保育士さんが考える「理想の保育園」ってどんな園?アンケート結果発表!
イヤイヤ期真っ最中の“にこちゃん”が主人公の人気絵本『おにのこ にこちゃん』(発行:ポプラ社)と、マイナビ保育士によるコラボ企画が実現! この企画は、有識者のインタビューや保育士のみなさんからのアンケートをもとに「理想の園」を考え、にこちゃんの絵本に登場させようという夢のプロジェクトです。第4回は、「保育士さんが考える理想の保育園」についてのアンケート結果をご報告します。現場で活躍する保育士のみなさんが思い描く「理想の保育園」とは?
保育士さんが考える「理想の保育園」 アンケート結果発表!
今回、保育士のみなさんに質問したのは、それぞれが思い描く「理想の保育園」についてです。どのような設備や環境が理想か、理想の保育園で働くならどんな保育士になりたいかなど、6つの項目にお答えいただきました。
【アンケートに答えてくれた保育士さん】
対象エリア | 全国 |
年齢 | 30代を中心に20~60代以上 |
経験年数 | 15年以上を中心に1~25年以上 |
保有資格 | 保育士のほか、幼稚園教諭一種・二種など |
事業形態 | 保育所・子ども園を中心にデイサービスや幼稚園など |
20代で経験年数3年未満の新人保育士さんから、60代以上で経験年数25年以上のベテラン保育士さんまで、たくさんの保育士の方がアンケートに答えてくださいました。みなさん、たくさんのご回答ありがとうございます! それではさっそく、アンケートの結果を見ていきましょう。
Q1.みなさんにとって「理想の保育」とはどのようなもの?
保育士のみなさんの声をピックアップしてご紹介!
保育士のみなさんのリアルな声
編集部からのコメント
理想の保育園について、保育士さんたちが「いちばん重視したい」と答えたのは、ダントツで子どもの「したいこと」にていねいに寄り添える保育でした! 「子どもファースト」「興味関心に合わせる」「多様性を認め合える」というのも、すべて子どもの気持ちに寄り添わなければ実現できないことですよね。
Q2.みなさんにとって「理想の保育園(設備面)」とはどのようなもの?
保育士のみなさんのリアルな声
編集部からのコメント
理想の保育園の「設備」について、保育士さんたちが重視しているのは、子どもたちがリラックスして過ごせる設備・遊具などが整っていることでした! 長時間過ごす保育園だからこそ、落ち着いて過ごせる設備が大切と考えている保育士さんが多いようです。
また、それと同じくらい「保育士が働きやすい設備」を重視する方も見られました。余裕のない保育は、子どもにしわ寄せがいってしまいます。子どもも大人も、どちらも心地よく安全に過ごせる設備が第一ですよね。
Q3.みなさんにとって「理想の保育園(環境面・社会面)」とはどのようなもの?
保育士のみなさんのリアルな声
編集部からのコメント
理想の保育園の「環境面・社会面」を尋ねた質問では、遊びの想像が膨らむような園庭があることを重視する保育士さんが多く見られました。子どもの発想力は無限で、与えられた空間でどんどん遊びを発展させていきます。想像力を刺激できるような園庭や、情緒を豊かにする自然との触れ合いがあれば、子どものさまざまな力を引き出せそうですよね! また、職員同士の情報交換・意見交換を重視している保育士さんも多数いらっしゃいました。園全体で考え方、やり方を常にアップデートし、多様化する子どもの特性に対応しようとする姿勢は、とても大事だと思います。
Q4.理想に向かってチャレンジできている?
「理想に向かってチャレンジできている」と答えた保育士さんは約65%。多くの保育士さんが、理想の保育園の実現を目指して努力されているようです。常に子どものことを考え、理想にチャレンジする姿勢には、本当に頭が下がります!
Q5.理想にチャレンジする際に「あったらいいな」と思うものは?
編集部からのコメント
理想にチャレンジするにあたっては、職場のみんながディスカッションできる場を求めている方が多数派でした。日々の業務に追われていると、行事の打ち合わせなどで職員会議の場を設けるのも一苦労。それだけに、「保育士一人の思いだけでは保育園は変えられない」「保育園全体で話し合って理想の保育園に近づけたい」という思いが強いようです。
あわせて、「理想をかなえるために課題となっているもの」についても聞いてみたのですが、そちらには「時間的な余裕がない」という声が多く寄せられました。思い描く理想があるのに、時間を確保できない……。とても難しい問題です。
Q6.「理想の保育園」で働けるならどんな保育者でありたい?
保育士のみなさんのリアルな声
編集部からのコメント
アンケートには、こちらが想像した以上に素敵な声が集まりました。子どもたちが思いきり遊べるようにつとめながら、保育士同士で助け合い、いい関係を築こうとするのは、まさに理想の保育園で働く、理想的な保育士だと感じます。
「子どもにていねいに寄り添う」こと、そして「保育士が働きやすく意見を交換しやすい環境を整える」ことは、どちらも同じくらい大切です。そして、子どもに寄り添うためには職員の連携が不可欠です。職員が同じ思いを共有することで、しっかりと子どもに寄り添えるようになるのではないでしょうか。
「理想の保育園」が実現しますように……
保育士のみなさんの素敵な言葉によって、少しずつ理想の保育園像が見えてきました! こうした声を反映した保育園なら、イヤイヤ期真っ最中の“にこちゃん”も、大喜びなのでは?
最後に、記事中のイラストを担当してくださった原あいみさんに、アンケートへの感想や「理想の保育園」に対する思いをお話していただきましょう。
子どもの成長を一緒に喜んでくれる先生は偉大です!
【原 あいみさん プロフィール】
イラストレーター。『おにのこ にこちゃん』の絵を担当しているほか、企業や商品のイメージキャラクターも数多く手がけています。難しいことをわかりやすくマンガで伝えることが得意で、2歳だったころのわが子をモデルに、リアルで愛くるしい“にこちゃん像”を作りあげました。Twitterにて、にこちゃんのマンガ「きょうもにこまるけ。」も配信中(毎週水曜朝8時)。
今回は、理想の保育園に関するアンケートの結果をご紹介いたしました。子どものため、そして保育士のため。みなさんが思い描く保育園はとても魅力的なものだと感じます。しかし、一方で「理想をかなえるための時間的な余裕がない」など課題も浮き彫りに——。
そうしたなかで、理想の実現を目指すには、「どうせできない」「うちの保育園ではムリ」ではなく、一人ひとりが「自分の思い描く理想」を持ち、前に進んでいくことが大事です。
本記事をご覧になっている保育士さんも、「理想の保育園ってどんなもの?」「働くならどんな保育園がいいかな?」などについて、ぜひ一度想像してみてください。そして、想像した理想に近づくために、一歩ずつがんばっていきましょう!
文/保育士ライター 山本彩香
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