デザイナー、企業家。1883~1971年。27歳で開いた帽子店を皮切りに、独自デザインの衣服や雑貨、香水などを販売して女性の心をつかみ、「シャネル」ブランドを一代で築いた。「ココ」はキャバレー歌手時代の愛称で、本名はガブリエル。

世界的なブランド「シャネル」の創設者として知られる、ココ・シャネル。ブランドと同様、人物像にも華やかなイメージを持たれがりですが、彼女は18歳までを孤児院で過ごしています。つまり、最初から順風満帆だったわけではないのです。世の中はけっして公平ではなく、スタート地点に並んだときには、それぞれの環境に差があります。学業でも仕事でも同じです。では、もし自分のスタート地点がみんなより後ろだとしたら? まわりと同じことをしていて、レースに勝てるでしょうか。「成功のためならどんなことでもする」。言葉通りに捉えると危うさもありますが、何かを成し遂げようとするときには、こうしたハングリー精神も必要かもしれません。

人生の最大の喜びは、あなたにはできない、と言われたことをすることだ。
――ウォルター・バジョット

イギリスのジャーナリスト、政治評論家、経済学者。1826~77年。幅広い分野を対象として評論活動を展開し『イギリス憲政論』などを著したほか、現在も刊行が続く『エコノミスト』紙の社主を15年以上にわたり務めた。

「この仕事、あなたにはちょっと難しいかな」。仕事場で上司や先輩からこんなふうに言われたら、あなたはどう感じるでしょう。傷ついたり落ち込んだりしますか? それとも、やる気に火がついて「やってやろうじゃん」と奮起しますか? ウォルター・バジョットは後者。難しいことに取り組み、やり遂げることこそ仕事の醍醐味だと考えていたようです。確かに、困難を乗り越えた先にある達成感は、自信やモチベーションにつながります。そして、そのくり返しが自分自身を成長させます。となれば、誰になんと言われようと、やってみる価値はあるはず。まずは、一歩前に進みましょう!

人のやり方で成功するより、自分の考えたやり方で失敗するほうがマシだ。
――フョードル・ドストエフスキー

ロシアの作家。1821~81年。軍人から作家へ転身するも、反政府運動に加担した罪でシベリア流刑に。服役を終えて発表した『死の家の記録』『白痴』『罪と罰』『カラマーゾフの兄弟』などの作品群は、その後の世界文学に多大な影響を与えた。

仕事の効率の上げ方、おいしい料理の作り方、おススメのデートスポット。いまは、あらゆることの答えが、SNSやAIを使って入手できる時代です。だからこそ、ドストエフスキーの哲学は、あまりに古臭くて、タイパが悪いと感じるかもしれません。でも、考えてみてください。何かに挑戦しようとするとき、検索から得た答えを実践してあっさり成功したら、あなたのなかに何か残りますか? 成長できたと言えますか? 一方、自分で考えて、迷ったり悩んだりしながら失敗した場合はどうでしょう。なぜダメだったのか、理由や課題がはっきりわかるはずです。足りなかったものがわかれば、次の挑戦に向けて対策を練ったり、闘志を燃やしたりもできるでしょう。それを考えると、ときには自分なりのやり方で失敗してみることも必要な気がします。だって、失敗から課題を見つけて、それをもとに成功にたどりつけば、間違いなく成長につながるじゃないですか。

なりたかった自分になるのに、遅すぎるということはない。
――ジョージ・エリオット

イギリスの女性作家。1819~80年。副主筆を務める雑誌で、男性的なペンネームを名乗り小説『牧師たちの物語』を発表。小説家となった後も同名で活動した。本名はメアリ・アン・エヴァンズ。代表作は『サイラス・マーナー』『ロモラ』『ミドルマーチ』など。

何事も遅すぎることはない。頭ではわかっていますが、年を重ねるにつれて、体力や気力が低下してくることも事実。「言うのは簡単だけど、現実はそんなに甘くないよ」と思ってしまう人も少なくありません。だったら、こう考えてみたらどうでしょう。年を重ねたスイマーがオリンピックで金メダルを取るのは難しいけれど、体が許す範囲で水泳競技を楽しむことはできる。要は、いまの自分を理解し、「なりたい自分」のイメージを身の丈にあったものにすればいいのだ、と。現実的な目標を立てて、それに近づく喜びをかみしめながら生きる人生と、「もう手遅れだから」と挑戦すらしない人生。どちらが幸福かと言えば、やっぱり前者です。となれば、身の丈にあった「なりたい自分」を考えることからはじめてみましょう。

まとめ

何かをはじめようとするとき、不安はあって当たり前。目標や夢が見えたときは、あれこれと考えすぎず、とりあえず歩みを進めてみてはいかがですか? トッド・スキナーが言うように、一歩目を踏み出せれば、二歩目はもっと気持ちが楽になるはずですよ。「どうせ自分には無理」なんて弱音を吐きたくなったら、リンカーンやココ・シャネルの言葉を思い出して、自分を奮い立たせるのもよいでしょう。

バーナード・ショーによれば、人生とは理想の自分を創るチャレンジ期間。失敗を恐れず、前に進みましょう。ジョージ・エリオットが言うように、何事も遅すぎるなんてことはないのだから、失敗したら何度でも挑戦すればいいんです。もし行き詰まったら、「あえて失敗する」というドストエフスキーの知恵を借りてみるのもいいかもしれません。

あなたの歩みの先には、きっと素敵な世界が待っているはずですよ!

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